第14章 知床オフミーティング



知床オフミーティングにて(撮影:AOさん)  


知床オフミーティング

 清里のCOOPにて、酒・ジンギスカンなどの大量の物資を購入し、本当にいっぱいいっぱいの超過積載状態になって斜里へと機首を向けた。もうこのあたりは5年連続通過している知り尽くした道だ。複雑なショートカットをものともせず、すんなり斜里を抜け、知床半島の付け根「峰浜キャンプ場」を通過する。

 峰浜か。そういえば昨年、キャンプしたっけ。普通の海水浴場っぽかったけど、なかなか居心地のよいサイトだったな。走りながら昨夏を回顧することしばし。

 そして、懐かしい知床半島ウトロ側の海岸線をちらりちらりと目を細めながら走る。僅かにこぼれる夕陽がとっても目に沁みた。

 そんなに知床っていいのかい?とよく質問されるのだが、こればかりは個人の感性だと思う。

 俺は、北の大地の風景へ心から敬意を持って旅しているつもりだ。敬意を持たずにただ漠然と観光旅行される人との感受性は、1億光年も違い過ぎるので感性のない人になにを言っても意味がない。また感性のない人もそれはそれでいいと思う。自分が感動できる、その人の最高の場所を探せばいい訳だし、特に探さなくたって人は生きていけるのだ。

 旅なんて人の勝手。ただ、俺の周りには、北海道が好きで好きでたまんない人ばかりが、オン・オフ問わず結集しているだけだ。

 あっ、本題からかなり脱線していたぞ!

 話を戻す。

 オシンコシントンネルをくぐろうとすると、TVの取材かなんかかな?覆道部分の上にものもしくセッティングしている人たちがいたが俺にはまったく関係ない。すんなりトンネルを通過した。

 途中、買出しをしているらしいAOさんとすれ違う。挨拶はしたが、オフミーティング会場の「しれとこ自然村」ってどこだ?引き返して、AOさんに聞いておけばよかった。

 知らず知らずに知床横断道路へ突入していた。そして知床自然センター到着。しかし、いくらなんでもここじゃないだろう?どうもTMのアバウトさが恨めしい。時間が、どんどん経過していく。自分が主宰のオフの場合、誰よりも早く現地に入っているのが取り得なのに。

 ゆっくりと引き返しながら、標識等を確認していった。あった!横断道路の遥か手前じゃねえか。ようやくそこを左折したら、もの凄い荒れたダートの登りだ。雨でぬかるんでるし。ひえ〜

 なんとか登りきった。そして一息つくと・・・

 スゲー、混んでる。ファミキャン、ファミキャン、ファミキャン・・・・もうびっちり。参ったな、こりゃ。

 ところで、みんなどこだ?

 バイクを移動させ、よくぞ見つけたという、ファミキャン集団から離れた林の中の一角みたいな場所へ皆さん陣取っておられた。

「北野はん、久しぶりですなあ〜」
 コ、コマンダーさんだ。2年ぶりか?思わず感動してしまう。

ふじん氏、混浴ライダー氏、コマンダー氏(撮影:kenさん)
「いや、遅いから心配しておりましたわ〜」
 北野最大の盟友であり、兄貴分のコマンダーさんの一言。心からほっとする声だ。

 しかし、コマンダーさんは肝心のテントを家に忘れてきていると後刻聞かされ、仰天する。

 と言うことで、テントを設営し始めた。もう皆さん、大体張り終えているようなので、慌てて作業してたら、フライシートを逆に張っているし(汗)
 ルミさんが現れた。実は彼女とは北海道好き関連で知り合い、永久ライダーサイトを実によく読んでいただいている大切な常連さんだ。ネットではかなり長いつき合いだし、お世話になっている。しかし、オフで初めてお目にかかる。思った通りの素敵な女性だった。

 続いてkenさん、永久ライダーの掲示板へ最近よく来ていただいている方だ。本当に内輪の、オフミへの参加ありがとうございました。

AOさんと北野(撮影:kenさん)

みんな(撮影:AOさん)
 彼からは、旅の後からもたくさんの画像を頂戴し、非常に助かっている。

 大変真面目な人柄で、野獣北野のように永久ライダーからヨッパライダーに変身することなど決してあり得ない。以後も何日か行動を共にしたが、飲んでも常に変わることのない温厚な紳士だ。
 ミヤさん、既に前日から会っているのだが、2000年に和琴で知り合って以来、4年間、毎夏連続で北海道にて邂逅するお互いの旅の裏も表も知り尽くした莫逆の友だ。かなり有名な混浴ライダーの異名を持つ男!

 AOさん、札幌の住人。炭焼き先生とか地味な存在に見られがちだが・・・

 実は、表の北野、裏のAO。AOさんの存在なくば、大小のオフが実行できないという、蔭ながら最大級の実力者だと思う。実際、AOさんの炭焼き道具・技術がなければ会は盛り上がりにかなり欠けていただろう。

 しばらくすると、コマンダーさんが注文していたタラのちゃんちゃん焼きとご飯と鉄砲汁ができたと放送が入り、夕食タイム。皆さん、空腹だったのか、あっという間に食べつくしてしまった。尚、この食事は全部、後刻登場するさちさん(このキャンプ場のヘルパーさん)持ちとのことだ。ご馳走様でした。美味しかったです。

 ジンギスカンもAOさんの炭で、次々に焼けてきた。皆さん、酒と肉をほおばりながら、いろんな話題で盛り上がる。

 ちょっと待てよ。一通り、皆様の紹介をさせていただいたが・・・・・

 コマンダーさん@大阪、kenさん@大阪、混浴ライダー@大阪、るみさん(昨年から)@大阪。ふじん氏@伊丹。

 よく考えるとAOさんと俺以外は、全員関西だ。コテコテの関西オフが結成できるぞ(後日、関西にて本当に決行される)

 でも大丈夫、皆さん北野との長年のつき合いや永久ライダーHPのよき理解者ばかりなんで、終始和やかに楽しくオフ会が続いて行くのであった。お互いの細かい領分へは絶対に立ち入らない。洗練された大人の旅人達の世界なのだ。

 AOさんが、ルミさんへアンモナイトの化石をプレゼントしているぞ!ヒュ〜、やるなあ〜
見せてもらうと本当に巻貝の形をしていた。

 その後、モンゴルツーリングのベテラン・コマンダーさんが、モンゴル名物のお茶と牛乳を割った飲み物を作ってくれた。みんなで試飲させてもらうが、なかなか美味いぞ。続いてモンゴル土産のウォッカが出ると、ほとんど全員ブレイクし始めてきた。どうなることやら。

 コマンダーさんのモンゴル話も冴える!厳冬期のモンゴルで、氷点下30度の中、ビニールシートの下、シュラフにくるまって朝まで熟睡したそうだ。これには、現地人スタッフにもこっぴどく怒られたという。ゴル人でも絶対にやらないと。

 とにかく大爆笑の連続!

 俺もかつてない礼文での珍事、「永久ライダーオタク事件」を皆さんに話すと大爆笑。
 あれ、真剣に話しているのに、聴いている方はおもしろくて抱腹絶倒のようだった。

 とにかくHPは誰が見てるか分からない。事実、ルミさんが先日泊まったライハでは、泊まり合わせたライダー全員が今日のオフミのことを知っていたそうだ。

 今、これを読んでいるキミ。必ず掲示板へ足跡を残していきたまえ。読み逃げ禁止だよ(嘘)

コマンダーさん、ルミさん、kenさん、AOさん

かなり盛り上がってきたぞ!
 もう、ベロンベロン、俺は無理矢理ルミさんに珈琲酎を勧めてたら、彼女は意外にゴクンゴクン飲んでいる。

 いけるじゃないですか・・・

 本当はあまりお酒が強くないのに無理して頑張っていたようだ。

 ヨッパライダーでゴメンナサイ。
 もう、何時か判らん?しかし、和やかな宴は延々と続く!

 
とにかく時間は覚えていないが、ここでヘルパーをやっているさちさんが一仕事終え、ようやく登場だ。

 彼女は、何年か前、コマンダーさんと一緒にモンゴルを旅した。というような関係でオフミをこのキャンプ場に設定したワケだ。しかし彼女はビールを飲むも連日の激務で疲れきっていた。

混浴ライダーとコマンダーさん

さちさん
 そんな中、今回のオフミへいろいろと便宜を図ってくれていたのである。本当にお手数をおかけして申し訳ない。

 今回の知床岬踏破断念の件でコマンダーさんの掲示板で彼女と危険度の認識の違いでもめたが、すっかり氷解する。だって礼文でバテてる程度の北野だし、最低2泊3日ゴロタばかりを歩く岬なんて、今のところは無謀なことだ。
 ところが、コマンダーさんやAOさん、混浴ライダーなどは、来年こそは知床岬踏破するぞ〜と気炎をあげている。えっ?俺はどうしよう?とりあえず山行で体を徹底的に鍛え直さないと。

 どうやら時間は、深夜に達しているようだ。幸い場所が、ファミキャン集団とやや離れた林の中みたいな位置にあるので、周囲には影響もなさそうだが。

 そろそろ寝ますか。コマンダーさんに一応、俺のツェルトは貸したが、モンゴルの旅人に果たして必要なのか疑問に思う?でも外で寝ないでしょう?まさか。

 皆さん、次々とテントへ消えていく。

 ちょっぴり寝そびれた俺は、最後にゆっくりと煙草を吸った。

 やがて林の一角は、急速に深い静寂へと包まれてきた。

 ふと空を見上げてみるも真っ暗だ。

 実は、知床の星空を楽しみにしていたが今年も無理か。かなりがっかりした。1999年に国設知床野営場で観たミルキーウエイがあまりにも見事で強烈なインパクトが残っている。いつか、あの星空をもう一度拝みたいと思いながら静かにシュラフへ入った。

 おやすみ!