第10章 和琴の5つの温泉
オヤコツ地獄にて
再会、和琴キャンプ場
美幌峠からの屈斜路湖 |
チミケップからの帰路に美幌峠へ立ち寄る。もう5度目か?津別峠もよかったが、ここはここでまた違った趣の屈斜路湖が望めた。 標高552m。鮮やかな藍色の湖面に緑の中島が浮かんでいる。硫黄山、カムイヌプリと知床の山々が霞む。天候がよければサロマ湖や大雪山連峰まで眺望が広がるが、あいにく天気は下り坂だ。 |
和琴キャンプ場へ帰還。雨がポツポツと降り出してきている。実はホームセンターで2枚のビニールシートを購入しておいた。僕のテントは雨漏りがするので苦肉の策だ。テントの上下にシートを付けた。どーだ。これなら完全防水。もう雨を恐れず幕営できるぞ。我ながら満足だ。でも強風の時はどうしよう? | 完全無欠の防水対策 |
素敵なスガヤ氏ご夫妻と再会 |
「あれ、美瑛のMr.GNUで一緒でしたよね」 と話しかけてきたおとうさんがいた。 『あっ、帰りにダートの降りを一緒に走った、スガヤさんじゃないですか。奇遇ですね』 奥さんはテント中でお休みらしい。 「かあさん、永久ライダーだ。永久ライダーがいたよ」と奥さんを起こしてしまった。 |
そんなに喜んでいただいて恐縮です。おふたりには、もうお孫さんもいらっしゃるそうだ。でもぜんぜんお若い。 「来年は、息子夫婦も一緒に4人でツーリングに来るよ」 なんて、素敵なご夫婦なんでしょう(次回、再会したのはなんと4年後) 露天風呂では、奥さんがかわいそうなので奥の共同浴場の方を紹介する。そして「永久ライダー」のステッカーと缶ビールを差し上げると逆にたくさんのおつまみを頂戴した。かえって申し訳ありません。 |
ご飯を食べ、AOさんと晩酌を始める頃、雨が本降りとなってきた。 また雨か。でもビニールシートでもう安心。AOさん同様カッパを着込んで、例の珈琲酎に舌鼓を打つ。ラジオからは明日も雨と報じられていた。明日は、どうしよう。まあ、あまり深く考えず「明日は明日の風が吹く」なんて思いながらシュラフに入った。 |
雨の中の一杯 |
和琴の5つの温泉
8月13日 雨
5種類の宿り木 |
テントから出るとやっぱり雨模様。AOさんと朝食をとりながら今日の日程を考えた。AOさんは、本日予備日と決定し動かないと言っている。僕も遠出は控えるつもりだ。よし、和琴半島をきちんと散策しよう。新調したトレッキングシューズも履いてやらんと。AOさんも同行するとのこと。 遊歩道に入ると、さっそく凄い宿り木があつた。「イチイ、ミズナラ、エゾマツ・・・」、あとはなんだろう?5種類の樹がいっぺんに生えている。 |
30分も歩くとオヤコツ地獄に到着する。火山活動が弱まっているらしく噴煙がそれほどでもないが、異様な光景だ。 カヌーで来ると、自分だけの露天風呂を造ったり、温泉卵にして食べるなどの楽しみがあるらしい。遊歩道では手前に柵があり下に降りれないのが残念。ここも和琴温泉のひとつとカウントして間違いないと思われる。 |
噴煙を上げるオヤコツ地獄 |
秘湯中の秘湯 |
復路に入る。昨日、AOさんが発見し実際に入浴したという露天風呂があるとか。遊歩道から左にそれると確かにあった。岩に囲まれた湖岸の露天風呂。今日は波が荒いので、さすがに入浴は無理だ。 それにしてもAOさん、よくぞ見つけたと思う。まさに秘湯中の秘湯。これを和琴の2番目の温泉とカウントしよう。 |
さらに少し歩くと建物を発見。 これは以前見たことがある。脇に朽ち果てた建物もあった。そして湖岸に降りるためのロープもある。よし降りてみよう。AOさんから「え?降りるんですか?危険ですよ」と忠告されるが、こういう性分ゆえ?自分の目と足で確認しないと気が済まないのだ。 半分腐ったようなロープにつかまりながら湖岸に降りた。ご覧の皆様は、決して真似をしないでいただきたい。 |
画像提供:AO氏 |
モーター音のする建物 |
建物からは、モーター音がした。そうか、ここが和琴温泉の源泉で、付近の旅館などに温泉を送湯してるんだ。 この建物の後ろに朽ち果てた建物の後がある。これが昔の温泉施設と考えて間違いないだろう。和琴の3つ目の温泉だ。凄い収穫。ロープをたよりにふたたび崖をよじ登る。 |
もう、ほんの少し歩くと和琴温泉公衆浴場に着く。昨日も今日もここに来た。2年前にミヤタたちと初めて来たときには熱すぎて湯船へ入れなかった。 昨年はヌルイくらいで驚いた。今年は、湯船には入れるがやや熱めかな? ここは、正真正銘の4番目の温泉だ。 |
無料公衆浴場 |
和琴温泉露天風呂 |
そして、一昨日混浴状態になったメジャーな和琴温泉露天風呂。 和琴の5つの温泉の秘密をすべて解明した。こんな小さな半島にたくさんの温泉がある。本当に凄い温泉エリアだと思う。約1時間ばかりの行程だ。またじっくり散策したい衝動に駆られる和琴半島の湯けむりツアーをを終えた。 |
時間を見るとまだお昼前だ。午後は、今は存在しないという噂の硫黄山温泉。15年前、旅の仙人カブおんちゃんに連れて行ってもらった硫黄山温泉の存在を確認しに行こうと決意した。 |