第8話 札幌突入! 8月9日(月) 天候 晴れ



体を洗う
 本日は札幌に向かう(そんなに遠くない)ので、とくに急ぐ必要なし。朝、ヨッシーの入れたコーヒーが余ったので、チューヤンと若者ライダーにも配った。その後ハンゴウで飯を炊きキタノ定食を作った。ご飯の上にさんまやコンビーフの缶詰を乗せる簡単な食事だ(ヨッシーは犬のエサのようだとモンクをいいながらも食べる)。朝食を喫した後、湧き水飲み場でヒゲを剃ったり、体を洗ったりしてさっぱりする。なにせ大都会札幌に行くんだからムサくないようにと念を入れていると若者ライダーが何ともいい笑顔で頭を下げ北に向かって馬上の人になる。礼儀正しき青年だな。日本の未来も明るい。

 自分のテントをタタんでいる間、ヨッシーは湧き水飲み場で道路公団の人と何か話している。後から聞くと公団の人に「こんなことしてられんのは1人のうちだけだべ」と言われたので子供が3人いると答えたら爆笑されたそうである。また「向かいの海、潜って見ろ。ウニやアワビがいっぱいいるよ」と言われたらしい。でも密漁してはダメだって看板に書いてあると言うと「海水パンツに入る分は密漁と言わないよ」と豪快に笑っていたそうである。

 水筒にも冷水をつめ準備が整ったので、チューヤンに別れを告げた。彼も道路脇に座り込んで既に戦闘開始している。まるで獲物を狙う虎のようだ。「それじゃ、いつかどこかで」と言って出発。10分くらい行くとラジオを忘れたのに気づいた。ヨッシーに待っているように指示しキャンプ場にUターン。ラジオはあったがチューヤンがもういない。「す、すごいウデだ」ひたすら感心する。 


 留萌側に少し戻り94号線から北竜町に入り「ひまわりの里」を見学する。雑誌で見たほどじゃないけどすごいひまわりの数だ。旅行後に某歴史雑誌に書いてあるのを見て感心したことがある。この北竜町はスキー場やゴルフ場のリゾート開発や工場などの誘致を一切やらず、町の青年の意見を採り入れて無農薬のブランド米の開発に成功したことで有名になった。現在、国内はもとより国外からの視察も絶えないそうである。パチパチ。

 北竜町を出てR275に乗りひたすら札幌を目指す。それにしても暑い(熱いの方が)。途中、浦臼町で36.7度と電光掲示板に記録してあった。とにかく道の駅等を利用しながら休み休み行く。朝、出がけに雄冬キャンプ場で入れた湧き水を水筒から出し飲んでみると冷たくて美味い。この暑さの中すごい冷水だと思った。 

 夕方、札幌到着。レッドバロンで例のオイル漏れを見てもらう。「ボルトがゆるんでましたよ」と整備の人に言われた。一瞬で問題解決。しかも「このぐらいで、代金は取れません」とのこと。

 留萌のバイク屋の発言はすべてデタラメだったことが明らかになる。武士の情けで店名は伏せてやるけど、大ウソツキのコンコンチめ!本当に威張るだけ威張ってロクな整備もできなくて金をとる最低な店だと痛感した。

 その後、赤男爵の整備の方にお礼を言って、狸小路近くのビジホへと向かった。

 今宵は、久々にクーラーのある部屋に泊まることができた。ホテルハイランド1泊4500円。安くてきれいで快適である。ほんとに気持ちいい。ほんのしばしの戦士の休息である。夜は久々に札幌の街へくり出すことにした。居酒屋「魚屋一丁」で、大いに酒を喰らう。旅の半分ようやく経過!