第9話 南の海?積丹半島
     8月10日(火) 天候 晴れ           

 札幌ホテルハイランドを出発しようとして、セルを回すと排気音がヘンだ。よく見るとマフラーのつなぎ目がはずれている。え〜?次から次と何でいろいろハプニングがあるんだろう。ヨッシーにエキパイ部分を押さえてもらい、マフラーの先端部分へ前蹴り10数発をぶちこんだ。完全にピタッとは、はさまらなかったが何とか接続成功。極真空手が役立った。


一応腰掛けてます
 昼頃、小樽到着。小樽運河に向かい証拠写真を撮る。昼飯は、小樽倉庫No.1でパエリヤ(初めて食べた)を賞味し、早々と小樽を撤収。札幌で命の洗濯を充分したので、体がネイチャーを激しく求めている。

 積丹岬入口到着。駐車場にバイクを停めて、しばらく登り坂を歩いた。狭くて暗い洞門があり、そこを過ぎると岬の上の遊歩道に出た。何だこれは!ここ北海道?テレビで観る南の珊瑚礁の海ではないのか。

 海底が透き通って見える程のエメラルドグリーンの海。つまり噂に高い積丹ブルーというやつだ。さらに女郎小岩。夫婦岩。海中公園「島武意海岸」。あまりにも美しい。

 岩礁と岩礁の間の波間を気持ちよさそうに泳いだり、潜ったりしている人が結構いる。「いいなぁ」。今日は、ここでゆっくりしたいと強く思ったが、キャンプ場の近くにあった「マムシに注意」の看板を見てヘビ嫌いのヨッシー、あっさり戦意喪失。撤収!

 弁慶岬手前のスタンドで給油。そろそろテントを設営するのによい頃合。従業員に近くにキャンプ場はないかと尋ねた。すると2,30分も走ると、海岸沿いにいいキャンプ場がいくつかあると教えてくれた。ところが行ってみるとトイレが無かったり、ただの海水浴場だったりで、いまひとつテントを張る気になれない。とうとう図らずも瀬棚町に入ってしまった。 

 もうあたりは薄暗くなっている。せたな青少年旅行村キャンプ場にポイントを絞ったが、なかなか見つからない。町内地図の看板で確認しようと徐行しながら看板に近づいていると、後ろから誰かがすごい勢いで走ってくる。「だ、誰だ!」。びっくりして振り向くとチューヤンではないか。すごい偶然じゃないですか。東京に帰ったんじゃないの。ヨッシーのバイク後部につけてあるホクレンの旗2本の×型で気がついたそうである。

 今日、ヒッチハイクさせてもらった人にウニの密漁ポイントの話をしたら「仕事に行ってる場合じゃない」と言われ、2人で夕方まで海に入っていたそうである。そして、だいだい色のウニの実の方を満載したビニール袋をかかえていた。「いいなあ・・・じゃなくて、と,とんでもねぇ野郎だ!」。

 同じキャンプ場に泊まるようにも誘ったが、もう一度、ヒッチハイクして、太平洋側のフェリー乗り場に少しでも近づきたいそうだ。チューヤンへ別れを告げ、再びキャンプ場を探したが見つからないので、さっきの看板のところへ確認のためにUターンすると、もうチューヤンの姿が消えていた。相変わらず見事なウデだ。


 なんとかキャンプ場(山の上だった)に到着し、テントを設営する。今日は、もう遅いので町の食堂までバイクで行き、夕食をとることにする。飯が出てくるのが遅いなあと思って、何気なくカベの方を見たら「またセタナ」と書いてあった。食後、一気に疲れたのでテントに戻って速攻で爆睡する。