冬の北海道の旅2013



雪煙







運河の街その2







 ラーメン初代を出るとまた吹雪いてきた。意外と南小樽から小樽駅前付近までは距離がある。

 しばれるねえ〜

 ひたすら呟きながら凍った道を歩いた。観光のメインストリートもなんだか、閑散としている。いつもは賑やかな台湾の皆さんの話声で溢れていたのだが。
   手宮線跡地。1880年〜1985年まで汽車が走っていたそうだが、輸送量の減少で廃止されたようだ。小樽にも幾度となく訪れたが知らなかった。

 今宵の宿は、小樽グリーンホテルに予約を入れてあるのだが、あまりの寒さにアーケード街の純喫茶でコーヒーを飲む。
 こういうかたちの喫茶店が、小樽には残っている。純喫茶という言葉自体が死語の世界だ。ぼくが高校の頃は、福島の田舎町でも普通にあった。

 ちなみに店の名は”光”、昭和8年の創業とか。暗い店内に展示してあるハイカラな模型や調度品にその歴史を感じる。コーヒーには、オリジナルのカステラが付いてきた。
 
   ようやく小樽グリーンホテルに辿きチェックインする。結構、くたくたになるも寿司を食べにまたも街へ出た。

 小樽といえばお寿司でしょう。かねてよりターゲットにしていた低料金のお寿司屋さん”みよ福”へ入った。
 メニューは特1900円、上1600円、並1300円と驚異のコストパフォーマンスである。ただ地元密着型のこじんまりとしたお寿司屋さんなので、長居してお酒を飲むなという感じの店だと思う。 
 1900円の特上といえども、ウニ・イクラ・大トロ・生海老・アワビなどのレギュラー陣は健在である。

 その後、ホテルに戻り、静かに東野圭吾の小説を読みふけりながら早めに寝てしまう。
 
 ところが・・・

 深夜2時ごろにヨッパで戻ってきた連中が、近くの部屋で大騒ぎを始めて、目覚めてしまった。こんな時間に筆者が起きるのだから、よほどの騒ぎだったのだろう。

 翌朝、なんだか寝不足でベットから這い出した。この宿は安くてよいのだが、ちょっと次は他のホテルにしようと思うなり。

 1階の寿司屋で、和定食の朝食をしっかり食べてから宿をチェックアウトした。
   あっ、そうそう、夕べは早くにベットに入ったので夜の運河を見れなかった。午前の運河でも観ておこう。

 ぼくの風体から察するものがあったのか、人力車夫の方からは声をかけてもらえませんでした。
 もう何度来たか覚えてないけど、運河の絵柄ってマロンチックでいい。

 まさに男のマロン!
 
   気温はそんなに低いわけではない。これを書いている現在の福島の方が寒いかもしれません。昨日の朝は、拙宅近くの電光掲示板で氷点下8度を記録しました。というわけで、小樽を満喫し、これから札幌へと汽車で向かう。

 いよいよ、この旅も佳境へと入ってまいりました。



札幌2013その1







 小樽から汽車で札幌入りする。札幌駅って新しくて近代的で都会的だと思う。でもぼくは古くても昔の旅人が集う札幌駅が懐かしい。同様に函館駅も稚内駅も以前の建物の方が好きでたまらないんです。

 できれば東京駅みたいに外観ぐらいは保存してほしかったと、つとに思う。

 さて、超近代的な札幌駅でいつものように右往左往しながら地下鉄に乗り、大通駅で降りた。ここから、市電に乗った。いやあ、これだけ札幌に来ても市電に乗るのは初めてでした。少し緊張したし、えらい混んでいる。でも料金が安い。
   降りたのは、ロープウエイ入口だ。目的はコクのあるスープが売りものの”こく一番ラーメンみどりや”を訪問することだ。ここは隣が肉屋さん、いや肉屋さんを兼ねている?その利を活かしてコクのあるスープを提供している。長時間煮込んだスープは、通常のラーメンの7倍の栄養があるそうだ。
 ここでゴロウさんの怪談”恐怖のラーメン”のお話。

 きょう、麩(ふ)のラーメン?
 す、すいません、ラーメンに麩(ふ)が入ってました。

 なんと鋭いダジャレだ。
 
   チャーハンを頼んでもサービスで半ラーメンがついてくる。筆者はセットでハンバーグを頼んだら隣の肉屋さんから本格的な(300g)の鉄板焼きが出てきました(サラダつき)。しかもノーマルラーメンなのにチャーシュー麺状態だし。凄い脂ギッシュなボリュームだ。まさに痛風一直線。人気も半端じゃなく行列40分でした。それでも並ぶ価値あり。
 実は1987年の初北海道ツーリングの際、参考にした旅コミ誌に掲載されていたお店です。すでに若手のイケメンのオーナーに代替わりしていたが、コスパの高い名店だった。

「感動した」

 四半世紀ぶりにぼくの胸のつかえが降りました。



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