冬の北海道の旅2013
雪煙
8
最終章
札幌2013その2
さて、こく一番で充分に腹を満たした、いや超満腹になった筆者は今宵の宿に向かう。これだけ食べたのだから、歩いて体の脂を抜こうとも思ったのだが、ぞんがい歩き疲れてもいた。足が棒のようだ。ここは無理せず、市電で中島公園までいこう。 なんだか少し前の筆者のように多少の無理なら強引に克服してしまおうという覇気というか活力がとみに減退してきた気がする今日この頃です。というわけで市電の中島公園停留所で降り、園内をゆっくりと散策する。 ”豊平館”というハイカラな建物があったが、改装中だった。なんでも1880年に高級西洋ホテルとして開拓使が建造したそうだ。戦後は、進駐軍に接収されるなどしたが、現在は市営の結婚式場として利用されている。国の重要文化財に指定されているらしい。 |
中島公園も冬に札幌を訪れると必ずやってくるポイントだ。あまり人が歩いていない。閑散としているが、凛とした白い光景である。 少し早いが今宵の宿に到着する。チェックインを済ませ9階の部屋に入る。このホテルはいつ来てもくつろげる。なにせ部屋が広い。 |
ゆっくりとシャワーを浴びて、ベットで横になると眠りに落ちてしまう。 外が暗くなった頃に目覚めた。以前、大通り公園の某ホテルで、夕刻に横になったら朝まで爆睡してしまった。せっかく札幌に来ているのに飲みに出れず後悔した記憶がある。まあ、今回はそうならずに夜のススキノ方面に繰り出す。 |
目標は生のラム肉を食べることだ。 しかし、ススキノ近辺の路面は車のタイヤでカチンカチンに踏み固められていた。信号待ちでいったん停車するとスリップして発進できなくなる車も多く見かける。 シバレルねえ・・・ |
なんて呟いているうちにススキノの”だるま6.4店”に到着。昭和29年創業、ススキノ名物といわれるジンギスカンの店だ。 秘伝のタレと新鮮な生ラム、従業員のオバサンの丁寧な接客は申し分なし。 普通は、すんなり座れないほどの人気らしいのだが、奇跡的にすぐに案内された。しかし、ジンギスカン鍋で食べる野菜、生ラムの旨さといったら素晴らしい。ジンギ独特の臭味というかクセがまったくない。なんとも表現したらよいのだろう? タレとお肉の絶妙なコラボレーションというやつか。とりあえず、もう1人前追加してしまった。 今宵も「感動した」でござるよ。 ハイボールと生ラムに酔いしれたゴロウさんは、ふらふらとホテルに戻り、ほとんどバタンキューで爆睡したようです。 美味しすぎるしょ!マダオ(まるで・ダメな・おっさんの略)!もといっ、だるま! なんか寝ぼけて叫んだみたい? |
ゆっくりと目覚めた。流石に腹が重く朝食バイキングはパスすることにしてコーヒーを飲んだりしながらまったりと時を過ごした。 ここから眺める冬の札幌市内の景色はいつ見ても迫力があるし美しい。 本日の予定は、苫小牧まで出て、太平洋フェリーに乗船し、仙台へ向かう のみ。 なにか北の大地でやり残していることはなかろうか? う〜ん、暫し瞑想した。 そうそう、本場札幌のスープカリーが食べたい。 な〜んだ、やっぱり喰い物ことしか思い浮かばなかったではないか。 筆者の旅は、若い頃から色気より喰気ばっかしで、なんも変わり映えもせんのう。 10時近くなったので、ホテルをチェックアウトする。まあ、とりあえず地下鉄で札幌駅に戻り、ブランチする店をリサーチしよう。 駅構内をふらつき、なんとなく西口周辺を歩いていると”スープカリー hirihiri2号”というお店を発見する。ここにしよう。そろそろ空腹になっていた。時間も昼近くなっている。 店に入ると結構混み合っていたが、カウンター席にすんなり通された。 |
オーダーしたのは、ランチチキンだ。辛さは1番から5番のうちの4番にする。4番は、ヒリッヒリの辛さとメニューに書いてあったけど、まさしくその通りで咳き込むぐらい辛かった。ゲホゲホでした。 それでもパンチ満点で、コクがあり絶妙の美味しさに満足する。 |
この店は女性ひとりでも気軽に入店できる雰囲気なので、両脇はレデイでした。驚いたことにレディたちは、追加料金の6番をオーダーし、平然と食べておられた。 札幌ガールズは辛党なんだね。素晴らしい。 うちの女房とかcoco壱に連れていくと、わざわざ甘口をオーダーしてるんですよ。筆者は辛くないカレーはカレーじゃないと思うタイプなんだけど、それでもこの店の4番が限界かな。 結論、札幌の専門店で食べるスープカリーは、やっぱり美味しかった。 その後、札幌駅の構内の本屋などをふらふらして、苫小牧行の汽車に乗り込んだ。車窓から見る苫小牧までの原野の光景がとても気にいっている。でも缶ビールを飲んだら、またも爆睡してしまい、気がついたら苫小牧駅だった。 夕刻、フェリー埠頭行のバスに乗り込んだ。これでこの冬の北の大地ともお別れだな。 |
案内所で手続きを済ませ、船に乗り込んだ。チケットは苦手な2等雑魚寝だったので、エントランスでキャンセル待ちをかけB寝台に変更してもらう。 船内は、エライ混んでいたが、さっさと風呂を済ませ、ソファーで買い置きしてあった惣菜をツマミに赤ワインを飲んだ。 |
出航の銅鑼が高々と鳴り響く。エンジンが異様なうなり声をあげてフェリーが動き出した。苫小牧の街の灯が、少しずつ遠ざかっていく。 また、ひとつ旅が終わった。 さっ、びしいねえ〜(黒板五郎風) でも旅には終わりがあるから輝くのだ。終わりがあるから次の旅路が始まる。やはり筆者は北の大地の旅が一番好きだ。 それにしても余市の赤ワインは美味しい。 ニセコの宿に泊まって以来、すっかり赤ワインにハマっているゴロウさんだ。もしかしたら筆者の赤い血は、赤ワインでできているような気がした。 だったらさあ、青いワイン飲んだらどうなるの? アー、オイチ! |