冬の北海道の旅2013



雪煙







アムール川の如し







 尻別川の源流は伊達市のフレ岳らしい。そして羊蹄山を周り込み、寿都で日本海に流れ込む。真冬の尻別川の河口はあたかもアムール川の如しであった。

 本日は、日本海方面に宿のツアーがあるので、そっちに参加することにした。

 特にスキーを極端に愛好しているわけではない。嗜み程度でいいや。ぼくは冬の北海道を堪能したいだけなのだ。

 というわけで、9時15分ぐらいにアンビ出発。メンバーは、ガイド村長、クッシー、クボヤマさん、トモミさん、スエヨシくん、ゴロウさんでした。
 一応、雪はあがっていたけど風と冷え込みがかなりきつかった。多分、氷点下10℃以下。体感気温はそれ以下だと思う。しばれるねえ。

 ずっと尻別川沿いの道を河口に向かっていくと川はどんどん凍ってきた。
 
   河口手前ではほぼ全面結氷となる。止めたほうがいい、いややっちゃだめだが歩いても渡れたと思う。
 海岸沿いの永澤商店に入る。今日は巨大アンコウはない。小さめだが格安のアンコウが店先に並んでいた。

 こんなに大荒れの真冬の海で漁がおこなわれているのも凄い。しかも正月の北海道なのにねえ。
 
   オジサンは一生懸命、柳の舞やソイを刺身にさばいておられた。なぜかお土産におでんのネタまで頂戴したりする。

 トモちゃんやスエヨシくんは、ここでお土産を購入して宅配の手配をしていた。地元密着の魚屋さんなので、本当にコスパが素晴らしいお店だと思う。
 永澤商店を辞し、景勝地”弁慶の刀掛岩”に到着。ここに本当に弁慶が太刀を置いたのなら、彼はマジンガーZクラスの巨体だろうという話題になった。

 それにしてもシバレル。
 
   昔の東映の映画の冒頭のような怒涛の海だった。
「ゴロウさんは、景色よりも景色を撮っている人を写しますね」
 スエヨシくんから指摘されたが、まさにその通りです。景色よりも人の表情の方を撮る方がぼくは好きです。特に写真のセンスがあるわけではございませんが。
 画像ではうまく写らなかったが、凍った滝だ。なんでもスノーシューで真下ぐらいまでいけるらしい。それにしてもシバレルのだ。  
   尻別川河口の蓮状の氷。原理的にアムール川から道東にやってくる流氷と同じものだと思う。この氷が河口から流れ出せば日本海側の東北ぐらいまでは流氷が見れるかもしれぬ?
 この後、岩内方面へホッキ飯を食べにいく予定だったのだが、あまりの悪天候のため、アンビに引き返し昼食とることになった。
 ここから函館方面に向かう、スエヨシくんとは蘭越駅前でお別れだ。お世話になりました。また会いましょう。

 画像は、お魚のアラがたくさん入ったおでん。ダシが濃厚で非常に美味だった。
 
   あまりの旨さについ醤油皿やお箸で、獲物を狙うような光景も?

 なんて冗談ですが、この旨さはたとえようがないぐらいのレベルであった。
 ご飯を投入して、オジヤにしたりと、ほっぺが落ちそうなぐらい旨すぎる。

 なんと表現したらよいのだろう。魚介の風味が存分にご飯にしみ込んでいた。
 
   ソイと柳の舞の刺身だ。どちらも北海の珍味だが新鮮じゃないと生では味わえない。もうひとつ、カスベの肝(手前のお皿)も軽く汁で湯通しして食べると絶品だった。

 昼食後、トモちゃんも千歳からの便で、お帰りになるそうだ。おかあさんによろしくお伝えください。お世話になりました。 
 夕食後の飲み会も刺身や焼き魚のオンパレードである。なんだか夏来た時よりもゴージャスな料理が続く。正月だからそういうものなのかもしれない?  
   ぼくの下腹は、かなり膨れてきている。もう、どっぷりと中年なんだから、一度こうなるとなかなか元にもどらない。
 でも、ミルク工房のソフトクリームも食べたい(自暴自棄?)

 そうそう、夕食後のお風呂は、くっしー、クボヤマさん、ゴロウさんで、久々にヒルトンの温泉に浸かる。そして3人同時に湯めぐりパスポート(3回分の共通入浴券)を購入していた。

 今宵もワインでほどよくヨッパになり、23時には爆睡した。

 日本海怒涛ツアーと永澤商店買い出しツアー:制作:ニセコアンビシャス



ナイアガラの滝



 この日は、大阪のマエダくん、同じくクボヤマさんも帰宅されるそうだ。先日、大部屋でごろごろしながらマエダくんと話をした際、子供の頃に2年ぐらいは札幌に居たとうかがった。親さんの転勤の都合で転校が多かったみたい。北海道も子供の頃からあちこちまわり、現在はほとんど旅し尽くしたらしい。

「ウトロから船で知床岬をまわり羅臼にいった記憶があるんですよ」
『それは、知床横断道路ができる前の時代のことだよ』
 など旅の話が尽きなかった。彼は午前中までスキーをしてから千歳に向かうそうだ。1週間の長きに渡り、同じ大部屋でお世話になりました。

 クボヤマさんも朝のうちにでかけるそうなので見送りをする。気さくな人柄でここ数日行動を共にし、すっかりお世話になった。また会いましょう。

 さすがにこの時期になると次々と旅立たれる方が出てくる。

 さっ、びしぃねー(田中邦衛風)
   さて、本日のツアーはナイアガラの滝だ。北米のではございません(当然ながら)。メンバーは、ガイド村長、くっしー、大阪のアラキさん、ゴロウさんでした。しかし、大阪の方が本当に多い。
 まずまずの天侯のなか、伊達市大滝区の長流川中流域にある総合運動公園へ向かった。このあたりも夏はずいぶんオートバイで走っているはずなんだが、まったく違う白い世界だった。

 運動公園の駐車場でスノーシューに履き替える。本当にこのスノーシューって軽くて扱いやすい。職場にあるスノーシューは重くて扱いづらかったので、実用にいたらなかった経緯もあった。
 くっしーだけは、短めのスキー板を使用していた。これで充分らしい。

 ルートはクロスカントリーのコースになっているので、スノーシューで荒らさないように川沿いの新雪の中を歩いた。

 すると・・・
 
   突如、川の地盤沈下でできたというナイヤガラの滝が見えてくる。
 残念ながらというか、当然のことながらナイヤガラの滝はほぼ全面結氷であった。  
   空の一部に青い色がのぞき、滝の下の部分は、青い流れが見える。
 セイコマで購入した弁当で昼食を食べ終え、帰路につく。ここは秋に来たら凄い紅葉の光景になると思った。   
   帰りがけに三階の滝に立ち寄る。その名の通り、三階なのだが、ほぼ凍っていた。
 下の方の凍ってない部分の水は、青色に見え神秘的な感じがする。   
   すぐ近くに「全国に類なき甘露法水」とある。少し、飲んでみたら冷たい・・・のは確かであった。
 ナイアガラの滝 氷瀑 スノーシューツアー:制作:ニセコアンビシャス

 宿に戻ると、今度はくっしーさんが帰宅されるとのこと。

『純、いつでも富良野に帰ってこい・・・』
「ゴロウさん、富良野じゃなくニセコよ」
 ユミさんからたしなめられる。

 とにかくまた夏に会いましょう。お世話になりました。
 羊蹄山が笠をかぶった図

 その後、大阪のボーダー・アラキさんと話し込んだ。彼は以前、仕事の都合で宮城県岩沼市に住んでいたことがあるそうだ。

『あのあたりも震災の被害がかなり酷かったですね』
 
「そうです。かつて暮らした町が津波に呑まれていく映像をみて、号泣してしまいました」
 情に厚い男なんだねえ。

「ところでゴロウさんは、沖縄にはいかないんですか?」
『いや、俺はもう北海道だけで充分だよ』
 彼は夏の北海道ツーリングの経験もあり、沖縄もずいぶん旅しているそうだ。

「北海道の旅が好きな人なら必ず沖縄も好きになりますよ。沖縄には安くて濃い宿が多く、いろいろな旅人たちが集まってきます」
『俺は、基本ライダーだから長期間島に滞在することができるだろうか』
「きっとハマると思います。ただヌシみたくなる人もいますけどね」
『若い頃の自分は今よりずいぶん血の気が多くてねえ、そのヌシというやつが大嫌いで、よく退治してやったよ。とにかく昔はかなり無茶な旅をしてたね』
 昔の旅話をするとアラキ氏は、噴き出していた。

 実は過去に3度ぐらい沖縄を旅する企画があった。けど、そのたんびになにか不慮のアクシデントが発生して中止になった経緯がある。

 縁がなかったのかもしれない。

 まあ、そんな感じで旅についてもアラキさんと熱く語り合った。

 こういう会話ができるのは、お互いが場数を踏んだ旅人でない限り難しいと思われる。
   夕食は親子三人でいらしているご家族と雪の神と称されるスキーのプロ・タナカさん、そしてアラキさんたちと楽しく済ませた。

 久々に食べたユミさん特製の爆弾コロッケが実に美味しかった。とても懐かしい味である。夏以来、ぼくの大好物になっていた。
 今宵の温泉は、お馴染みのニセコ駅前の綺羅乃湯だ。じっくりと湯に浸かり、今日一日の疲れを癒した。

 アンビに戻り、宴会で適量のワインに舌鼓をうち、早めに就寝する。なんだか健康になってしまったみたい?
 



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