冬の北海道の旅2013
雪煙
3
大晦日の夜
綺羅乃湯前にて
今夜の温泉も駅前の綺羅之湯に向かう。もの凄い雪だ。車の中で、お昼のインスタントラーメン1680円の話をするとマエダさんが、アンヌプリやヒラフのレストハウスだと比較的安く食べれると教えてくれた。 またヒガゴン(旧東山ゴンドラ)付近にスキーセンターという建物があり、ポットでお湯の準備がしてある。マエダさんは、そこでカップ麺を食べて昼食を節約していたそうだ。 温泉で今年最後の汗を流して缶ビールを飲んだ。いやあ、こたえられない美味さである。 帰りはコンビニで買出しをする。明日のお昼はぼくも持参していこう。カレーパンなどを購入した。マエダさんはカップラーメンを仕入れている。 夕食まで大部屋でゴロゴロしながらマエダさんと世間話をしていると、 「どうもお久しぶりです」 『純、富良野に帰ってきたのかい。うっれっしいねえ』 思わず黒板五郎に変身してしまった。 1階からは爆笑の声があがった。つまり、夏に登山ツアーなどで、勇名を馳せたエロ四強のひとり、くっしーさんがやってきたのだ。 村長は、ぼくが来ていることをサプライズにしようとしていたそうだ。でもユミさんがゴロウさんも来ているよと電話で教えてくれたので、バレバレでしたよと彼は笑っていた。 「ゴロウさん、北の国からの物真似、やってくださいよ」 策士のくっしーさんは、ぼくの耳元で呟き、物真似をさせ、周囲が爆笑するのを確認してから、ニヤリ(オレの描いたシナリオ通りになったぜ)とするタイプだった? フフフ、役者がニセコに揃ってきたようだぜ。 夏に積丹ツアーでお世話になったイトウさんの娘さん(トモミさん)もアンビ入りしさらに盛り上がる。 ユミさんの作った夕食のハンバーグは実に美味しかった。ぼくは普段、少食なのだが彼女の家庭料理がお気に入りで必ずおかわりしてしまう。 そして、レコ大、紅白を観ながらワインの宴会。常連さんのひとりで大変なワイン好きの方がおられた。彼は大量の高級ワインを持参されたようでガンガンご馳走になってヨッパになる。 やがて黒板五郎や北野広大、JINに登場する龍馬などが次々に現れる。この年最後の物真似を思う存分に済ませ、ああ、すっきりしましたぞ! |
手作りピザ。こんがりと仕上がった本格的な味で本当に美味しかった。 |
チーズやハムの燻製、じゃがバター。どれも村長の手作りだ。 そして、ワインのつまみにぴったりである。 |
Tくんにワインを注ぐとがんがん飲んでいた。いやあ、若いのにずいぶん酒が強いのねえと感心していると、飲み過ぎよと彼はお母さん(ユミさん)から叱られてしまう。 |
大部屋の布団に入ったのは、多分、1時過ぎだったと思う。ベロンベロンにヨッパになったのでよく覚えておらぬが。 マエダさんも珍しく酔って、少し早めに就寝したようだ。 |
7時半ぐらいに目覚めた。外は相変わらず猛吹雪である。おそらくゴンドラは停まり、リフトも上の方は動いてないだろう。でも宿のツアーも特にないようなので、本日もビレッジで修行?いたそう。 朝食をがんがんいただき、ビレッジスキー場まで送ってもらった。一緒に乗り合わせた皆さんはヘルメット着用の猛者ぞろいでなんだか迫力があった。 |
さて、ダメダメ野郎のゴロウさんは、バンザイチェア付近でトナカイを発見し、大喜びで撮影しまくっていた。どんだけ動物が好きなんだ。情けないなあ。 「とうさん、情けない」by 純 『おいらのどこが情けないってんだ(怒)』 (北の国から’87初恋より) |
まあ、それでも意を決し、リフトを乗り継ぎながら高度を上げていく。しかし、この寒さ、暴風雪、とてもじゃないがスキーをやっている場合じゃない。 |
そしてコケまくり、転がりまくりしながら本日ものたうちまわった。本当にスキーがヘタクソになったものよのう。我ながら情けない。そして動きを止めると凍るような寒さが襲ってきた。試練だ。 お昼は、ヒガゴン近くのスキーセンターでマエダさんと昼食をとることになっていた。 |
満身創痍でスキーセンターに辿りつくとマエダさんは既にカップメンを食べているところだった。室内がラーメンの香ばしい匂いに溢れている。ぼくもザックからカレーパンを取り出すと、ぺちゃんこに潰れ、中からカレールーが噴き出していた。つまり転倒のダメージが直撃したらしい。しかもカレーが凍っていた。それでもぼくはカップメンにしなくてよかったと思う。だって転倒の際に容器ごとこなごなになったことは必至だもの。 潰れたパンとコーヒー牛乳を流し込み、午後の部へと向かう。 何度かマエダさんとリフトで上がり降りてきた。 「ゴロウさん、体が後傾過ぎなんですよ。それではコントロールが難しいし、なにせ 疲れます。もっと思い切り前のめりにしないといけません」 実はマエダさんもスキー1級の資格を持つ熟練だ。非常に適切なアドバイスを頂戴した。しかし、ロートルなゴロウさんは頭でわかっても体がいうことを効かないという悲しい現実にさいなまれる。そして1級のマエダさんは雪煙を舞いあげながらカッコよく滑降していた。無級のゴロウさんは激しく転倒するたんびに雪煙に巻かれながらころがっていた? まあ、午後もこんな感じで、荒天のビレッジスキー場でのたうちまわっていたゴロウさんでした。 宿に戻り、この日の温泉へと向かう。場所は蘭越駅前”幽泉閣”だ。ここは初めてなのだが美人の湯といわれるほど効能が高いそうだ。冬だと利用頻度が高いみたい。そして湯上りのビールがうまいねえ。 今宵の夕食のチキンソテイも実に美味しく、またもおかわりをした。日中、スキーで存分に運動しているはずなのに食欲とお酒で、なんだか太ってきた気がする。 |
大部屋も次第に埋まってきました。大阪からクボヤマさんがこられた。後に判明するのだが、語学堪能で体力抜群のオールマイティな方である。気さくな人柄だし。 |
宴会のおかずにカマ(マグロだったかな?)登場。凄い迫力だ。 南相馬に住んでいた頃、近所の寿司屋さんでよくカマをもらえたので、捌き方は心得ている。とりあえず割ればいい。するとゼラチンたっぷりの実がこんなに。 |
おっ、いっ、しい・・・ねえ(田中邦衛風) 今宵の宴もほどほどの時間まで盛り上がり就寝。 布団に入るとドロのように瞬時に爆睡してしまう。多分、夢とかも見てないと思う。連日、気がつけば朝状態だった。 |