安達太良山山行2007
塩沢登山口(ピストン)
2007.6.2
山に行くには、かなり寝過ごしてしまう。 「ご飯は?」 妻も目が覚め、起き上がろうとした。 『コンビニで適当に済ますから寝てろ』 「気をつけてね」 用意は出来ている。というより、先週からほとんどザックがそのままだった。 ハンドルを握りながら、安達太良山を見ると頂上付近はガスっている。微妙な感じだが、”いま、会いにいきます”。途中、コンビニでおにぎりや山行用の飲み物を調達した。 塩沢スキー場、つまり登山口に到着。駐車場には登山者のものと思われる乗用車が結構並んでいた。既に9時半に近い。登山靴に履き替えて、ウインドパーカーを着るなど準備を済ませ、なぜか重いザックを背負いながら出撃。 塩沢登山口からは何度も安達太良山頂まで登攀しているので馴染みが深い。初めて登ったのもここからだった。でも油断は禁物だ。4月には滑落事故が遭ったらしい。 スタートから暫くは足場がぬかるんでドロドロだった。意識してペースを上げようと頭では思うのだが、延々と続くなだらかな登りに思ったように足が出ない。 |
しかし、蒸し暑い。早くも大量の汗が噴出してきた。やむなくザックを下ろし、パーカーを脱いでTシャツ姿になった。ついでに煙草を1本吸う。まだ30分も歩いてないのに早くも1回目の休憩となってしまった。スタートが遅いのにこれでは頂上到達が何時になるかわからない。 |
とにかく屏風岩まで休まずに行かないとと思いなおし、テクテクと登山道を登り始めた。 道がところどころ崩落している部分があるが、以前からのことなので特に驚かない。それよりやけに喉が渇く。コンビニで購入したペットボトルに詰まったグレープシャーベットがいい具合に溶け出してきて飲み込むと冷たくて異様に美味しかった。 |
屏風岩到着。年輩の男性1名、女性2名が先着していた。軽く挨拶を交わして谷底を何気に見下ろすと渓流登りの人たちが滝を這い上がっているところだった。 |
凄い。あんなに高い滝を登るなんて。俺なら一発で左膝を壊すだろうし、俺はリアル過ぎる高所も実は苦手なんだ。 また、この手前に三段滝もあったはずなので、そこもクリアしてきたのだろう。本当に超人的な人たちだと思った。 |
屏風岩出発。暫くすると登山道が渓流に沿って続き始め、何度か木橋を渡るようになる。また岩に張りつきながらトラバースしたり、ロープで崖をよじ登るポイントなどもあり、おもしろいルートになってくる。 |
なんて油断していたら、岩をトラバース中に足元が滑った。下は渓流の深みだ。だが、滑ると同時に常備されている鉄の鎖を掴んだのでなんとか滑落は免れた。危ねえ〜この楽しいエリアを突破。やがて奥岳コースと合流し、くろがね小屋へ到着。多くの登山者たちが小屋の前で休憩したり、食事をとったりしていた。気温が低下してきたのでパーカーを着たのみで、ここは休まず峰の辻への急な斜面を登った。 すると・・・ |
たくさんの小学生が先行していた。たいしたもんだ。ゴンドラを使わずに頂上まで登るとは。しかし、小学生のペースとなってしまい遅々として進まない。 |
「すいませんねえ」 ガイドさんらしい腕章をつけた方が謝っていたが、 『いいえ、急いでいるわけじゃありませんから』 本当は急いでいるのだが、いっか! ようやく峰の辻のピークへ到達。頂上まであと少しだ。時刻は1時半。ここまで3時間もかかってしまった。 |
先ほどの山岳ガイドの方に頂上をバックに画像を1枚撮っていただいた。いまいちガスっぽいが、乳首岩がくっきりと見えた。 小学生たちは頂上を踏破した後は流石にゴンドラで下山するそうだ。 |
いったん降って最後のきつい登りを意外にスムーズにクリアして頂上到達。しかし、乳首岩付近も凄い小学生の数。どうやら、先ほど追い越したグループ以外の学年も登山していたようだ。全校登山?今回は乳首岩を登るのは断念して触っただけに留めた。なんかエロっぽい表現だな。そして休憩もとらずに牛の背を歩いて峰の辻へ向かった。 |
途中、久しぶりに沼の平火口を望んだ。明治中期に磐梯山、一切経山、安達太良山が呼応するがの如く、次々に噴火していき大被害をもたらしたそうな。3つの大きな山が毎年のように順番に噴火していくなどという天変地異、想像もつかないし、考えただけでも恐ろしい。 |
沼の平は、荒涼としていて相変わらず迫力があった。10年ほど前、有毒ガスで遭難事故があり、絶対立ち入り禁止である。反対側(東側)を眺めると大きな街が見えた。二本松市と間違える人が多いと訊くが実は福島市の市街地なのだ。ぼくの家はどのへんだろう。家から見えてるのだから、ここから見える・・・なんてはずはない。 |
峰の辻へ戻った。さて、遅くなったが、ここで昼食にしよう。ところがザックの中におにぎりがない。車の中に忘れてきたか?山で昼を食べなかったらバテてしまう。まさかのために用意しているカップラーメンを取り出した。もう、面倒くさいなあ。ぶつぶつモンクをいいながらバーナーでお湯を沸かした。 |
仕上がったラーメンを一口ほお張ると・・・ あたたかくて美味しい。山で食べるラーメンって、どうして、こんなに美味いのだろう。ふと腕時計を見ると14時半。いつの間にか周囲には誰も居なくなっていた。急がないと帰りが暗くなる。ヘッドライトは持参しているが暗い登山道を歩くのはなんとしても避けたい。慌ててスープを飲み干して跳ぶが如く下山した。 今回は降りでスピードに乗れた。15時にはくろがね小屋通過。途中、登ってくる人とすれ違い、挨拶を交わす。こんな時間に?くろがね小屋にでも泊まるのかな? 休まずに塩沢ルートへ入り、屏風岩には16時に到達。ここでザックを下ろし暫く休憩をとる。陽光が斜めに傾きながら山を照らし、緑がとても映えていた。 最後の降りも小刻みに足が出て、思ったより相当早く登山口へゴール。時刻は17時ジャストだ。膝の痛みもでなかった。ただ明日は筋肉痛になりそう。 ところで、おにぎりが車の中にもなかった。 どこに行ってしまったの?筆者のおにぎり? おむすびころりんの昔話ですか? |