海流






 頭が痛い・・・

 やっぱ二日酔いか。しかもなんだこの暑さは?尋常じゃない。たまらずテントから這い出した。

 あれ?昨夜乾かしたはずのテントやあたりの芝も濡れている。どうやら早朝に雨が降ったらしい。信じられん。

 とにかくテントのフライシートをはずして天日乾しながら、クッカーで飯を炊いた。屈斜路湖の和琴レストハウスで買った米がそのままバックに入っていた。

 相変わらず缶詰をおかずに朝食をとった。しかし暑い。ジリジリと真夏の日差しが皮膚に容赦なく照りつける。もう東北の9月だぜ。8月の北海道ツーリングでも少しはこの日差しが欲しかった。

 冷たいシャワーで涼をとり、ダラダラと撤収作業を開始した。皆も暑さにかなりバテバテのようだった。

 暑さのため、撤収作業に時間がかかったがようやく全員の出撃体制が整う。バイク屋へマシンを修理に出したアズ氏は、K茂氏のZZR1100へタンデムするようだ。

 今日の俺は、みんなへとことんつき合うぜ!

 出撃。IWA氏の後に俺、続いてタンデムのK茂氏のZZRが取りとなりキャンプ場を後にした。




カワサキ1100三兄弟


 途中、近くのホテルへアズ氏の荷物を札幌へ送る手続きに立ち寄る。

 そんなこんなで昼近くなった。

 腹がへってきた。実は以前から石巻市内の市場食堂が美味いという噂を聴いていた。とりあえず、そこを目指すことでみんなの意見も一致した。

 コバルトラインは通行止めのため、俺がきた道を引き返すかたちになったが、非常に素晴らしい景色だ。時々垣間見る三陸のリアス式の海岸はまさに秀逸の眺望である。その名の通り、コバルト色の海がキラキラとした陽光を放ち、心身共に癒された。

 しかし、IWA氏のハンドル捌き・・・

 お見事の一言。ストレートで暴走する行為は誰にでもできる。しかし彼は、タイトコーナーの連続、テクニカルコースをブレーキング、アクセルワーク、シフトダウンを駆使して小気味よく快走していた。

 スローイン・ファースト・アウトのコース取りも基本へ本当に忠実だ。

 後ろから見ていても素晴らしい安定感で危ないという認識はまったく感じない。なんて表現したらよいのだろう。そう、精密機械?人車一体?経験からなせる技だ。

 見ている分にはキビキビとした熟練の走りだ。しかしビギナーはついて行けないと思う。下手について行こうものなら失速してクラッシュは必至だ。もっとも本人は無意識に楽しんでいるようだが・・・

 アズ氏を乗せたタンデムのK茂氏もよくついてくる。






 石巻市内へ突入した。

 少し迷いながらも市場へ到着。でもなんだな、あまりにもショボイ建物だ。ここで美味い料理にありつけるものか?

 しかし、そんな不安はあっさり裏切られた・・・

 サンマ刺し定食。このボリュームはなんだ?刺身もご飯も多過ぎる。俺はご飯をかなり減らしてもらった。それでも多い。みんなも大満足のようだ。食後にコーヒーまで入れてもらった。660円也。

 ご馳走さん!

 うっぷ・・・


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