五箇山の朝







 5月3日

 6時50分起床。連日の野営の宴の疲れか、はたまたニシヤマさんのシュラフの寝心地のあまりのよさの影響なのかわからんが、この旅の筆者の起床時間はとても遅いのだ。

 もう皆さん、起きて朝食の準備とかされているし。筆者も昨夜のアラ汁を暖め直してお配りする。一晩寝かして、味がとてもマイルドになった気がした。

 Nagaさんの焼くホットケーキも美味しく頂戴した。本当に彼は、粉系にかけてはスペシャリストだと実感する。ヨッパにさえならなければ非の打ちどころがない(って筆者も人のことをいえるかい)

 まったりとサイトを撤収した。本日はmacさんとNagaさんの車に荷物を積んでいただいたので身軽な出撃となった。いやあ、荷物がないと本当にゼファーの操縦が楽だと思った。山の中のクネクネとした狭いコーナーも余裕で楽しんでしまった。

 東海北陸自動車道に延々と乗った。眠い。睡魔との闘いが始まった。反対車線では白川郷付近で大渋滞。あんな渋滞に遭ったら号泣しそう。なんて思いながらひた走る。

 そして一気に岐阜県へ。関SA手前で筆者のゼファー、リザーブとなり皆さんへサインを送り、急遽、ガソスタで給油なんてアクシデントなどもあったが、順調にICを降りた。

 今度は岐阜市内の下道を延々と走る。いや、でも岐阜市街を走るなんてオートバイでは多分初めてかも知れない。なにせ北のサムライは、ほとんど北の記憶しかございません。少し、ニヤリとした。

 昼食は、筆者が珍しくラーメンを食べたいと強く要望してしまう。
 いちさんと筆者は、チャーシューメン+半チャンセット、さらに餃子。なかなかボリュームがあり美味しかった。いいぞ、ラーメン”支那虎”。

 ユウコさんが、バイクだと体力を使うからねえとおっしゃっていた。
 お腹一杯で再び四輪2台+二輪2台の混成旅団は出撃する。

 おっと目的地をまだ書いてなかった。

 滋賀県池田町の”大津谷公園キャンプ場”だ。そこで、昨年のEOCにも参戦してくれたミッキが迎撃してくれるらしい。彼は仕事の都合で、仙台から名古屋へ移り住んだとのこと。

 で、混成旅団は、ほとんど猛暑のような灼熱の滋賀県内を突っ走る。あまりの暑さに、筆者は四輪のNagaさんの横にゼファーを寄せ、
『暑すぎるよ・・・』
 と、呟く。すると、クルマのパワーウィンドウが少しだけ開き、
「クーラー効いてるし」
 そう、返ってきやがりました。

 その後の混成旅団は、暑い中、ようやく大津谷公園キャンプ場へ近づいてきた。ということで、イオン系のスーパーで食糧アルコール等の買い出しをする。

「キタノさん、ミッキくんが豚肉1キロぐらいもってきたみたいだよ」
 いちさんからの情報を入手したが、筆者はスペアリブが食べたかったので、思わず買い物カゴへ。さらに炭焼き用の生のスルメイカをゲット。

 皆さん、思い思いの物資を補給し、大津谷公園へと向かった。

 暫し、茶畑に囲まれた細い道を走り抜けると、ようやくキャンプ場へ到着するもデイキャンプで激混みである。なんとか二輪や四輪を道路脇へ停め、ミッキくんが確保してくれていたサイトへ荷物を移動した。そして設営タイム。いやあ、ミッキちゃん、久しぶりだな。 なんて喜んでいるうちにサイトに次々とテントやMSRがそびえ立った。

 そして、男性陣はビールタイム・・・

 またしても飲んでない女性陣の運転で、池田町温泉へ。連日しっかりと温泉に浸かって満足じゃ。ただ、GW中のせいか激混みで芋洗い状態であったけど。

 その後、スーパーやホムセンへ買い足しへ向かう途中、ともちゃん運転の車に若い青年(少年?)が勢いよくコンビニから飛び出してきた。

 危ない・・・

 でも、なんとか急ブレーキでセーフ。世の中をなめたような反社会的な顔をした若者は、きちんと詫びもせず、そのまま行ってしまった。あんなに一方的な飛び出しでもなにかあれば彼女に過失責任がくるのかと思うとなんだか腹が立った。
 キャンプ場に戻ると筆者が購入したイカをユウコさんが、あっというまに切り身と塩辛に捌いてくださった。凄い技である。本当にありがとうございました。  
 塩辛もイカ焼きも実に美味しく皆さんから好評であった。またNagaさん夫妻の味噌マヨのモロキュウをあっさりしていてビールのつまみにぴったんこ。バリバリと食べる。
  「キタノさん、スペアリブのタレ買った?」
 macさんから指摘が。
『買ってませんでした』

 スペアリブの場合、専用のタレも同時に購入し、肉に漬けこまないといけないらしい。
 申しわけない、筆者にはそこまで知識がございませんでした。まあ、それでも皆さん持ち合わせの酒、砂糖、醤油などで即席のタレができあがり、それなりに浸してから炭焼きとなった。出来上がったスペアリングの味は、とても美味しかった。
 さらにミッキくんの豚肉とmacさんの特製スープでシャブシャブを堪能する。美味しすぎる、けどお腹いっぱいでござるよ。なにせ豚肉1キロというとてつもない量だ。  
 いつの間にか、やっぱり撃沈していたNagaさんは、この味を堪能できたのだろうか?

 筆者は、前回のEOCで参戦者が多すぎて、なかなか話せなかったミッキくんとも今宵、じっくりと歓談した。彼は22日からのEOCへも遠路駆けつけてくれるそうだ。遠いんだから本当に気をつけておいでよ。

 外はカジカ(蛙)が鳴いていた。カジカがいるぐらいなのだから、よほど自然が豊かな土地柄なのだろう。久々に聴いた。

 また、ここのキャンプ場も無料であった。

 いいぞ、岐阜!

 翌日から”西のサムライ”になったら、どうしようと思いながらテントに入る。

 今宵、筆者の記憶は、このあたりで尽きた。



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