香林坊にて
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5月1日 翌朝・・・ ニューテントとニシヤマさん(WM社)のシュラフのお蔭で、とても快眠できた。あまり快適過ぎて、起きたのは7時少し前と旅の空の筆者としては、いささか寝坊気味である。 macさん、ユウコさん、TAKAさんたちとまったりと朝食をとった。TAKAさん所有のA4サイズの焚き火台(尾上製作所)が、軽量コンパクトで、プライス的にもお手軽で気に入った。これは買いか。macさんも購入されるみたい? 挨拶にきた群馬のY氏に”永久ライダー”ステッカーを進呈し、一気に撤収モードへ突入した。 筆者の愛機もほぼ過積載がパッキング完了しかけた頃、管理人のオジイサンが近寄ってきた。なんだか面倒なことになりそうなオーラが濃厚に伝わってきたので体の位置をずらして結界をはると・・・ 近くにいたユウコさんが捕まってしまい、長い自慢話につき合わされていた。なんだかすみませんねえ。 そんなアクシデントにも遭ったけど、どうにか出発。四輪と二輪のペースが違うことからmacさん夫妻と別行動で七尾の和倉温泉を目指すことになった。 早朝の氷見街道を順調に能登半島へ向かう。富山湾を右手に臨みながら、灘浦海岸を快走した。青い海、青い空、素晴らしい絶景である。 いや、実に意外なことなんだが、能登半島を走る荷物満載の旅系ライダーたちが、しきりにピースサインを出してくる。北海道ツーリング以外でピースを返したのは何十年ぶりだろう? 能登立山シーサイドラインあたりのパーキングで小休止。 |
「キタノさん、ヨシムラサイクロンの音、なかなか迫力がありますね。自分も 前のバイクで付けていて気に入っていたんですよ」 『煩過ぎず、軽やかな排気音、俺も好きなんだよ』 TAKAさんと、そんな会話を交わした。しかし、TAKAさんのマシンの過積載ぶりも凄まじい。 |
和倉温泉着・・・ 実は内陸部をショートカットしてきたmacさん夫妻の方がずいぶん早くに到着したそうで、かなりお待たせしてしまった。すいませんねえ。 |
温泉はうたせ湯などの施設が整い、実にいい湯であった。まったりと浸かり終る頃になるとなんだか腹がへってきたという意見で誰もが一致し、地のものを食べることになった。 駐輪場に出て、マシンを両足でバックさせている時に事件が起きた。 |
バランスを右側に崩したのだが、あまりの過積載のため右足で踏ん張りが効かず、ガシャーン。 6年ぶりぐらいにタチゴケをしちまいました。すぐにTAKAさんの手を借りて引き起こしたのだが、自慢のアントライオンのブレーキレバーが魔法使いのホウキ状態に・・・ |
フルブレーキングがうまくできないけど、まあ、折れなかったことを奇貨とすべし。 気を取り直して、地元の食を堪能するために”なまこや”という料理屋へ入る。 |
皆さん、それぞれのメニューをオーダーしたのだが、macさんと筆者は”海ごちそう膳”なるものを頼んだ。すべて店手造りのものばかりだそうだが、京懐石に近いものがあると思った。 |
以前の筆者なら、物足りない料理と確信したのだろうが、近年はこういうあっさりとした食感もぞんがい堪能できるようになってきた。ご飯もお代りしたし。 |
お腹いっぱいで、能登島一周へ向かうも途中、TAKAさん危機一髪。直進車を想定せずに右折しようとしたら、あわや側面衝突。macさん、ユウコさん、筆者、全員がもうダメだと思ったが、直進車の急ブレーキでセーフ。 危なかった。けど大事に至らず本当によかった。 快晴の能登島を無事に一周し、輪島方面へ向かうTAKAさんとは、ここでお別れだ。お世話になりました。お気をつけて。 この後、macさん夫妻と筆者は怒涛の金沢入りとなる。 筆者はまだ金沢の街を知らない。 能登島から有料道路をアクセスしまくって一路金沢へ。筆者は、macさんのクルマの後ろについていただけなのだが鋭い走りだった。 天候はいいし、気温も適切であったがやや風が強いかなあなどと独りごちているうちにあっという間に金沢市街へ到達。そしてmacさんのナビで、ともちゃんちへもスムーズに辿りついた。 ほぼ同時にNagaさん、ともちゃん夫婦もツーリング先からタンデムで帰還。 暫くして、埼玉のいちさんも愛機で只今参上! 凄い、古都金沢へEOCオールスターズが続々と集結し始めた。 お部屋に入れていただきお茶などをご馳走になるが、ここで6人ごろ寝は、流石に無理でしょう。ビジホ好きな筆者は近くのホテルをネットで探してもらった。 |
Nagaさん運転のともちゃんのクルマで、予約してもらったホテルまで先導していただく。 意外と、いや、かなり立派なホテルであった。ホテルで油断すると、いつぞやの札幌の夜のように爆睡して夜遊びができずに後悔するハメになるので、なるべく起きてようと努力して(少し寝たけど)いるうちにみんなが迎えに来てくれた。 |
金沢市内を駆ける北のサムライ |
そして金沢香林坊へ・・・ 『うっそ〜、信じられねえ。俺、金沢で飲みに出ているよ〜』 「本当だね。しかし、キタノさん、よく来たよ」 Nagaさんたちが歩きながら笑っていた。 |
暗い兼六園を横目に香林坊(夜の繁華街)へと入った。そして、高級居酒屋にて豪華絢爛の酒肴を存分に味わった。 お刺身盛り合わせが美味い。コシアブラのてんぷらも旨い。その他、さまざまな山海の珍味に舌鼓を打った。 |
これは、日本海側で獲れる希少なお魚で”ノドグロ”というそうな。本当に絶品だった。macさんが、喉の中が真っ黒なお魚だからノドグロというのだよと解説してくれた。 |
「キタノさん、奥さん怒ってない。大丈夫?」 という発言が・・・ それをいわれると弱い。うちの女房はイビョンホンの熱烈なファンなのだと何気に話したら、 「わたし、特にファンじゃないけど、たまたま韓国旅行で同じ飛行機へ乗り合わせて、握手してくださいってお願いしたら本当にしてくれました」 ともちゃんの重大すぎる発言があった。 『まじっスか?』 これをネタに先日の無断外泊事件(ヨッパになり、macさん宅にて撃沈した件)以来、悪化している妻との関係も一気呵成に修復となるやも。速攻で、化石みたいに古い携帯で妻に電話し、その旨を伝えると、 「ウッソー?」 妻はパニックに陥る。 『嘘じゃない。今、ともちゃんに代わるから』 ともちゃんに状況を克明に説明していただく。 ビョンホン氏って、本当に気さくな人なのねと妻は大満足で携帯を切った。 ホッ・・・ |
その後、Nagaさん劇場に突入した。 銘酒に心地よく酔い、金沢の夜は大いに盛り上がりながらふけていった。 |
金沢、大好きっ! Nagaさんも好き!(注:モーホーではありません) と、ヨッパライダーが、なんか言ってました。 一応、次章からはキャンプ生活に戻ります。 |