北海道ツーリング2016前編











鏡沼キャンプ場の夕陽



 翌朝目覚めたのは5時半ぐらいだったか。パンを焼いてコーヒーを飲むという簡単な朝食を摂った。そして管理棟で歯磨きと洗顔を済ます。早朝だから涼しいけれども本日も暑くなりそうなどと思いながらてきぱきとテントを撤収した。

 さて、本日はどうしよう?暑いから海岸線に出るかあ。というわけで、R38で滝川〜無料の深川留萌自動車道で一気呵成に留萌へ出た。この時間帯になると気温がぐんぐん上昇してくる。

 負けじとアクセルを上げ続け小平に突入した。海岸線のR232は少しガスがかっていて、今度は気温がどんどん低下してきて、おかしくなりそうだった。





 おびら鰊番屋のPで暫し休憩をとり、曇天のオロロンラインへまた復帰し北上する。留萌付近には落雷警報が出ていた。思えば去年も同じだった気がする。

 『すみれ』という食堂のウニ丼が有名だとTMに掲載されていたが、まだ11時台にも関わらず駐車場がいっぱいであった。というわけで、スルー。街道沿いの『澤』というドライブインも穴場なんだけど、正直、それほど空腹ではないのでパスして北上する。

 苫前温泉ふわっとに隣接する『とままえ夕陽ヶ丘キャンプ場』に立ち寄った。日本海に面した岬の上にあるかなりよさげなキャンプ場であった。本日はここを野営地にしてもよいかと思ったのだが、時刻がまだ13時くらいと中途半端である。まだまだ走れる時間帯ではないか。ということでこちらのキャンプ場の利用はまたいつの日かにしようと断念し出発した。

 初山別村を抜け、富士見ヶ丘公園を過ぎ、道の駅”てしお”まで到達する。





 なんだかんだ言って、とうとう道の駅てしおまで来てしまったのけれどもまだあんまり食欲がない。されどこの先は、サロベツ原野のクライマックスだった。ほぼなにもない。というわけで、道の駅のレストランで食事をすることにした。

 しじみラーメンが名物らしいが、あえて普通に醤油ラーメンにしてみた。暫し待つと背脂の乗った醤油ラーメンが運ばれてきた。

 一口スープを吸うと・・・

 これがぞんがい旨い。コクが素晴らしい。なんだろう?昔懐かしい味がするではないか!麺とスープのバランスが良い。チャーシューが柔らかくて美味しい。ぜんぜん期待してなかっただけに大喜びでスープまで完食してしまった。

 さて、この先どうしませう。まだ14時台だ。余裕で稚内森林公園のキャンプ場まで照準に入るのだが、まあ、そんなにガツガツと旅しなくてもよいだろう。早朝から走って疲れてるし。

 鏡沼海浜公園を今宵のキャンプ地とする!絶好調のゼファーは、セル一発始動。駐車場を大きく旋回してキャンプ場へと向かった。

 ただ、あの悪夢のような出来事が目前まで迫っていたとは知るよしもない。





 管理棟で受付を済ませ、さっそくテント設営を開始する。

 なんとなく蒸し暑くなって来たので、今宵はメッシュのカヤライズにしてみよう。エアライズのポールをそのまま利用できるという蚊帳タイプの優れものだ。

 実に5年ぶりの投入か。





 まあ、こんな感じで設営完了。

 受付で、ランドリーの使用を申請したが、コインランドリーというカタチではなく百円でサイト内の別棟の洗濯機を借りるというような仕組みだった。

 旅の途中に洗濯が出来る環境なら、やれる時にやって置いた方がよいに決まっている。





 洗濯している最中(15時〜16時ぐらい)、ゲリラ豪雨にやられた。本当にもの凄い雨だった。タープの下でただただじっとしているしかなかった。

 雨があがった後、洗濯物を乾燥機にかけるため、管理棟に向かう。すると、バンガロー利用のファミリーのオバサンがまだ使用していた。30分100円の利用で洗濯物が乾きますかと質問してみた。

 とんでもない。ここの乾燥機はね、業務用じゃなく家庭用なのでなかなか乾きません。わたしは1時間半も乾燥機を回していますが、これでなんとかなるかどうか。

 数分後、1時間半の乾燥をようやく終え、オバサンは無事バンガローへと立ち去っていく。なによりです。

 その直後、ぼくは1時間の設定をして、てしお温泉”夕映”へと向かった。

 温泉施設の屋根の下で、雨宿りをしていた年配のご夫婦ライダーが出発の用意をしておられた。走行中、豪雨にやられ大変でした。

 1年ぶりに夕映の温泉を堪能し、管理棟に戻ると1時間の乾燥機が終了する頃である。洗濯ものはそう多くない。勿論ばっちり乾いていたので、袋に詰めサイトに戻った。





 ゼファーで食糧とアルコールの調達に向かおうとした頃の夕陽の画像だ。

 あまりにも美し過ぎる。筆者はこういう光景を拝むために旅を続けているとふと思うなり。

 コンビニは、そう遠くないので、ササッと買い物を済ませサイトに戻った。






 すると、キャンプサイト・管理棟・温泉施設がこんな光景に・・・

 ビールを片手に暫し見とれてしまった。

 今宵、テントサイトの利用者は、チャリダーのご老人、若手ライダー、筆者の3人だけで、とても静かな夜である。

 携帯にメールが入っていた。熊本のヤタロウからだった。

 ”ゴロウさん、こんにちは。8月13日にニセコの宿に入ります。マスミさん、ノブロウくんとニセコで待ってます”

 そうか、去年は、盆過ぎにアンビに行ったから、懇意の皆様と再会できなくてとても残念であった。ヤタロウは4年前に知り合った筆者の旅の弟分だ。ちなみにマスミさんは彼の叔母である。ノブロウくんはただの太った人です。もとい、ノブロウくんも親しい友人だ。

 ガツガツ野営しながら北の大地を動き回る時期は終えている気もする。もう、筆者個人で穴場を開拓するのは厳しい。現在8日だ。12日までキャンプ旅を楽しんだらニセコ入りするか。そんなわけで、その旨をヤタロウに返信した。

 タープの下でウイスをチビリチビリなめていると、眼前をキツネ野郎が猛ダッシュで駆け抜けていった。

 いつシュラフに入ったのか、今となっては定かではない。

 ”死して屍拾うものなし”



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