北海道ツーリング2014








白老滝付近の渓流下り(画像:ニセコアンビシャス)



5



 この日は、午後から秘境”白老滝”を目指した。

 全員がヘルメットや沢登り用の長靴などを履いていたが、ぞんがい渓流の中は滑らない。

 鉱物の影響なのか?おそらく知床のカムイワッカ湯の滝と同じ原理だと思う。
   いよいよ本流に出た。

 どうです。この神秘的な水の色。大雨の後なんだけれど、水の流れ、水の色がまったく違うそうである。

 もちろん、全員、ヘルメット及び渓流用の長靴などを装備している。ただし、筆者のみはロングスパッツを使用した。
 白老の滝に到達した。

ヤタロウとノブロウくんがくつろいでおりましたわ。

「ノブロウくん、鳥籠がまったく売れんぜよ」

 しかし、いい滝だのう。もう少し、水量が少なければよじ登る予定だったみたい?
 
   マスミさんと暫し、滝のマイナスイオンを堪能する。

 滝の水蒸気が、素晴らしい冷房効果となり、涼しいのなんのって!

 このあたりで、スパッツで防護していた筆者のオニューの登山靴の防水性も力尽きた。足の中身は、グチャグチャとなれりけり。
 そして、一行はどんどん下流へ沢下りしていく。

 流れが激しくて、マスミさんやマエダさんは少し激流に流されかけたところを危うく村長から救助されたようだ。

 それでも水の色はエメラルドで美しい。
 
   さらに下流へとくだっていくと、次第にルートが険しくなり、終りが読めなくなってきた。時間的にもほどほどの地点で踵を返し、帰路に着いた。

 しかし、PAまでの登りのシンドイのなんのって、かなりゼイゼイいいながら戻りました。
 帰路は、どこでも好きな温泉に寄っていいということなどで、久々にニセコグランドホテル(昆布温泉)へノブロウくん、マスミさん、ゴロウさん、ヤタロウ、つまり、プリウス組で立ち寄る。

 ここの温泉の露天風呂はいつもながら秀逸だと思う。またPA近くの名水「甘露水」の美味しさも白眉であった。



ポロト湖カヌー 秘境白老滝
制作:ニセコアンビシャス







 この日はまず神仙沼へ向かった。午前中はやや陽が弱く、少し涼しく感じる
お盆のとある日じゃった。

 文久3年〜

 とかいきそうになったけんど、もとい!
   相変わらず、高山植物が美しい。年に一度は神仙沼を訪問しておきたい。

 画像は、サワギキョウ。あちこちに群生していた。「高貴」「悪意」「乙女の魅力」「特異な才能」など。美しい山野草であるが、実は毒素もある。なるほど、美しいものには毒があるか。いや刺があるだったか?
 少し紅葉が始まっているところもちらほらと。お盆前までは、天気はよくなかったけれど、蒸し暑い感じであった。でもなんだか、このところ気候が変わった気がする。秋の気配が忍び寄る。

 そして、筆者のお腹の具合も急転直下。トイレにいきたい。まさかこのあたりにトイレがあるはずがない。やむなく、ノブロウくんに事情を話してPAにダッシュ。 
 無事に用を済ませたのだけれど、今度は少し目眩がする。実は、持病の薬を落としてしまったのだ。どこで落としたのか、まったく記憶がなかった。もう、4日も薬なしの日が続いていたりする。

 まあ、こんなことは、後日に起きる悲劇の序曲でしかないことは知る由もない。

 先日、家人に速達でアンビまで送ってくれと頼んだけど、まだ届かない。本日あたりに到着するような気はしていた。ここは無理をせず、売店二階の休憩所みたいなスペースで横にならせてもらった。静かで心地よく、つい、うつらうつらと寝込む。

 そのうち戻ってきたみんなと合流したのだけれど・・・

「ゴロウさん、体調が悪いなら、函館に帰るシホちゃんのクルマでアンビに戻った方がいいんじゃない?」
 村長から、心配そうに声をかけていただく。
『いや、薬が切れてきたようですが、まだ大丈夫です』

 しかし、筆者も薬がどうこうでツアーの参加に左右される歳になってしまいました。もう完全にただの中高年である。真の男よ、北のサムライよと喧伝された野郎もずいぶんとヤキがまわってきたものよのう!
   昼食は”たらこ丼”が美味しいと評判の岩内駅近くの「海鮮屋」に立ち寄る。

 以前から利用したいと思っていたところだったが念願が叶う。

 まあ、そこそこにお客も入っていた。
 ウニイクラ丼とナマエビ丼だ。筆者がオーダーしたものではございませんが、
これは美味そうな丼である。

 特に村長がオーダーされていたナマエビ丼、これは絶対に旨そうだ。次回、機会があればこれにしてみよう。
 
   筆者がオーダーした”たらこ丼”(900円)、流石は看板メニューだけあって凄い迫力であった。食べ応え満点。濃厚な魚卵と海苔の香を頬張る。

 昼食を堪能したところで、いつも懇意にしてくださるノブロウくんとマスミさんとお別れだ。なんだか寂しくなるなあ。ノブロウくんとがっちりと握手を交わした。

 また会おう!
 しかし、筆者、やはり頭がクラクラするぜよ。こいつはりヤク?が切れた影響か?

 これから皆さん、沢登りをされるそうだが、ぼくが山中で倒れたら、計り知れないほどのご迷惑をかけてしまうだろう。長旅と山行というやつは最大公約数的な潔さが、絶対に不可欠だとさまざまな場面・経験から学んできた。たとえ僅かなマイナス要因でも楽観視してはいけない。

 ということで、函館に帰るシホちゃんがミルク工房でソフトクリームを食べていくそうなので、ついでにアンビまで送っていただくことにした。

 帰る途中、彼女といろいろ旅について語り合った。先日は礼文島へ渡ったそうだ。ただ、時間がなく数時間しかまわれなかったとのこと。

 それはもったいない。礼文なら数日滞在しても飽きない島だ。なんといっても愛とメロンの8時間コース、ゴロタ岬、スコトン岬、スカイ岬、礼文大滝、低地でも咲き乱れる高山植物等々、見どころが多い。

 あの利尻山にも登りたいそうだ。近年、山ガールブームで単独登山する若い女性も増えているが、なにかと不安がつきないと思う。

 でも利尻島には海に足をつけて(海抜0メートル)から利尻山に登ることで勇名を馳せた利尻グリーンヒルYHがあるではないか。そこなら頻繁に登山ツアーが出ているはずだ。そんな情報を彼女に伝授したのだが、実は近年、YHを廃業したという事実を後から知った。

 すいません、誤報を流してしまいました。でもね、現在は素泊まり宿、”利尻ぐりーんひるinn”というゲストハウスとして存続しているみたいだ。

 というわけで、シホちゃん、送っていただいてありがとうございました。

「ゴロウさんは、シホちゃんにいやらしいことをしようとして車から追い出され、ニセコパノラマラインを歩いて帰ったと思っていたよ」
 後刻、村長が笑っていた。彼女はとても可愛らしいレディだけど、そんなことあるわけございませんよ(笑)

「ゴロウさん、まだお薬は届いてませんよ」
 アンビに戻るとユミさんが心配そうに呟いた。
『マジっすか。少し、横になって休んでいますね』

 ゴロウさんが、ゴロゴロしているうちにようやく薬が届く。しかも速達ではなく普通郵便ではないか。家人のぼくに対する殺意を微かに(いやかなり、火曜サスペンス並に)感じた?ゴロウさんの苦心は続く。

 薬を飲んで、さらに安静にしていると頭の中のもやもや感みたいなものがとれてきて、しっかりと復調してしてきた。というより、ただの二日酔いだったんじゃないのという噂もちらほらとあるとかないとか?

 なんだか長くなりそうなんで、この章はこのあたりで筆を置きましょう。



HOME  TOP