北海道ツーリング2014











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   帰りがけに立ち寄った湯は”寿都温泉ゆべつの湯”だ。硫黄泉と塩化温泉の異なる泉質が楽しめる。肌荒れにも効能が高い。実は先日の沢歩きで、腕や背中が植物により荒れてしまい、あちこちに湿疹が出まくっていた。まさに本日の温泉は天の配剤である。

 ぞんぶんに効能高き”ゆべつの湯”を堪能して帰路に着いた。
 アンビに着いてから夕食まで、まだ時間があったので、ヤマグチさんと徒歩10分ほどのミルク工房を訪ねる。

 彼女がオーダーしたアイスクリームのセットは、かなりボリューミーであった。美味しそうだけど、間もなく夕食だ。このセットの影響が出ないことを祈る。ちなみのぼくは冒頭画像のパフェーをなんなくクリアする。アイスが濃くて味わい深い。
 
   ミルク工房(高橋牧場)の”のむヨーグルト”も非常に美味しい。あまり教えたくないんだけれど、ランチバイキングでは”のむヨーグルト”も飲み放題になっていた。

 こちらのランチバイクキングは、ヘルシーでとても食べごたえがあるので、たいへんお勧めである。
 
 帰路は、ゆっくりと牧舎を眺めながら歩いた。本当に人懐こい乳牛ばかりで、とても可愛いと思う。高橋牧場では百頭以上の乳牛が飼育されているそうだ。

 ちなみに牛舎を突っ切っていくルートは、冬は雪が深くて歩けなくなる。つまり普通に道路を歩くので、少し遠まわりになのだ。
 
   やった。晩御飯は大好物のトンカツだった。サクサクのトンカツをガンガン食べる。よく歩き、よく食べる穏やかな日々が続いている。

 夕食後の宴会では、久々に筆者のドラマJIN(古い)のモノマネが炸裂した。
 ただ、CMの提供の企業の名前まで羅列するから、”細かすぎて伝わらないモノマネ”と化していたとか?

 まあ、とりあえず3人で遅くまで笑いの絶えない宴会であったことには間違いない。

 明日のツアーはお休みとのこと。愛機のない筆者は、どうしたらよいものかのぉ〜
 翌朝、少し二日酔い気味で目覚めた。お天気は雲が多かったけど、どんどん回復傾向となり、珍しく暑いと思うぐらいの気温となった。

 とりあえず、朝食を食べ、洗顔したんだけれど、大部屋で横になると二度寝してしまう。その間に千葉の女性ライダー・ヤマグチさんは千歳に向けて出発していた。
 
 ここ三日間、愛機のない、ただのヨッパライダーの筆者の介護を、面倒を見ていてくださり本当にありがとうございました。きちんとお別れのご挨拶が出来ずに大変失礼いたしました。またお会いしましょう!

 バイクにぜんぜん乗ってないわりには、なんだか弱っている昨今の筆者なのだ。

 ひと眠りした後は、ニセコ駅方面まで徒歩で散策する。歩く目線で、立派な神社も発見した。

 歩く目線という言葉、久々に使った気がする。14年ぐらい前、礼文島の星観荘という宿の夜のミーティングで、この言葉にいち旅人として、ある種の感銘を受けた記憶があった。それが2005年の禁断の知床岬踏破への布石と化してゆく。
   真夏でも北海道では、ところどころで紅葉が始まっていた。

 紅葉を観にいコウヨウ

 昼食は、宿でカツ丼をご馳走になった。美味しかったです。ありがとうございました。

 明日の朝には、ようやく筆者のマシンも復活を遂げ、まあ、最低でも道東ぐらいには辿りつけるだろう。
 今宵の同宿のお客さんは、年配のご夫婦、小さい女の子の姉妹を連れたご夫妻でした。

 食後は、お子さん連れのご夫婦と飲み会にて楽しく歓談し、まあ、それなりに早い時間に就寝した。

 明朝には、ようやくキャンプツーリングライダー・北のサムライが鮮やかに蘇る!

 ところが・・・

 翌朝は、まあ、普通に目覚め、朝食を食べた。

 いよいよ、本日からキャンプツーリングライダーへと戻る。なんかわくわくするなあ。

 村長は、沖縄からいらしたという若き女性の方のガイドで、日本海側へと出かけていく。

「ゴロウさん、また冬にでも来てね」
『了解しました。どうも長い間お世話になりました』
 村長に別れを告げ、大部屋に戻った。バイクが戻ったら郵便局でお金をおろして、まずは宿代の精算をし、荷物をパッキングしたり、いろいろ忙しくなるのう。

 ところが、お昼を過ぎてもバイク屋からなんの連絡も来ない。

 今日は、宿の娘さんであるスミちゃんが札幌からニセコに帰省する日だ。お母さんのユミさんも楽しみにしておられるはずである。筆者は早くふたりにしてあげたい。

 とうとう筆者は、某駅前のバイク屋へ携帯からTELした。

『あの、ぼくのゼファーイレブンのあがりはまだでございましょうか?』
「すいません、お客さん。エンジンの発火装置のブースターを取り寄せたんですだが、うんともすんといいません。朝からなにも食べずに粘っているのだが、どうにもならん。もう少し待って、というより、最悪の事態を考えた方がいいかも知れません」

 ガ〜ン ガ〜ン ガ〜ン

 北のサムライの士気は、一気に落ちたでござる。

 もう、ゼファーイレブンの廃車の手続きをする段階に入っているやも知れない。

「ゴロウさん、スミちゃんが帰って来たから、ちょっとミルク工房まで行って来ますね」
『はあ、しっかり留守番をしておりますので、ごゆっくり』
 ユミさん母娘にお応えした。

 けど、我が愛機ゼファーイレブンよ、永遠なれ状態!

 これから、筆者はどう行動したらよいのだろう?

 本当に”翼の折れたエンジェル”状態に陥ってしまう・・・

 某駅前のバイク屋から、ゼファーイレブンのほとんど死の宣告を受けてしまった。

 選択その1 現地でゼファーを廃車にして単身仙台までフェリーで帰る。
 選択その2 ゼファーを陸送して、地元で処分する。

 うっ、どっちにしても絶望的な選択をするしかないようだ。

 まだ、この北海道ツーリングでは、キャンプすらしていないのに・・・

「ゴロウさん、どうしたの?キャンプ道具が入口にあるから、驚いたよ」
 夕刻にガイドから帰宅した村長もびっくりドンキーであり、直後に噴き出した。

 すっかり、意気消沈した筆者であったが、夕食の時間となった。

 ご飯を食べている最中に携帯が鳴る。

「お客さん、ゼファーのエンジンがかかりました」
『マジっすか?』
 バイク屋のおっさんの言葉に筆者は狂喜する。

「メーカーにも何度も問い合わせたら、イグニッションキー(エンジンの点火スイッチ)に盗難防止装置(直結防止の米粒大の装置)が誤作動していました。これは流石に気づけませんでした。明日の早朝には、ニセコにお迎えにあがりますので、お待ちくださいね」
『ありがとうございます』

 よかった。残り4泊の予定が、3泊に減ったけど、高速道路を使用すれば道東当方面のキャンツーは可能となるだろう。

 というわけで、ファミリーでいらしているおとうさんから、夜のミーティングで芋焼酎をがんがんご馳走になり、したたかにヨッパになった。そして宴が12時過ぎまで盛り上がったが、あまりに遅いのでユミさんに叱られて強制終了となりました。

 ともあれ、ゼファーが廃車にならなくてよかった。

 しかし、その修理代が(TT)



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