北海道ツーリング2013















 とりあえずやっておきたいこと?

 それは営業時間2時間半(10時半〜13時)のラーメン屋”鳥よし”のラーメンを食べることだ。場所は苫小牧市内勇払にある。

 昨年は北海道ツーリング最終日に13時4分に訪れ、4分差で無念の涙をのんだ。今回は満を持して初日から狙って11時前には到着した。まだ店内は混んでない。

『こんにちは。ラーメンをひとつください』
「はい。大盛でなくていいんだね」
 実はこの店のメニューは、ラーメン・ラーメン大盛・チャーシューメン・チャーシューメン大盛の4つ。まあ、おしなべて味は1種類のみだ。
『普通盛のラーメンで結構』
 そのように応え、暫し待つ。
   すると出て参りました。少し白濁した感じのスープはタンメンを彷彿とさせる。鶏ガラというより、豚ガラの方が強い気がした。でもなんというか、とても懐かしい昭和の味がして、本当に美味しい。これは常連さんがつく集客力があるだろう。店内はどんどん混んできたし。筆者はスープまで全部飲み干して店を出た。これは穴場だ。また来ようと決意する。
 食後、樽前国道に入り、緑の木々のトンネルの中を走る。いつ来ても心地よい道だ。雨はかろうじて降ってない。交通量も少なく、あっという間に支笏湖に到着。
 R276、つまり支笏国道側で湖が綺麗に見えるポイントってなかったっけ?支笏湖を通り抜けそうになったので、トンネル手前のパーキングへ入った。ちょっと愛機と湖を一緒に撮るのは無理である。

 となりの車のおねえさんはカメラを持って湖岸の方へ降りていったようだ。筆者は湖の撮影を断念し、スロットルをあげた。
 
   濃霧に霞む峠のワイディングをクリアしていく。滝笛トンネルを抜けると「きのこ王国」が見えてきた。ここでトイレ休憩としよう。

 さすがにきのこ王国は、観光バスや家族連れの四輪が多く、たくさんの人で混み合っていた。
 レジ付近も混み合っていて、名物百円キノコ汁にありつけなくて残念だった。

 代わりに喉が渇いたので、自販機で懐かしい瓶コーラを飲んだ。近頃は昭和の復刻版でこの手の自販機が出回っているみたい?筆者が子供の頃は、コーラといえば瓶というイメージが強い。そういえば教師びんびん物語というドラマがあった(ほとんど関連がない)
 
   留寿都方面から天気が回復していた洞爺湖へ到達。今宵のキャンプ地は洞爺湖畔に決めた。その前に”いこいの家”という温泉施設で汗を流そう。大人370円。高台の上から洞爺湖の全景が見渡せる素晴らしいロケーションだ。お湯は透明でやや熱いがいい湯である。泉質は硫酸塩、塩化物泉、飲むと塩味らしい。
 温泉を堪能して愛機に向かって歩いていく。陽射しが強く既に大汗をかいており、額の汗を右手で拭っていると、ゼファーの隣の車のオバサンが下りてきた。

「福島のどちらからですか?」
 心から同情しているらしい。
『福島市内からです』
「本当に大変でしたね」
『いや、思っておられるより、普通の生活なんですよ』
「どうか北海道の旅を楽しんでいかれてください」
『お気遣いありがとうございます』
 おばさんは踵を返し、いこいの家の方へ歩いていかれた。

 夏の熱気の真っ最中、蝉の声がかしましく鳴り響いていた。
 気を取り直して出発しようかと、コミネのメッシュJKTのファスナーを上げると途中で動かなくなった。なんてこった。完全にファスナーが壊れてしまう。修復不可能状態であった。まだ北海道ツーリングの初日なのに困った事態となる。  
   まあ、仕方ない。パッドが入ってないのが不安だが、キャンプ場の防寒用に持参したジャージの上を着てごまかそう(かなりダサいが)

 マシンを走らせ、キャンプ場を物色する。湖畔に面したキャンプ場は夏休みらしくファミキャンでいっぱいだった。
 これはいつもの”グリーンステイ洞爺湖”にしよう。広大な芝のサイトのキャンプ場は人が多いけれど人口密度が低いのでとても過ごしやすいのだ。

 サイト代700円、ゴミ処分料100円。ランドリーなど、いろいろな施設が充実している。
 
   お隣は、若いライダーさんだったが、挨拶を交わした程度で、お互いに干渉するわけでもなく自分のするべきことに没頭していた。

 夕食はセイコマで購入した”塩ホルモン”だけでお腹いっぱいになった。せっかくクッカーで炊いたご飯は明日の朝食にしよう。 

 暗くなり、テントに入ってもなんだか蒸し暑いんだよね。キャンプ用の小型テーブルの上で簡単な旅の記録を書き、ラジオをつけワインを飲む。驚いたことに雑音の中からラジオ福島が聴こえていた。

 お祭りなのか太鼓の音が聴こえる。生ぬるい夜の湖に打ち上げ花火がド〜ンド〜ンといつものように鳴り響いていた。

 やがてスコールみたいな集中豪雨がフライシートに激しくあたる轟音だけで、他の音はすべてかき消されていく。

 そして筆者の記憶は尽きた・・・ 
 翌朝5時起床。洗顔のあと昨夜食べなかったご飯と残った肉を炒めチャーハンをつくった。

 とにかく脂濃くて不味い。そこに納豆をぶち込んで無理矢理怪しい料理を平らげる。なんだか腹の具合が悪くなりそう。 
 
 天候は曇り。蒸し暑い。濡れたままのテントを無理矢理撤収し、出発は8時半頃となる。

 本日の行先はもちろん道南方面だが、立ち寄りたいポイントもあった。

 とりあえず豊浦に向けてスロットルをあげる。 




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