北海道ツーリング2013








下赤岩山にて(画像提供:アンビシャス)



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画像提供:アンビシャス 
 羊蹄山にかかる怪し過ぎる雲。これはどう見ても本日の羊蹄山登山はダメだろう。もちろん村長も中止と判断した。またいつの日か羊蹄山に登る機会もやって来るだろう。

 少し驚いたことが、朝食のおかずに納豆がついた。元関西人の村長は食べれないけど、納豆消費量日本一の福島県民の筆者は大喜びであった。
 というわけで、本日の午前中は赤井川村の秘境ライオンの滝に向かった。時折、雨がポツラポツラと降っていたが、カッパを着るほどでもない。

 空き地に車を停め、ライオン橋横から、滝近くまで下りた。すると、おう、これは見事な直瀑である。

 画像提供:アンビシャス
 
 画像提供:アンビシャス
 ライオンの滝とは、滝の轟音が雷音(らいおん)に似ているからといわれている。このポイントは実際のライオン滝よりも一段下の滝だ。道路から、ロープにぶら下がりながら降りる。なかなか刺激的だった。

 しかし、真夏の暑いときにこのエメラルドグリーンの水で泳いだら、さぞ心地よかろう。昨夏、アンビのお客で本当に泳いだ豪の者(中学生)がいたらしい。
 ライオンの滝の由来は、もうひとつあり、このあたりの渓谷の岩の形からライオンと名づけられたという説もある。

 確かにライオンに似ているといわれれば、そのように見える岩も存在する。雷音かライオンに似た岩なのか知るよしもない。

 どちらでもイワよ。

 画像提供:アンビシャス
 小樽の街へ入る手前の”毛無峠”の展望台にて。小樽市のほぼ全域が見渡せるビューポイントである。

 これが夜なら、どれだけ美しい夜景が拝めることやら。想像しただけで、胸がっぱいになってきた。
 小樽にやって来たのは、名寄の学生さん、ハルミちゃんのお迎えツアーという意味もある。彼女のお母さんは、昔、アンビでヘルパーさんをしておられたそうだ。駅前で無事合流する。

『初めましてハルミちゃん』

 というわけで、お腹も空いたのでステーキチェーンの某店で昼食を摂った。

   ぼくがオーダーしたのはランチステーキなんですが、733円という安さでした。ライス、カレー、スープ、すべてお代わり自由だった。なんと素晴らしいコスパだろう。

 村長とハルミちゃんがオーダーした通常のランチは6百円台という破格で驚いてしまった。
 がっつりとお肉を食べて店の外に出た。

『ハルミちゃん、名寄の冬はかなり寒いだろう。俺の知り合いがな、名寄の陸自にいてね、冬にはえらい目に遭ってると愚痴っていたよ』

 なんて具合に話続けていたら、後ろで歩いていた人はぜんぜん知らないオバサンだった。やっちまった(^^;

『すいません、人違いでございました。ご無礼いたしました』
 頭をかきながらきちんとオバサンに謝罪すると、オバサンもいいんですよと噴き出していた。
 その後、小樽市郊外の赤岩峠というポイントを目指した。もちろん筆者は初めて訪れた。

 駐車場が整備され、公衆トイレもある。ここから下赤岩山までの山頂へ向けて、遊歩道が整備されていた。

 また石仏がたくさんあり、例のマエダさんそっくりのお顔のお地蔵様を発見した。
 
 
画像提供:アンビシャス
 画像は子猫岩というそうな。なるほど猫の後ろ姿に見える。

 こういう絵を見ると、筆者の飼っているネコちゃんを思い出してしまう。

 家人から虐待されてないだろうか?「好き勝手に旅をしているあなたの大事なものをひとつひとつ壊してやるわ」。こっ、怖え〜
 どうです。この美しい景色。これは積丹ブルーに匹敵する。いや、それ以上かも知れない。

 この付近は、ロッククライマーの聖地として有名らしい。本日は、拝見しなかったが、そこらじゅうでクライミングをしている人たちの光景が見られるそうだ。
 
画像提供:アンビシャス

 画像提供:アンビシャス
 少し、紅葉?いや赤い葉の植物だろう。しかし、この琥珀色の海の美しさは至高だった。

 ぼくは、沖縄とかいったことがない。20数年間、ほとんど北一筋の旅人だ。でもね、多分、南の海もこんな感じかなと思った。
 眼下に見えるホテル・イノシュロス小樽、実は16年ぐらい前、南相馬に住んでいた頃、とある団体旅行で宿泊したことがあった。

 ずいぶん古い話になってしまったけど、楽しい旅行だった。ちなみにオートバイ以外の旅を含めると、今回が総渡道歴22回めとなる。これを書くまで、面倒でほとんど数えたことがなかった。日数にしたらゆうに1年以上。もう移住すべきはないか?

 画像提供:アンビシャス
 
画像提供:アンビシャス 
 のんびりと山頂の岩場でくつろいでいた。あと残り僅かで現実に回帰しないといけないなんて思うと、ちょっと鬱になったりする。

 画像はクルーズ船だ。もの凄い勢いで海上を走破していた。そして、その波の軌跡がいつまでも白く消えずに残っていた。
 存分に小樽ブルーの景色を堪能し下山した。こういうポイントもあるもんだ。

 また小樽市内の景勝地なのにあまり人と会わない。かなりの穴場スポットだったと思う。

 帰りがけ、筆者が車のトランクを閉め忘れるというトラブルあり。
 
   車窓から見えた羊蹄山だ。夕刻には、そこそこに天候が回復していたみたい。でも、やはり雲がまとわりついていた。

 まあ、来年以降、頂上を踏破する機会もやってくるだろう。若い頃と違い、なんでもがむしゃらに成し遂げようとは思わなくなった。
 アンビへ戻ると、珍しくライダーさん(BM乗りの)がいらしていた。なんでもノブロウくんの会社の同僚の方だそうだ。

 ほどなくノブロウくんから、アンビに電話がかかって来て、ぼくとも少し会話する。内容は、この夏は会えなかったけど、そのうち再会しようということで受話器を村長に戻した。

 夕食は、BM氏、ハルミちゃん、はっちゃん、村長夫妻、スミちゃんたちと楽しくとった。

 ダジャレを連発する筆者にBM氏が伊武雅刀に似ていると呟く。そういえば何年か前のEOC穂別でも同じことを言われた記憶があった。
 今宵の温泉は、昆布温泉ニセコグランドホテル”若返りの湯”だ。広大で野趣溢れる大露天風呂が魅力である。存分に温泉を堪能し、湯からあがった。

 ハルミちゃんが、やや遅れてロビーにやってきた。彼女もずいぶん温泉好きのようだ。
 
 アンビに戻り、軽くワインの宴をしながら盛り上がる。リチャード・ギア似のBM氏は、便箋に奥さんへの手紙を書いておられた。なんでもそう約束して北海道ツーリングに出たそうだ。

 この時代にメールではなく毎日手紙。なんと感動的な愛妻家ではないか。筆者がこれまで北海道の旅の空から家人へ手紙を出したのはたったの一度だけである。

 人跡未踏の知床岬へ向けて2泊3日かけて相泊から縦走したときのみだ。かつて、クレイジールートと旅人たちの間から震撼された道なき道と世界一のヒグマの密集地帯は、ぼくにとって異次元空間だった。あんときは流石にヒグマに喰われるか、断崖絶壁から滑落する可能性が高いとかなりナーバスな状態なっていた。そして突入の前日に羅臼の郵便局から、もしかしたら生還は期し難しいと思い、絵葉書を投函した記憶がある。もう8年も前になるか。

 ほどほどにヨッパになり就寝した。深夜に雨が降ったかどうかは記憶にないが、天候がいつものように不安定なことは間違いない。



ライオンの滝 下赤岩トレッキングツアー
制作:ニセコアンビシャス



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