北海道ツーリング2013











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 ほどほどの時間に目覚めた。というより、記録していないから正確な時間がわからない。大浴場は既に終了していたので、シャワーを浴びてから出撃態勢を整える。天候もなんとか大丈夫そうだ。でもやっぱり蒸し暑い。

 ホテル森夢前を出発した。ここからはマサさんと別行動で鏡沼海浜公園キャンプ場を目指すことにする。素泊まりだったので、まずはセイコマできちんと朝食をとる。おにぎり2個と冷たいお茶程度だったけど。

 天北国道を西へ移動していく。深山幽谷、また途方もないくらい山奥の道だった。それでもところどころに小さい集落が存在する。このあたりの冬はどうなってしまうのだろうか?

 天北峠を過ぎると下川国道と名称が変わった。でも相変わらず山の中である。暫く走るとようやく下川町の市街地に入った。町は盆踊り一色と化していた。そういう地元行事に無頓着な筆者は下川町中心部を一気に駆け抜けてく。

 名寄の市街地に入る。名寄に来たのもずいぶん久しぶりだ。駅前の三星食堂で昼食でもとろうと思っていたのだが、まだ時間的にあまりにも早すぎる。先に進もう。

 薄曇りながら、微妙に湿度が高い。名寄バイパスを通過し美深に到達。今度こそは昼食にするか。それでも時間的に早いのだが、井上食堂は開いていた。ここに来たのも何年ぶりだろうと思い暖簾をくぐると筆者が本日の客第1号であった。しかし、流石は人気店、あっという間に客席が埋まってしまう。その中になぜかマサさんが交じっていたりした。北海道って広いようでぜんぜん狭いのう。

 ここのラーメンのメニュー(スープと麺)の組み合わせは、天文学的な種類になるのでかなり迷う。
   結局、マスターの勧めでラーメンC(白湯とんこつ)、味噌味、麺は指定せず、トッピングチャーシューをオーダーする。具材は別皿で出てきた。辛味噌とラー油、生姜なども加わり複雑な味になったけど、これはこれで美味しい。ただラーメンという本来のジャンルから離れつつあるような気もする。まあ、かなりマスターが凝っているのでしょうなあ。
 食後、ソフトクリームを食べていくというマサさんと別れ、どんどんR40を北上していった。佐久から道道119に左折し、真っ直ぐ進むとようやく日本海側、つまりオロロンラインにぶつかった。かなり嬉しい気分だ。ここからさらに北上すると目的地の天塩町鏡沼海浜公園へようやく到着した。実に長かったぜよ。

 管理棟で受付を済ませ外に出た。以前はゴミ捨て可で無料。その後、使用料5百円をとるようになったわりにはゴミ捨てを不可にしてしまった。そんなことから、こちらのキャンプ場から足が遠のいていた。つまり鏡沼に来たのは本当に久しぶりのことだ。

 昔、ここでキャンプをしていた時、周囲のグループのキャンパーさんたちと宴会になり、楽しい夜を過ごした記憶がある。酒が尽きた頃、まだあるんですよと鏡沼手前の砂を掘り、瓶詰めの”いちご酒”をとりだしたツワモノがいた。「1年前に埋めといたんですわ」と屈託のない笑顔でからからと笑っていた。熟成された美味しいお酒だったけど、かなりアルコールの度数が高く、当時の筆者はすぐに潰れてしまった。

「キタノさんですね。ヨーヘイさんたちは奥のサイトにテントを張ってますよ」
 今宵の宴の参加者である名古屋のライダー・ハマヤさんから教えていただく。
『ありがとうございます』
 お風呂帰りのハマヤさんに礼をいい、管理棟から奥のキャンプサイトへ愛機で向かった。
 よーよーは、隣接する温泉施設”夕映え”にいっているらしい。

 テントを張ろうか、どうしようかと思っていたところ、よーよーがお戻りになり、ビールを飲み始めた。

 知っている人、ヨーヘイさん、おとう、イトウさん、他の人たちは今日が初対面でした。初めまして! 
 
「お噂はかねがねうかがっておりましたよ、キタノさん。初めまして」
 車で登場したゆうみんさんと、初対面した。
『こちらこそ、初めまして』
 物腰が洗練されたお綺麗な方で、少し緊張してしまう。

 やがて、マサさん到着。近くの民宿に泊まるそうだ。筆者はテントを張り終え、軽くビールを飲みながら皆さんと談笑する。その後、BBQハウスに移動し、芝浦工大の学生、名古屋大学の学生、フランス人チャリダーも加わる大宴会となった。

 本当に凄い量のお肉・野菜・海産物だった。主催のゆうみんさんや運営に関わった皆様には深く御礼を申し上げるばかりである。







  『永久ライダー・キタノです。ネット上と実際に会った時の印象が違い過ぎるとよく言われるので、そうならないよう頑張りたいと思います』
 この人が永久ライダーだったのかという声も一部聴こえたけど、つつがなく自己紹介を終えた。

 とにかくガンガン食べて、ガンガン飲んでヨッパになる。
 さらに勢い余って天塩町内のカラオケスナックになだれこんでしまう。皆さん、凄まじいパワーというか行動力というか素晴らしい。しかし、これが北海道キャンプツーリング中のシーンとは信じられない光景でもあったりして。非常に愉快だから、楽しんじゃえ!筆者もたまには唄いまくることにした。旅のカタチは時代と共に変化していく。そう、”諸行無常”なのだ。  
   ゆうみんさんは、矢沢栄吉の大ファンだそうな。いろいろなグッズをお持ちだった。

 本当に笑いの絶えない宴となった。

 ちなみに筆者的に好きな矢沢ソングの1位はベタだけど”時間よ泊まれ”、続いて”ウイスキーコーク”、”チャイナタウン”かな。
 というわけで筆者も素敵なゆうみんさんとツーショットで写真を撮らせていただきました。

 うっ、れぇっしーいねえ〜

 ヨッパで嬉しくなると田中邦衛に変身してしまう正体まるだしとなっていたりする。
 
   ゆうみんさんの表情は本当にお茶目で可愛らしい。カメラを向けると瞬間的にポーズをとっていいただいた。

 筆者はまず、松山千春の”君を忘れない”を唄う。北海道で、松山をハズすと顰蹙なので気合いを入れて(モノマネもして)熱唱した。でもやはりハズレた気がした?
 ゆうみさんのお姉さんです。本当に素晴らしい歌唱力なのはもちろんだが、この表情が歌姫の雰囲気を大いに醸し出してした。

 22時過ぎごろ、中締めとなり、フランス人チャリダーや学生さんたちはキャンプ場へ戻る。しかし、その後も宴はエンドレスに続いていった。
 
   よーよーも今宵はずいんぶんヨッパになられて楽しそうだった。ヨーヘイさんに誘ってもらえなければ、今回の手塩のライダー祭のことも知らなかったわけだし、感謝している。

 しかし、よーよーもかなりカラオケを唄っていた。時折、フランス語で熱唱する氏の姿を拝見して流石国際人だと感嘆してしまう筆者であった。
 宴は12時過ぎまで続き、そこでお開きとなった。アルコールを飲んでないゆうみんさんのお姉さんにキャンプ場組は全員車で送っていただいた。本当にお手数をおかけして、ありがとうございました。

 キャンプサイトの筆者のテントの前で、少しだけイトウさんとビールを飲んだ(どんだけ飲むんじゃ)。筆者のキャンプツーリング歴うん10年の中で、深夜までスナックでがんがん飲んでカラオケを唄いまくるなど初めてのことである。

 でも楽しすぎて完全にハマってしまった。

 また天塩に帰って来ますので、こんなぼくでもよろしくお願いします。

 翌朝、テント撤収後にゆうみんさんのお店に伺いコーヒーをご馳走になった。
 ちょっと、いやかなり感動しました。ゆうみんさんとそのお仲間の皆様は北海道ツーリングライダーの女神様に見えてしまう。

 昨夜のメンバーの皆さんと集合写真を撮影した後、北のサムライは南下していった。参加の皆さん、お世話になりました。
 



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