北海道ツーリング2013
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8月上旬、本当にうなだれてしまうような暑さだった。 例年なら、外まで見送りに出る家人もこの暑さで、外に出ずリビングで「いってらっしゃい」と手を抜く始末だった。 強烈な熱風の中、東北道に乗り、仙台南道路〜東道路をアクセスして仙台港FTへ到着する。まだガラガラでオートバイでは自分が一番乗りとなった。 |
今宵のフェリーは”きそ”であるか。確か、まあまあ新しいというか内装がよくなった船だったと思う。 なんて考えていると天気が怪しくなってくる。そして蒸し暑い。 |
いつもように登山用のザックに船内で使うモノだけを詰めて、パッキングをし直していると乗船するライダーがぱらぱらとやってきた。 筆者も乗船手続きを済ませ、あたりを撮影していると軽く雨が降ってきた。 とりあえずFTの建物内の売店に避難し、読書をしつつ時間調整をする。 |
ようやく乗船案内の放送があり、二輪停車の定位置先頭付近にならんだ。 小雨の中、筆者の後に続いたオートバイは5機ぐらいか。この時期にしてはかなり少ないと思った。 やがて、係員の指示に従いスロープの先へと進んでいく。何10回同じことをしても気持ちが高揚するのは自分だけだろうか。 |
Eデッキに誘導され、船体の壁に垂直に停車する。ギアはロー、ハンドルは真っ直ぐ、いつもの通りだ。 しかし、デッキ内も辟易とするぐらい蒸し暑い。山用のザックを背負い、エレベーターで通用口まで渡り、係のオネエサンさんへ乗船券を渡した。 |
「あちらですよ」 B寝台の部屋を丁寧に案内してくれた。 『ありがとう』 長い通路を歩いていくと今宵の寝台ルームが見つかった。 どうやら向かいは空きベッドのようだ。なんとなくラッキーだと思いながら缶ビールの栓を切る(コラ!) なんか忘れているような気がしていたのだ。よく考えるとタンクバックを忘れてしまった。中には携帯やらなにやらと細かい旅の必需品が詰まっている。 『忘れ物があるんだ。今から、Eデッキに戻れますか?』 エントランスのおねえさんに訊く。 「基本的にはダメなんですが、船が動いたら私が立ち会いでご案内いたします」 にっこりと微笑みながら応対していただく。 もっ、もとい、社員教育のいきとどいた太平洋フェリーだ。 出港後、無事タンクバックを回収し部屋に戻る。 その後、風呂にいくなどしてゆったりとした時を過ごした。船旅は、こうでないと。 ”あと、30分ほどでレストランの営業を終了いたします” 案内放送が流れる。 しまった。今宵はレストランで夕食を摂るつもりだったんだ。なんだか、この旅の筆者はかなりのヌケサクであった。 |
慌てて夕食バイキングのレストランへ向かい、ステーキや寿司などをガツガツと食べた。朝食バイキングの2倍の料金とるだけに食事の内容もかなり豪華である。とにかく30分でモトをとろうというのだから、一心不乱の状況で料理をやっつけた。さらに1500円の太平洋フェリーオリジナルワインもオーダーしたけど、さすがに独りでは飲みきれず・・・ |
食べるだけ食べたらB寝台に戻り、あっという間に爆睡してしまう。腹いっぱい食べて寝る。我ながらゴリラみたいだと今にして思うなり。 翌朝は爽やかに目覚めるも甲板にでて意気消沈。雨かよ。しかもそのわりに生温かい風が吹いていた。 |
早朝の天気予報では全道的に雨らしい。しかも筆者が目指す、道南方面には”かつて経験したことのない大雨”とかいう警報がでていたりした。 その”かつて経験したことのない”って表現、なんですか?なんだかお天気キャスターの顔がにやけているような気がした。 |
昨夜は食べすぎたので、朝食バイキングは敬遠し、おにぎりを主体にした朝食にする。でも料金的にはバイキングとそう変わらない気がしたけど、内緒ということにしておこう。 朝風呂もしっかりと済ませ、下船の用意を完璧に済ませる。いくら暑くてもパッド入りのメッシュJKTを着込むのが俺の流儀だ。サムライは常在戦場である。 |
”お車及びオートバイのお客様にご連絡いたします。当船はまもなく苫小牧港に着岸いたします。各デッキの方へご移動願います” 山行用のザックを背負い、意気揚々とEデッキに向かう北のサムライの姿が、この夏も映えている? 本当は、少し小雨で、やる気というかパワーが落ちている筆者かもしれない? 道南にかつて経験したことない大雨って? スロープを越えると体にパラパラと雨があたっている。でもカッパを着るほどでもないか?いつもの駐車場で、いつものようにパッキングをし直していると大音量のミュージックを流しながら、ハーレーのオヤジが手を振りながら駆けていく。 筆者に手を振っているのかな?だったら止めて欲しい。浮かれているのはわかるけど、普通にダメダメな行為だし、仲間だと思われたくない。 さてパッキングをし直した筆者が向かうエリアは道南? いや、昨年、苫小牧でひとつだけやり残したことがある。そいつをリベンジしないとこの旅はスタートできない。 |
愛機ゼファーの調子は、この夏も絶好調だ。 これから向かう先は、昨年のラストの方の記事をお読みいただいた方はすぐわかると思う。 詳しくは次章で語りませう・・・ |
なんて、そんな大仰なことではござらぬが、筆者としては何年も前から気になっていたことを果たしておきたい。 お楽しみに! |