北海道ツーリング2012



後志




無人島のうっそうとした森







 7時40分起床。ぐっすりと寝た。というより普段の自分では考えられないぐらいの寝坊だ。布団を畳んで洗顔を済ませる。8時には村長から「ご飯ですよ」の声がかかった。

 焼魚がメインの日本の正しい朝食を食べる。ぼくとしてはめずらしくおかわりもした。なんか食欲がでてきた。

 9時には秘島ツアーに出発する。 
   羊蹄山が霞んで見えた。天候はいまいちだが、まあ雨になる心配はあるまい。今日も蒸し暑いけど。

 なんという野菜なのだろう。広大な畑が緑色に埋め尽くされていた。いかにも夏の北海道という感じがして眼が癒される。
 今朝も大きなヒマワリ畑を見つけたので、暫し撮影タイム。この時期、各所でヒマワリ畑が点在するがきちんとした目的があるそうだ。畑に毎年同じ作物を植え続けると土地が痩せてくる。そのための肥しとして何年かに一度ヒマワリ畑にする。事実、数日後にはヒマワリ畑はばっさりと伐採されていた。ヒマワリの身は、いずれ腐葉土として土地を肥えさせていくのだろう。  
   不思議なチャリダー発見?なにが不思議かというと、なぜか買い物カゴを左側につけて走行していた。どういう目的があるのだろう。でも以前の北海道の旅って、こういうユニークな人がたくさんいた。たとえばリヤカーを引きながら旅する人たちを目撃したこともあった。
 真狩村の人気のベーカリー”JIN”に立ち寄る。

 JINですと・・・

「センセ、アンドウナツはできたがぜよ?」

 ドラマJINに登場する龍馬のモノマネが、最近のぼくの新作なのだ。
 
   建物もとてもお洒落だった。毎朝焼くご主人のパンを奥さんが販売されている。

 その美味さが口コミで評判になり、場所的にわかりづらいのだが、お客が殺到して午前中には完売してしまうそうである。超パン好きの家人を連れてきたら涙を流して喜びそう。
 無人島でとる昼食用にクロワッサンとチーズのパンを購入した。

 ただ、あまりにもホッカホッカで美味しそうだったので、車中でクロワッサンはパクリと食べてしまう。

 まっこと、美味すぎるぜよ。
 
   無人島とはあの島だ。もうおわかりの方も多いと思う。観光船で上陸できるのは知っていたが、一周できる散策路があるのは知らなかった。とにかくいつも見ている島、近い島なんだけど、遠い島でもある。
 まあ、バレバレなのだが無人島に上陸を果たした。意外に多くの観光客が島を訪れていたが、さすがに一周歩こうという人たちは稀であった。

 でも夕方の最終便を逃すと本当に無人となり、翌日まで取り残されることになるので注意が必要だ。
 
    遊歩道にはウッドチップが敷き詰められとても歩き易い(最初の方だけは)

 この島の1周は7.6キロあり、3時間以上はかかったけど、よいハイキングコースだと思う。
 ひたすら歩いて行くと、どんどん森が深くなってくる。すると鹿が。この島に鹿は存在しなかったのだが、1957年以降持ち込んだ人がいて、以後、爆発的に増えた。そして、この島固有の生態系に悪影響を及ぼしているといわれている。シカたないなあ。  
   ”大平原”と呼ばれる広大な草原で昼食をとった。 もちろん今朝ほど購入したJINのチーズのパンである。いや〜、ビールと一緒に食べると実に美味いのだ(おい!)

 無人島なのに、なぜか遠くの方で作業をしている人の姿が見えた。本当は原住民が存在してたりして?
  ”巨木”の看板がしきりにあるのだがどこなのだろう。ずっと気にしながら歩いていると高さ31メートルのアカエゾマツを発見。ところが、2004年の台風ですでに倒木と化していた。まっこと残念ぜよ。ネットで保護された苗木をいくつか確認した。多分、鹿の害を防ぐためと思われる。  
    延々と歩きようやく沿岸部到達。しかし、なぜか水着ギャルがいた。どうやらモーターボートで島にわたってきたグループらしい。

 ここで暫し小休止した。しかし、本当に暑い。一緒に泳ぎたいぐらいなのだが、海パンを持参していないので諦める。なんか無念なり。
 昭和新山が綺麗に見えてきた頃、ようやくゴール。炎天下の中、意外に長時間歩き、いい汗をかいた。帰りの遊覧船の中で飲んだ生ビールの美味いのなんにのって(おい!)

 秘島から戻った後は、某万世閣という超有名温泉ホテルで入浴(観光船と温泉券がセット)する。ここも実に素晴らしいお風呂であった。 
 
   帰りがけ、見晴らしのよい丘で暫し休憩。さすが村長さんだ。こういう絶景ポイントをよくご存じだ。

 というより、なんだこの楽しさは。久々に腹の底から笑った気がする。旅に出た時ぐらいは、大いに笑うべきだと思った。
 先ほどまで歩いていた某無人島。いつも眺めてばかりだったのに、まさか一周歩くとは夢にも思わなかった。

 昔はアイヌの人々が住んでいたとか、義経伝説とかあり奥の深い島だと改めて思うなり。

 とにかく貴重な体験をさせてもらった。
 
 宿に戻り、夕食後の宴会となる。今宵も美味しいワインに舌鼓を打った。ところで、明日の予定は「神仙沼」と「鏡沼」散策という発表があった。神仙沼か。是非、一度いきたいと熱望していた筆者だ。ということで、なんの躊躇いもなく延泊を申し込む。

 アウトドア好きな人間の心を揺さぶるような企画が目白押しだ。なんだか胸がいっぱいで眠れなくなった熱帯夜のニセコであった。

 無人島ツアー 制作:ニセコアンビシャス




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