北海道ツーリング2012
後志
道道106抜海あたり
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「ゴロウさん、うちの子供たちと一緒に写真を撮ってあげてください」 昨夜の北の国からファンのおかあさんから依頼される。 『了解しました。いい魔除けになりますよ』 なんだか照れますなあ。 「ゴロウさんが来てくれて、後半1週間はとても楽しかったです」 ノブロウさんが、いい笑顔で握手してくれた。 『寂しくなったら、いつでも富良野に帰ってこい』 「そんなこと言われると本当に寂しくなるじゃないですか」 くっしーさんが呟いている。 本日のツアー、ライオンの滝へ向けて出発していく。 マスミさん、フクヤマさん、オクヌキさん、ファミリーの皆様、そして数日後には帰ってくるけど村長さん、大変お世話になりありがとうございました。 見送りを終え、ぼくも愛機にパッキングを始める。こんなに荷物を抱えて、キャンプしないというのもなんだが、本日もこの流れで、サロベツの旅宿さんにお世話になることにした。 「あら、本当にライダーさんに戻りましたね」 ライダージャケットのぼくの姿を見て、ユミさんは驚かれていた。 『お世話になりました。それでは行ってきます』 「いってらっしゃい」 ゼファーをアクセルをあげるも、ぜんぜん吹けないぞ。それもそうか、1週間以上放置していたのだから、ゼファーも拗ねるわけだ。ハンクラで騙すようにして、ようやく道路へと乗り出すことができた。 走りだして暫くすると、次第に愛機はもとの吹きあがりを見せるようになった。 とりあえず小樽方面に向かおう。後は流れで北上し、オロロンラインから抜海まで到達する予定だ。 ところが、小樽に入るやお盆末期の大渋滞でえらいことになっている。夕方までサロベツまで辿りつくなど到底不可能な現実であった。 こういう場合は、ちと邪道だが札樽自動車道と道央自動車道(つまり高速道路)を使って一気に道北へワープするがよろし。 歳をとってくると、こういう老獪さばかり働くようになるのお〜 高速道を延々と走り深川西ICで降りた。なんだか天気がイマイチな中、留萌へ抜け一気にオロロンラインを北上した。この時点で16時ぐらいになっていたと思う。 宿の食事は18時半からといっていたけど、間に合うかしら。やや湿度が高くてベトベトする下サロベツをどんどん北上していった。 |
苫前を過ぎ羽幌に入る。何年か前、冬の旅で宗谷岬を目指したとき、札幌のジイサンさんがバスの中で絶叫したのを思い出す。 「ペンギンだよ〜」 オロロン鳥のモニュメントをペンギンと勘違いされていた。 もう、笑いをこらえるのが必死で・・・ |
サロベツ原野PAで休憩。ほとんど人気がなかった。 落陽の中、雲が多いが利尻山が見える。この山を拝むと栄養剤を飲んだように力が湧いてくる。 |
オトンルイ風力発電所も見える。またずいぶん数が増えた。でもほとんど動いてないように見える風車が目立つは気のせいだろうか。 でもコンコンチキの原発に比べたら、遥かにマシなので頑張ってください。 |
18時過ぎ、ようやく抜海のバッカスさんという宿に到着する。少し、行き過ぎて引き返したのは内緒だ。今夜の夕食は、宿で年に何度かのBBQであった。 オーナーさんは親切な方で、愛機を倉庫の中へ誘導していただく。 |
ちょうど夕陽が海に消えるシーンだったので、海岸まで皆さんと撮影しにいった。 日本海に沈む夕陽って絵になる。 そういう場面に今まで幾度となく出くわしてきた。 |
夕陽が沈んでからも、雲が焼けている状態が続いていた。 思えば本日のライディングは、ずっと夕陽を追いかけながら走り続けていたような気がした。昔のフォークソングで”夕陽を追いかけて”という曲があった。と、ぼくの話はいつも昭和なのだ。 |
そしてBBQ再開。魚、貝、ジンギスカン、ホルモン、とにかくたくさんのご馳走をいただいた。 お客さんは場所柄、礼文島から島抜けしてきた方が多い。 礼文かあ、もう10年近く行ってないなあ。来年にはいってみようかしらん。 |
夕食後は室内で宴会。さすがバッカス(酒神)という宿名は伊達じゃない。凄い量のアルコール。 遅くまで楽しい話題で盛り上がりました。そして本日とりつかれたように8時間もマシンのハンドルを握り続けたぼくは完全にグロッキー、あっという間に爆睡した。 |
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『どうもお世話になりました』 美味しい朝食を頂戴し、スロットルをあげる。 途中、なんと綺麗な利尻山でしょう。思わずうっとりとシャッターを切る筆者でござった。 |
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2011年の正月以来の稚内防波ドーム、久々に再訪したぞ。 いつ来ても芸術的なたたずまいだと思う。筆者が若い頃に旅したギリシャの建造物に酷似しているのです。 |
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稚内駅は、こんな風に近代的な建物に変わり果ててしまった。 いや、綺麗な方が世の趨勢なのかもしれないが筆者の大好きだった駅の立ち食い蕎麦ぐらいは残して欲しかった。 |
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というわけで”ラーメンたからや”という店で醤油ラーメンを食べる。 懐かしすぎる味だった。これだよ子供のころに食べていたラーメンはというお味です。 珍しくスープまで飲み干してしまった。 |
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ラーメン完食後、まあ定番の宗谷岬に向かった。 そこそこに混雑していて、いつものように”宗谷の岬”の曲がエンドレスに流れているのが、ぼくの学生時代から変わらぬ正しい姿だ。 |
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宗谷岬から”さるふつ公園”まで、一気に走り、道の駅で購入したアイスクリームなどをほおばっていた。 そして、重大な失敗に気づいた・・・ |
ぼくの若い頃は確かに頑健だった。でも近頃は、寄る年波に勝てず、ある生活習慣病の薬を毎朝飲んでいる。というより飲まないとだめなんです。 その薬をウエストバックのネットにひっかけていたんだが・・・ 稚内周辺のどっかで落としてしまいました! どうしませう。 とにかく家人にTELする。 「あなた、なにやってんの。その薬は医師の処方箋が必要だから直接薬局で買えないのよ」 『マジっすか?』 もう、金曜の午後だ。 土日を挟んで月曜まで、薬は手に入らんぜよ。 諸悪の根源・ やっちまった・・・ |