北海道ツーリング2005前編
和琴湖畔キャンプ場
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雨の中、水しぶきをあげながらR241を走った。十勝平野の雲は低く垂れ込め、強くはないが雨は断続的に降っており、止む気配はまったくない。 ちなみに今回の防水装備を挙げてみよう。カッパ上下はモンベル製だ。ゴア使用で通気性に優れている。シューズは最初から革の登山靴を履いてきた。もちろん防水性に優れているのは言うまでもないが、意外とバイクとの相性がよい。膝下にはスパッツもつけた。これにより靴の上部からの雨水の浸入を防ぐことができる。つまり完全山装備。投資した資金も半端じゃない。というより、このツーリングの大前提が知床岬踏破なので、こういう結果になったのだ。 装備がしっかりしていれば雨でも快適?いや、そこまでは言わないが、それほど労せずツーリングが可能だ。 十勝の変化のない牧草地帯を延々と走るとやがて足寄に入る。大阪屋食堂で焼肉を食べたいが、まだお昼までは時間がある。開店していないだろう。足寄峠を抜けると阿寒湖が見えてくるも閑散としている。そして阿寒湖横断道路は霧だった。しかし徐々に雨はあがりつつあり薄日が差してきた。 |
道の駅摩周温泉までもうすぐだ。慌てることはない。煙草を吸いたくなったので、放牧地で牛を見ながら一服した。しかし、午前だけで結構走った。関節を伸ばしながら大きくのびをし、携帯灰皿へ灰を落としていると、一台、また一台とファミリーカーが停車し、親子連れが次々に下りてきて写真を撮っている。 おいおい、こんな光景どこでもあるだろう。やがてたくさんの人だかりが出来てきたので、驚愕しながら撤収。なんなんだ?これは? |
お昼にしよう。道の駅摩周温泉少し手前の「摩周壱番館」に入ってみた。ランチタイム1400円で食べ放題。 メニューは、サガリ・カルビ・牛ホルモン・牛心・牛肝・ラムモモ・ラムジンギスカン・豚ロース・豚肩ロース・豚バラ・豚舌・トントロ・若とりモモ・若とり心・砂肝・ラーメン・ご飯・カレー・キムチ・野菜サラダ・スープ餃子・・・ |
凄い。もちろん全部は喰えるワケなどない。残した場合、2倍の請求になるので、少しずつオーダーしよう。 とりあえず、サガリ・カルビ・ホルモン・トントロをオーダーした。 いただきまあ〜す。 |
最初は勢いよく食べたが、だんだん苦しくなってきた。そのわりにビールが飲みたい。4皿目のトントロを食べ終えたときに力尽きた。これ以上は喰えん。 若者よ。弟子屈に来たら摩周壱番館で、ぶっ倒れるまで肉を喰らえ! 本当に超満腹。腹を抱えながらマシンに跨り和琴に向かう。苦しい。 腹をガプガプいわせながら和琴到着。ちょうどオーナーのおじさんとすれ違う。 「おう、今年も来たのかい。ゆっくりしていきな」 にこにこしながら言っていた。 『よろしくね』 俺も焼き肉臭い口(多分)で応えた。 このキャンプ場はライダーサイトとファミリーサイトに分かれている。マシンを静かに走らせファミリーサイトを通過し、ライダーサイトへ停車させた。 そしてさっそくテントの設営を開始し、完了する頃、 「テントを後ろに張らせてもらっていいですか」 若いライダーが声をかけてきた。 『どうぞ』 俺は言葉少なに応えると明らかに俺の面構えを見てビビっている様子だ。 失礼だなあ。こんなに優しい顔をしているのになんで俺を見て怯えてんの・・・ と言おうと思ったが面倒だから止めた。若者も隣のチャリダーと話をし始めたようだし。どうやら、シリエトク縦走が確実に近づいているので、岬だけに集中したいという強烈なオーラが出始めているらしい。 |
さて、テントを張り終えたら雨具等を干す作業。キャンプツーリングって結構やることが多いんだよね。 ようやくひと段落したので、温泉へ行こう。観光客だらけの露天風呂に入る勇気はないので、奥の公衆浴場へ向かった。相変わらずカラスが多いのが和琴の玉に瑕だ。 公衆浴場は誰も居ない。なぜなら熱過ぎて入れないからだ。俺は絶叫しつつ熱湯を浴びて汗を流した。 |
風呂から戻ると急に夏の陽射しが戻ってきた。かなり暑い。めまぐるしく天候が変わるな。タープを日よけにラジオを聴きながらボーっとしていた。 次第に日が傾きかけ、湖畔に夕陽が映えるようになってくる。和琴の夕焼けはいつ見ても本当に綺麗だ。それがこのページ冒頭の画像である。 さらに凄いことは、毎日その姿を大きく変えることだ。まさに和琴半島七変化。そういえば「大和なでしこ七変化」なんて歌もあったな←かなり古い。 |
こんなに優しい顔なのよ |
ユニセラのCGmini |
どっぷりと陽が落ちた。飯にするか。売店で炭を購入して火を熾す。今回、重過ぎる焚き火台に代わり持参したCGminiを取り出した。コンパクトでなかなか使い勝手がいい。そして大好物のセイコマの塩ホルモンを炙る。しかし、あれだけお昼に肉を食べたのにまた肉を焼く俺もなんなんだろう?でもこれが美味いんだなあ。 ビールをガブガブ飲みながらホルモンをつまんだ。今宵もしたたかに酔いがまわってきたぞ。 |
さっきの若者に声をかけられた俺の左右のテントのライダー達は飲みながら歓談している。やはり俺に怯えているらしく避けているようだ。俺は、そんなに怖い人じゃないんだけどなあ。でもひとりだけ取り残されるのもなんだかな。まあいいけど。 ランタンの優しい灯りに照らされながら、ビールから焼酎に替えた頃、雨が降ってきたので、テントの中に入って安らかに快眠・・・ のつもりが・・・ |
和琴に雷鳴が響いた。そして集中豪雨。テントにバタバタと雨があたっている。それでも俺はシュラフにくるまりながらウトウトしていた。 すると・・・ 俺の顔にビチャビチャと水があたる。まさに寝耳に水。なんじゃこれは?ヘッドライトを照らし、天井の部分を確認すると前室とのつなぎ目あたりから雨水がダダ漏れ。 トホホ・・・ 暫くすると豪雨も収まったが、もうシュラフもグチャグチャ。タオルでテント内を拭きまくり、シュラフカバーをかぶって寝直したが、今度は蒸れ蒸れ地獄となれりけり。 こんなことばっかし。 北野滅亡まで、あと6日。 もとい・・・ 知床岬突入まで、あと6日。 |