北海道ツーリング2004



北炎




穂別キャンプ場より撤収(画像:ATOM氏)







「な、何時だ?」
 かなり爆睡したと思う。

 え〜と時計、時計はどこだ。散乱しているテントのなかを物色し、シュラフの下に隠れていた時計を見つけ時刻を確認した。5時過ぎか。ずいぶん明るいな。

 ジッパーを開け外へ出ると
「眩しい・・・」
 今日も朝から激しい陽射しだ。

ATOM氏
 外へ出るとテントサイトは寝静まっている。みんな夕べは遅くまで飲んだのかな?俺はまったく不快感がないことから、たぶん早くに寝たのだろう(夕べの記憶がとんでるし)

「おはようございます」
 おや、俺より朝が早い人がいる。ATOMさんだった。この人はきちんとした人だ。ヨッパライダーの俺と違い常にさわやかな風韻を帯びている。

 そして旅団のかねやん氏やコバヤシ氏も起き出してきた。

 そして、俺はついに見た。

画像:AO氏
 参天・・・

 まさに揃い踏み。この時点で快速旅団にストックされている参天三種類が結集。

 団長さんのは大型5畳。中で宴会が出来る広さ。コバヤシさんのは中型4畳。そしていつの間にかラッシャーまで参天を手に入れていた。小型で3.5畳。いいなあ。かなり欲しいぞ。
 おふたりからシェルターの優位性について詳しい説明を受ける。雨や風にも強いし、なにより撤収の早さが魅力らしい。

 撤収・・・

 俺が不器用なのかもしれない。いや確かに要領が悪いのは自認している。俺は、はっきり言ってキャンプの後の撤収に時間がかかり過ぎだ。朝飯を含めると普通に2時間とかかかるし。

コットに腰かけるコバヤシ氏
 参天だけの撤収なら秒殺も可能になり得るかも知れねえ。なにせポール1本だし。またコット(簡易ベッド)。こいつも見事なり。これならエアーマットもいらないし、椅子代わりにもなる。昼寝にも便利だろう。

 コバヤシ氏は、釧路方面にツーリングへ行く予定があるらしく早出されていった。どうもお世話になりました。(この時点では昨夜の狂宴の事実は知らないけど)ヨッパライダーで、たいへん失礼しました。これに懲りずまた永久ライダーオフに参加されてください。

 団長氏の後姿。Tシャツには難しい四文字熟語が。

 恵迪辿行?
「迪(みち)を恵(たず)ねて辿り行く」

 北大の寮歌の一節とのこと。なんでも学生時代の有志で作成したらしい。

 野球好きな団長氏は、どうしても高校野球甲子園大会の開会式をTV観戦したいそうで、これにて撤収だ(本当はプラカードギャルに好みの娘が居たとか居ないとか?)
 とにかく後で夕張の旅団へ寄らせてもらうね。参天とかもっと見たいし、快速丼も久々に食べたい。

 AOさん、MAOさん、IWAさんも起き出してきた。そしてみんな朝食の準備をしている頃、学生組のラッシャーとまつも眠そうな眼をこすりながらテントから這い出して来る。

 みんな本当に疲れている様子だが夕べなにが遭ったの?

 誰もが昨夜の出来事に触れるのをタブー視しているようだ。なにごともなかったかのように健全な笑い声が穂別キャンプ場へこだましていた。

 最年長のAOさんが
「夕べは団長さんやキタノさんを始め、みんな酔っ払い過ぎ」
 とニヤニヤしている。
『え?なにが遭ったの?AOさん』
 AOさんは、ただ微笑んでいるのみだった。後日、真相を知って、とても正確な描写はできないと確信した。去年の日勝オフも翌日はなかなか事実を教えてくれずに笑っていたが。

 しかし、記憶がないっておめでたい性格だとつくづく思う。逆に旅のストーリーは酔ってさえなければ抜群の記憶力で描けるのも俺なんだ。もちろん旅の途中で一切記録もしない。

 ATOMさんが食事を作り出した。本当に道具持ちだなあ・・・

 俺は面倒くさいし、食欲もないんで、ただボーってしていた。

 するとATOMさんが・・・
「スープカレーをどうぞ」
 と札幌で流行のインスタントスープカレーを頂戴する。
さらにグリルカレーサンドも頂いた。

 すいません。ご馳走になりっぱなしで。次は必ず手料理でお返ししますね。

 ふと横にいるまつを見ると(驚)

 まっ、まつ、おまえの食欲はなんだ?

まつ
 大型フライパンに卵5個ぶちこんで、ダブル麺投入。永谷園のチャーハンの素を入れた凄まじい料理を作っていた。

 おっ、おまえ永谷園へ謝りたまえ。

 でも永谷園がどうであろうと俺は赦す。フライパン一杯の怪しい料理を完食したことは北の大地にさん然と輝く偉業だと思う(実は去年も和琴で同じことをしていたけど)
 朝食の最中、何気にラッシャーが出したものは・・・

 ダッチオーブンじゃねえか。なんか凄いぞ。
「いや〜、昨年、道楽館に泊まって以来ハマっちゃて、ダッチオーブンに」
『そっか、来年は上富良野のソットーさん(上富良野道楽館)のもとで、ダッチオーブンの修行をしような』

 さらにラッシャーは、旅団の1発着火のサバイバルストーブ(A&F社製)を出してきた。おまえは旅団の回し者か?

ダッチオーブン

川で泳ぐラッシャー
 とにかく暑い。

 穂別キャンプ場には、綺麗な天然の川がある。海パン持参の俺は躊躇わず飛び込んだ。

 ひえ〜、マジで冷た過ぎるぞ。でも気温が高いから気持ちがいい。続いてラッシャーも乱入。

 ほんと酷暑な夏のオアシスだった。
『おまえらが喰わなきゃ、捨てるしかねえか』
 俺が昨日の残りのジンギスカンの話をすると・・・

「もったいない。食べますよ」
 とラッシャーとまつの声。彼らはAOさんに炭を立ててもらい、なんと食後に昨日の残りのジンギスカン1.5キロを完食した。もう、なにも言うまい。脱帽です。よくやった!

 さて、そろそろ撤収の時間かな。まったりとみんなで談笑しながら撮影などをしていると矢のように時間が過ぎていく。

 って、もう記憶ではお昼も近いんですけど。

 まあ、本章はこのあたりにて筆を置きます。

 次回をお楽しみに!

 いよいよ最終章かな?




オフはつづく



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