北海道ツーリング2004



北炎




さらば北の大地(画像:旅団)




ラッシャーのカブ(画像:AO氏)
『うっ凄い荷物』
 なにこのラッシャーの荷物の量。ケースが三段に重ねてあるぞ。昨年以上に過積載になっていた。
「これで林道に入るとバランスをとるのが難しいんですよ」
 そりゃそうだわなあ。重心がほとんどリアにいっちまうだろう。

 でも去年もそうだったが、これに乗って旅すれば、どこへ行ってもヒーローだろうな。
 まつの方も例のメイド・イン・タイのドリーム125(エンジンはカブらしい?)に莫大な荷物をパッキングし終わったようだ。

 おっと俺自身の撤収やパッキングがまだ終わってねえんだ。汗をダラダラかきながら慌てて作業したが、なかなか終わらない。

まつのカブ(画像:AO氏)
 この撤収の遅さ、困ったもんだ。やはり旅団で参天を購入するしかねえか。

 ようやくゼファーへのパッキングが完了。みなさんお待たせしました。最後はパーキングで集合写真を撮影しましょう。

 次々に川の中洲にあるオートサイトから撤収し、マシンがパーキングへ集結して行った。

解散時の集合写真
 なごりは尽きないが、デジカメで記念写真を撮影。

 そして、主宰者である北野がEOC(エロ・オヤジ・キャンプ)・・・

 もとい!!

 永久ライダー・オフ・キャンプ2004の閉会を宣言する。
「解散・・・・」

 さて、AOさん、IWAさん、MAOさん、キタノの4人はとにかく日帰り温泉施設「ゆうばりユーパロの湯」でさっぱりすることにした。

 ATOMさんは旅団に直行するそうだ。ラッシャーとまつは菅野温泉の奥にある鹿の湯キャンプ場へ向かうとのこと。あのキャンプ場は天然露天風呂がついていていいぞ。

 皆さん、お達者で。また来年会いましょう。さらば穂別キャンプ場。

 本当に尋常じゃない暑さの中、4機のマシンはR274のローリングをクリヤーしながら縦隊で走る。夕張に入り、「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」付近を通過、しばらくして右折、ユーパロが見えてきた。

 強烈な日差しのなか、汗を拭いながら施設に入った。クーラーが心地よし。入浴券を受付のおねえさんへ渡し温泉に入る。ジャグジーとか充実したとてもいい湯だ。ツーリングの締めは北海道ツーリングでも温泉がいい。

 露天風呂へIWAさんとMAOさんと一緒に浸かる。ただし日陰じゃないと熱中症になりそうだぜ。

 MAOさんが
「北野さんの腕の色が胴とまったく違いますね」
 と感心していた?

 今シーズンの俺は、特に精力的に家庭をほとんど顧みずツーリングをしまくっていた。つまりツーリング焼けだ。腕が黒、胴が白。スタジアムジャンパーのようになっていたのだ。

 さあて、しっかりと温泉を堪能したしあがるか。一服しに喫煙コーナーへ向かうと休憩所でAOさんが爆睡していた。

 実はAOさんとラッシャーはこの後(お盆あたり)、知床で盟友コマンダー氏や有名な?混浴ライダー・ミヤタと合流する。そして道なき道やいくつかの強烈な崖くだりの難所をいくつかクリアし、さらにヒグマがウヨウヨの中、テン泊2日かけないと辿り着けない人跡未踏の地「知床岬」を踏破するという快挙を成し遂げた。

 俺も行きたいというか、ほとんど悲願にしていたのが知床岬踏破だった。今回は休みが合わず合流できなかったが、いつの日か第2次知床探検隊が結成されたときは万難を排しても参加するつもりだ。

 ということでユーパロを出発。北野はここで重大なミスを犯していた。洗面道具一式が入ったバックを忘れてしまったのだ。結構愛着があったので先刻の受付のおねえさんに着払いで送ってもらうようにフェリーから携帯でお願いした。

 そこまではいいんだが・・・
 
 快速旅団へ到着。

 もう心は参天購入を決めていた。問題はサイズだ。どれがいいのか。昨日、団長氏が持参したものはでか過ぎる気がする。

 まあ、とりあえず快速丼を食べよう。みんなで頼んだ。1年ぶりの快速丼はとても美味い。空腹だったのでほとんど一気で完食。
 団長氏や幹事長さん、居合わせたお客さんの意見を総合し、コバヤシさんが使用していた参天(Hex3)+コットに決定した。

 ついに俺も参天’erか。次のキャンプが楽しみだな。

 でも、総合的には本格的な野営で、さまざまなシチュエーションに対応したテントに勝るものはないと翌年には気づいていたのは秘密だ。

 団長さんや幹事長さんが今朝、いつもより遅く店を開けると既に待っていたお客さんが2人居たそうだ。そして、オフの後だから旅団の開店が遅れると思っていた。「穂別オフ」に参加したかったと言っていたらしい。誰だろう?(以前,BBSに投稿してくれた東京のMakisyoさんと後日判明)

 幹事長さんが
「店に貼ってある永久ライダーステッカーを見て『キタノさんも来るんですか』というお客さんも結構いるんですよ」
 と言っていた。

 しかし、お客さんが減らないといいけど。まあ、いい魔除けにはなると思う(永久ライダーステッカーが)

 団長氏が
「キタノさんはネットでは凄まじい暴力性を秘めた怖い人というイメージが強いからね。会ってみるとただの普通のおっさんなんですけど」
 いみじくも言っていた。

 おいおい。俺は日常でも理に反することや姑息な人間(近年うんざりするほど見ている)は大嫌いだし、怒ることもあるが、本当は穏やかな野獣なんだ。でも音更のAKIYAさんあたりは暫く俺とキタノが別人だと信じきっていたようだし(笑)

 まあ、北野の存在は永遠の謎ということだな。今の世に絶対に迎合しない男だ(ただのヨッパライダーかも)。知りたければ会ってみること。一緒にキャンプすることだ。ただし濃いキャンプだぜ(爆)

 ついでだが「本当にあの文章描いている人ですか?」という発言も多いもんで、この場でレスさせていただく。

 読み物と俺本人のギャップも大き過ぎるのだろう。ヨッパライダーは認めるが、このサイトの文章は読者投稿作品以外、すべてキタノひとりが描いたものだ。俺しか絶対に描けないだろう。

 なぜなら全部キタノの体験談が「永久ライダーの軌跡」なのだから。

 さて、そろそろ時間だ。苫小牧港に向かわないと。団長さんから苫小牧までの最短ルートを聴いて外へ出た。 

画像提供:快速旅団
 左から、AOさん、MAOさん、俺、IWAさんの順に腰かけて記念撮影。

『どうもお世話になりました』
 と言いながらマシンに跨った。

 IWAさんやMAOさんは本当に寂しそうな顔をしていた。
「北野さん、お盆休みにももう一度、北海道に来てくださいよ」
 来たいけど残念ながらそれは無理だ。

 みんなお元気で。

 さらば北の仲間たちよ。

 そして旅でお世話になったすべての皆様、本当にありがとう。

 参天を手に入れたキタノは、また違った旅のスタイルで北の大地へ帰って来るだろう。

 この作品を描いている今この瞬間にも目を閉じれば、すぐ屈斜路湖の炎のような夕陽が脳裏に浮かんでくる。



 方丈記 鴨長明

「行く川の流れ」より

 行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまるためしなし。世の中にある人と栖(すみか)と、またかくのごとし。

 朝に死に夕べに生まるる習ひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人いづ方より来たりて、いづ方へ去る。

 あるいは露落ちて、花残れり。残るといへども、朝陽に枯れぬ。あるいは花しぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、夕べを待つことなし。




FIN



PS.

 無事、北海道ツーリングから帰還して日常へ復帰した。

 そんなある日、着払いでユーパロから例の洗面道具一式の入ったバックが送付されてきた。送り状には綺麗で実に丁寧な女の人の筆跡で書かれている。

 妻がそれを見て・・・
「あなた、北海道を毎年旅しているのは、あっちに女が居るわけ。女と温泉旅行していたの。このエロオヤジ。信じられない・・・」
 激怒していた(恐)
『確かにEOC(エロ・オヤジ・キャンプ)は決行したけど。野郎ばっかの宴会だし。誤解だ』

 もう収拾が着かない・・・

 AOさん、IWAさん、みんなあ〜、ドラえもん。助けてえ〜

 誰か俺の旅の身の潔白を証明してくれ・・・

 キタノは怖いイメージどころか、家では女房から尻に敷かれっぱなしの最低に弱い男であったのだ。

 実に情けない。



記事 北野一機



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