北海道ツーリング2004



北炎




和琴半島の夕焼け







 気温がぐんぐん上がってきた。とにかく暑い。

 琵琶瀬展望台からの霧多布湿原の眺望は相変わらず見事だ。琵琶瀬川の蛇行が前回より増して綺麗に浮かんでいた。
 売店で生牡蠣を食べ有名な小松牛乳を飲む。レモンをキュッと絞って食べる牡蠣の美味さといったらたまんねえ。

 売店のおばちゃんから牡蠣の佃煮も土産に勧められたが丁重にお断りした。なんでも今年はお客がとても少ないそうだ。
 琵琶瀬展望台には馬が放牧されていた。とても人懐こい連中だ。声をかけながら顎の下の方から手で撫でてやると非常に喜んでいた。

 オーナー?世話をしているおっさんが現れると馬たちが大騒ぎ。餌をもらえる時間帯なんだろう。女の子が食事中の馬にちょっかいをかけていた。食事中だけは危ないよ。
 霧多布岬に向け海岸沿いの道をダラダラと走っていた。本当に暑い日よりだった。

 途中、対向車から何度かパッシングされる。すわっ、レーダーだ。俺はとっさに60キロ巡航に切り替えたが先頭のクルマは80キロペースを崩さない。案の定、レーダーにやられていた。

 せっかく教えてもらってるのになんで徐行しなかったんか?理解に苦しむ。

 霧多布岬到着。 
 初めて晴れの霧多布を見た。ここに来たのは何度目だろう?エゾカンゾウっていう植物の群生やエトピリカという絶滅が危惧される鳥類の生息地である。知る人ぞ知る。

 とにかく、人間はこれ以上、無意味な開発はやめねえか。やめろ。そして知床岬みたいに悪徳代議士や官僚が業者と癒着した乱開発の末に世界遺産とかめでたいこと言い出すなよ。環境悪化はすべて観光客のせいに摩り替えて。

 ホ○タップ直営の売店はやはり閉鎖されていた。                          
 北太平洋シーサイドライン。オロロンラインに匹敵する素晴らしい道だ。起伏にとんだ海岸線の眺望に魅了されながら走るとやがて根室の落石へ。

 ここは北の国から’95秘密の舞台になった地であるが、実際の落石岬はほんのちょっと映ったかな?

 とにかく、まあ行ってみよう。しかしエライ歩く。
 暑い。とにかく暑いなかをひたすら歩いた。

 草原というかハラッパの中を歩いた。ここも原生林を切り開いてそのまんまなんだろうか。一応、木道周辺以外は立ち入り禁止になっているようだ。

 少し肩で息をするようになった頃、落石岬到着。先端部分がど派手に崩落していた。
 落石はアイヌ語で「オクチシ」。なんでも「うなじ」という意味らしい。

 灯台の内部には入らなかったが、かなり歴史があるらしい。明治25年開設とか。特に屋根の部分には歳月を感じさせる風見鶏みたいなものが取り付けられていた。

「蛍、いつでも富良野へ帰って来い」
 五郎のあの言葉には泣けた。心から。蛍もかけ戻って号泣してたっけ。
 根室駅前に入る。

 根室といえばエスカロップしょ。筍入りバターライスの上にとんかつが乗り、デミソースがかかる根室の謎の料理。今回はその元祖といわれるニューモンブランへ潜入取材。

「これから、どちらへ」
『はあ、屈斜路湖までだが』
「早く帰った方がいいですよ」
『なんで?これから雨でも降るんかい?』
 まだ15時くらいだ?
「・・・・・」 
 無視?がっちりとしたウェートレスのおねえさんは、ただ言ってみただけだったらしい。

 あっ、あのまったく意味もねえこと言わないように。そういうの苦手だし、とても理解に苦しむ?

 久々のエスカロップは確かに美味かった。でも画像を撮れる雰囲気でもないし、とても重苦しい感じなので早々に撤収。和琴に帰ろう。

 厚床〜別海〜弟子屈と交通量の少ないルートをアクセスするとあっという間に和琴に帰還できた。
 さて、酒でも飲むか。夕べの飲みかけの珈琲酎を出した。和琴の夕陽は毎日その姿を変える。ただただ夕方の光景だけを見ているだけで悦にひたれるのだ。

 しかし、今日は宿泊のライダーが増えてきたなあ。去年、札幌のAOさんのテントが悪天候で屈斜路湖の波をかぶったという地点まで次々とキャンパーが設営を始めている。

 とにかく炎のような素晴らしい夕陽だ。まさに北炎。
 ほろ酔い加減の頃、札幌のIWA氏登場。札幌からここに至るまで、かなりのドラマが遭ったらしい。

 彼はモデルガンを片手に金融機関に押し入って現金を強奪してきた。途中、検問などの大捜査網をすべて突破しながら。とうとうやっちまったか。たいていのことなら、ここ和琴で匿ってやるぜ(一部架空) 
 結構遅くまでIWAさんと再会を喜び合いながら飲んだ。しかし寝る前、体を暖めに露天風呂に行く途中でまたも吐いているしょうもないキタノの姿あり。

 ヤミアガリ決死隊・・・

 うっ、つまんないっスね。

 早く寝ませう。




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