第16章 満腹!和商市場



和商市場   


   細岡展望台


 さて、和琴キャンプ場を出発した俺は、まず釧路湿原の中でも有名な細岡展望台へ向かうことにした。

 天気もよく、体にあたる風がとても気持ちよい。道も空いているので順調にR391を駆け抜けた。途中、右手に「シラルトロ湖」、左手に「塘路湖」といった蒼の世界を満喫しているとすぐ「細岡展望台」の標識あり。右折し、狭い道をしばらく直進する。

 細岡展望台は湿原の特別保護地域を眼下に望み、「湿原大展望台」という呼び名もあるそうだ。広大な湿原の中を何本もの川が蛇行して流れているという。俺は、昨年、琵琶瀬展望台から霧多布湿原を眺めて、湿原の中を蛇行する琵琶瀬川に痛く感動した記憶がある。おそらく細岡展望台からなら、それ以上の眺望が楽しめること間違いなし。

 やがて釧路川が見えて来た。しかし連日の大雨で、かなり増水しているし酷い濁り方だ。 

釧路川
 日本最大の湿原、釧路湿原を流れる釧路川。周辺では特別天然記念物のタンチョウを始め、これまた日本最大の淡水魚イトウなどたくさんの貴重な動植物が生息する野生の楽園といえる。

 そういえば何年か前、このあたりまでゴムボートで川下りしたっけ。今では懐かしい暑い夏の日の遠い記憶だなあ←目が遠い
 釧路川の反対方向へ目をやると雑草に覆われた貨車、いや客車か?が放置されていた。

 何故?なんのためにこのようなところへ放置されているのか判らない。もしかして以前、ツーリングトレインをやっていたとか。まさかな。

朽ちかけた貨車

細岡展望台から
 意外に立派な駐車場に愛機を止め、階段、そして坂道をしばし昇った。

 そろそろかな、展望台。わくわくしながら歩いて、ようやく到着する。

 ところが・・・
 釧路川が増水し過ぎて、綺麗に蛇行してない。北西の方角に見えるはずの名峰雄阿寒岳や雌阿寒岳が雲が多くて見えない。

 もうガックリ。

 でも、まともな状態の釧路湿原をまた見に来てやると強く思うのであった。

 せっかくなので近くのビギナーズラウンジで、釧路湿原の写真などを見学(無料)して鬱憤を晴らしす。そしてコーヒーをゆっくり飲んで出発することにした。こうなったら和商市場で久々に食べまくるしかあるまい。

 釧路入りした。なんだかとっても久しぶりに大きな街に来たような気がするが。車の多さにかなり辟易した。そして釧路駅前の和商市場へ。

 和商市場は、北海道三大市場に数えられる。新鮮さを第一とする魚介類を始め青果・日用品など、80数店舗が市民の台所として軒を列ねている。とにかく観光客からも大人気のスポットだ。

 さあ〜、ここへ来たら、あれっしょ。そう、『勝手丼』だ。ご飯だけ買ってお好みのネタだけ乗せてもらう海鮮丼。なんか久しぶりだなあ〜。

 それ行け〜 


満腹!和商市場


 ここで注意。くれぐれも食べ切りサイズの刺身ばかり乗せてもらってはダメだ。あっという間に2千円台へ突入してしまうからである。イクラなら百グラム単位でゲット。ウニは木箱の半分と言って購入する。あと2,3品くらいは食べ切りサイズを購入して完成という攻略法をとるといいだろう。ウニ、イクラ、サーモン、イカ、トロの中オチあとなにか1つくらいつけて、1700円であがった。
ご飯やウニが見えない
 うーめー!!!美味い!旨い!

 ご飯がネタに負けちゃって、ご飯がなくなってもイクラがまだ残っている。和商市場、やっぱ最高だな。


和琴キャンプ場の夕陽



羅臼産高級ホッケ
 自分ばかり美味しい思いをするのも恐縮なんで、和琴キャンプ場で待機しているAOさんへ羅臼産ホッケを購入する。2尾買ったので、1尾は俺の酒の肴にするつもりだ。

 途中、雨にやられるなどのアクシデントもあったが、またも和琴は奇跡的に晴れていた。今日一日、洗濯などをして終始まったりしていたAOさんによると、一時的に雨は降ったがすぐにあがったのこと。
 さっそくAOさんの炭焼きコンロでホッケをあぶってもらう。しかし、羅臼のホッケは天下一品だ。脂ののりが全然違う。

 お見事。

 実に美味い!
 やがて陽が大きく傾き、美しい夕陽が眼前へと映し出されてきた。綺麗だ。本当に綺麗だ。ここの夕陽は、毎日違った顔を見せてくれるような気がする。

 今日は、津別峠付近の雲の切れ間から激しくも美しい輝きで湖を照らしている。雲の多さが絶妙のコントラストを醸し出しているのだ。

 夕陽にすっかり見入りながら杯を重ねることしばし。贅沢な瞬間である。

屈斜路湖の夕陽

一服するAO氏
 そして完全に陽が落ち、AOさんとホッケをつまみに酒を飲んだ。

 AOさんによると道東では、ここ和琴キャンプ場と網走の呼人浦キャンプ場は比較的天候が安定しているせいもあり、ライダーから人気が高いそうだ。しかし今回の台風10号では呼人浦キャンプ場で避難命令が出たらしい。俺も同じオホーツクのコムケにキャンプしていたかと思うと本当に恐ろしい。
 さて、考えてみれば明日は日勝キャンプオフだ。いろいろな旅人さん達とお会いできるだろう。そして、明日のキャンプ会(EOC)さえクリアすれば「怒涛の14日連続キャンプ」完遂ということになる。

 まだ油断はできないが、感慨無量だ。嬉しさ(自己満足だが)のあまりスイスイ酒を煽っているとベロベロに酔いがまわってきたぞ。ここは無理は絶対にできない。

 少し早いがAOさんに挨拶して先に休ませてもらうことにした。

 おやすみなさい!