第14話 日本最強のキャンプ場 8月15日(日) 天候 晴れ |
クルマの騒音で目覚める。北海道第二の都市、旭川駅前の宿で窓を全開にして寝ているのだから、騒音がうるさくて当然か。バイクに荷物を積むために駐車場に向かうとヨッシーの方は、既に準備が整っていた。 通称富良野国道を走って間もなく美瑛町に入った。シーズンオフだが道路の脇のあちこちに、まだまだ美しい遅咲きのラベンダー畑が広がっている。北海道内部の丘陵地帯は、大雪、十勝連山、日高山脈と夕張、幌内山地に囲まれているため、気候は盆地型に近い。 |
シャツ逆 |
中富良野の「ファーム富田」でバイクを停めた。ここはラベンダーのほかに、赤、白、ピンク色のポピーや、白いカスミ草、ハマナスなど10ヘクタールの敷地に約100種類の花々を栽培しているそうだ。残念ながら時期がずれているのと猛暑の影響でガイドブックに見る幻想的な風景と同じとは言い難い。でも僕なりに花を楽しんだ。 |
昼は、富良野スキー場近くのコーラカンパニーに入った。ここのオーナーは、イトーヨーカ堂に勤務している時、スーツ部門で全国トップセールス賞をとったり、世界中の有名なレストランで経営のノウハウを学んだり、レストランチェーンを経営し成功したりなど努力家で興味深い経歴を持った人だ。 | 入り口付近 |
コレクションがたくさん |
オーナーは、凝り性でスターウォーズのロボット(本物)やカーネルサンダーソン人形。バットマン。古きアメリカのゲーム機等々、かなりの量を収拾し店内に展示している。 うちの料理は、時間がかかるけど構わないかと訊いてきたので差し支えないと答えた。すると事細かに料理の説明をしてくれた。肉が食べたいので贅沢にステーキを頼んだが、肉類は熟成させたいから前日までに予約が必要だとか。 |
そこでお勧めのベジタブルステーキとシーフードパスタ風ヤキソバをオーダーした。まあお好み焼きと海鮮ヤキソバといった感じかな。ベジタブルステーキは相当な量の野菜を使用しているので健康にはかなり良いらしい。どっかの大学の先生の証明書もあった。手のこんだアイディア料理と言える。 男のわりに長時間、苦もなく待っている我々にオーナーは好感を持ってくれたらしい。他の客より、あきらかに気を配ってくれていることを感じた。 |
石の家 |
きょうは、道内でも屈指の人気の鳥沼公園キャンプ場にテントを設営することにした。キャンプ場では、早い時間にもかかわらず、すでにたくさんのテントが設営されていた。これは連泊者の多いキャンプ場だなと直感的に思った。テントを張り、麓合の森に向かった。 |
脚本家倉本聰氏が手がけたドラマ「北の国から」のロケ地になったところで、黒板五郎の石の家がそのままに保存されていた。近づくことはできず30メートルほど手前の木製展望台から見学できるだけにとどめられていた。やっぱり僕は俗物だ。でも結構このドラマ見てるんだよな。ウルウルしながらね。「ラーメン食べる時はね、水をたくさん飲むっしょ〜、お腹一杯になるよ〜」 |
続いて北海道のヘソの看板に行ってみた。盆地になっている富良野は、なるほど地図で見ると北海道のヘソ(中心点)みたいだ。 |
夕食は、カレーで評判の店「唯我独尊」に行くことにした。がっ・・・なかなか見つからない。カレーの匂いで探していくと駅の近くだが奥まったわかりずらい場所にあるのを発見。嗅覚まで研ぎ澄まされてきたようだ。古い木造の建物だが、木の切り株を使った手作りの椅子とテーブルなどこだわりが随所に見られる。手作りソーセージやカレーも同様。スパイスの調合から始めるカレーは、色がまっ黒だった。お勧めのソーセージカレーを賞味する。やみつきになる辛さが何ともいえなかった。ただ、ヘルパーの無駄話が多いことが少し気になった。 夕方、テントに戻り一息ついていると連泊組が次々に帰還してきた。掲示板にアルバイトの募集の用紙が結構貼ってあることから、彼らはここを基地にどこかで労働を終えてきたと推察する。手馴れた様子でコンクリートで囲まれた中央部のサークルの中で焚き火(焚き火ができるキャンプ場は今回初めて)を始め、ご飯の準備をしたり、お酒を飲み始めたり、まるで山賊の根城のような様相を帯びてきた。 サークルのコンクリートの上に座り一杯やっていると隣でやはり2人組のライダーが飲んでいた。いつの間にか彼らとすっかり息投合し歓談する。1人は僕と同じ年で、もう1人は彼の後輩とのことだった。稚内の人達でお盆休みを利用して道内を周っていると言っていた。 |