阿武隈高原彷徨いツー




福島市内某PAにてにて・・・



2021・12・04 阿武隈山中をゼファーで彷徨った記録



 安達太良連峰も吾妻連峰も栗子方面も完璧に雪雲に覆われている。

 先日は、朝のランニング中に雪が降り出した。もう、間もなく雪国”ふぐすま”になるのは確実である。ちと早いかも知れぬが、これも森羅万象ゆえ、やむを得まい。

 晴れ間が見えたのは、福島県南部の方角だ。本日は、晴れの一点を目指して阿武隈高原を南下しよう。まさに青天を衝け!

 R4バイパスを南下し、二本松から裏道に入った。ここから、本宮市の山間部へ突入する。旧白沢村の奥地を走行しているうちに迷う。しかし、道路標識ってぞんがいいい加減なものである。阿武隈高原山中を愛機と共にひたすら彷徨った。

 昨夜はいったん、このあたりで寝落ちしてしまい、翌朝、追記しています・・・

 多分、田村市船引町のどこかなのだろうが、まったく土地勘がないので、かなり迷うし、ナビはいかれて固まってしまった。

 「ここどこ?」、と言いながらも、『手づくり餃子の店』というのぼりを発見したので、ここで昼食にしよう・・・






 手づくり餃子の店  とみや(田村市船引町船引字鐙ヶ池1-1)

 とりあえず、ラーメンと餃子をオーダーした。こんな寒い日は、ラーメンに限る。暫し待つと熱々のラーメンが運ばれてきた。

 会津地鶏のあっさりだけどコクのあるスープ。醤油は、相馬の山形屋商店の本醸造特選醤油を使用しているそうだ。喜多方の製麺所から取り寄せた麵は、中細縮れで歯応えばっちりだ。まさに正統派喜多方ラーメンの味をしっかりと踏襲している。





 餃子は、皮がモチモチで肉汁たっぷりである。国産豚肉100%仕様だそうだ。地場野菜を使用し、毎日、手づくりしてしているという。本当に食べ応えばっちりだった。これぞ肉餃子という感じのスタイルだ。

「おにいさん、趣味とはいえ、寒い中、バイクで大変だねえ。卵ひとつサービスしておいたよ」
 いや、筆者はもう、おにいさんと呼ばれるわけがない、ただのオッサンなのだが?とにかくここのオバサンの親切さは過剰だった。寒いんだからゆっくりしていきなと食後のコーヒーまでご馳走になった。寒空の中の暖かい心配りは本当に身に染みた。ちょっと泣きそう。

 かなり迷走しつつあったが、これまた人の好さげな店主のオジサンがここをまっすぐ行けばR349にぶつかり、福島市内に出れるよと教えてくれた。

『ご馳走さまでした』
「おにいさん、お気をつけて!」

 いや、だから僕もオニイサンじゃなく、ただのオッサンです!

 けどね、本当に身も心も暖まった。

 今、何度なのだろう。本当にギリギリのツーリングだと思う。熱いラーメンでなんとか身体を解凍できたけど、もうすれ違うツーリングライダーの姿も見なかった。

 ようやく帰福し、いつものPAにて夕陽をバックに定点撮影をした(冒頭の画像です)。なんだか昨今、このパターンでのエンディングがあまりにも多過ぎねえか!

 まっ、いいかっ!

 終わりよければすべてよし!



FIN



番外編



またも阿武隈山中をさすらう



12月5日






 船引町まで、味噌ラーメンを食べに行った記録なのだが、実はもっと奥が深かったりした。これでは、昨日と同じルートだもの。

 本当はいわき方面へ出て、小名浜港周辺で海産物でも食べようかと画策していたのだが、考えが甘かった。かなり寒いし・・・

 それでもR4をバイパス快調に走り、二本松から山中へ。旧白沢村を抜け、郡山東ICから磐越道に乗った。天気は良いけど気温の低さは尋常じゃない。

 まあ、それでも順調に走行していたのだが、日陰というか山影のエリアに入るとなんと路面が凍結しているではないか。早朝に凍った路面が溶けないまま残っていたのだ。

 危ねえ。ブレーキは禁物だ。スピードを抑え、慎重に走行した。バイクで走行している者など皆無だ。四輪車は皆スタッドレスタイヤを装着して走っているのは間違いない。僕のマイカーだって既に冬タイヤに換えていた。

 僕の考えがアマゾン川でした。へたれな僕はそそくさとETC専用の田村ICあたりで磐越道を降りた。確かにいわき方面は温暖な気候である。でもいわきに抜ける前に山間部を通過しないといけない。そこをこの時期二輪車で突入しようなど無謀の極みでした。

 ICを降りるとすぐにR349。つまり昨日走行したルートと重複する。なんとも芸がないなあと思いつつ、船引町内に入る。

 天気はいいが相当寒い。昼食は美味しい味噌ラーメンで身体を温めるか。





麵屋中邑(田村市船引町船引四斗蒔田44-4)

 久々に訪れたが相変わらず行列のできている人気店である。まあ、それでもそんなに待たずにカウンター席につけた。





 オーダーしたのは、「こってり味噌ラーメン」だ。道産の味噌、道産の麵。確かマスターご自身も道産子だった気がする。トッピングでバターを投入してもらった。濃厚で辛味の効いたスープ。そこにバターが溶けて絶妙のハーモニーだ。

 麵は、縮れの太麺である。おそらく西山製麺かなあ~つるつるの歯応えである。お見事。まさしく札幌味噌ラーメンの味、そのものである。素直に美味しいです。





 トッピングでオーダーしたのは、鮭とイクラの「親子丼」だ。この分量で¥300とは、なんと良心的なプライスなのだろう。味噌ラーメンのスープを味わいながら、ワシワシと完食した。そして、超満腹となりました。大変美味しかったです。ご馳走様でした。

 腹もつくったし、出発するかあ。バイクから降りている分には、陽射しがとても暖かい日和なんだが、いったん走行し始めると身が凍る寒さに襲われる。





 このまま昨日と同じルートで、川俣町~福島市で帰還するのも味気ない。県道119へ左折して本宮市方面へ向かった。多分、人生初走行のルートだと思う。これぞ日本の原風景といった光景が各所に点在し、ちょっと、いやかなり感動的だった。冒頭の画像は、そのあたりで撮影した。

 で、いつものR4バイパスの大玉農村広場に出る。ちょうどよかった。ここの農産物直売所で、梅干しを2パックを購入する。大玉村で農業をされているおかあさん方の手造りの梅干しだ。焼酎の梅割りすると実に旨い。

 就中、コクブンさんとかキクチさんという方の漬ける梅干しが好みだ。しかし、僕はなんとオッサン丸出しのことよ。

 そして、↑のゼファーの画像を撮る。斜陽に輝く愛機の姿はとても美しい・・・

 自画自賛

 たまちゃんで、いつものように北海道小豆ソフトを食べようかとも考えたけど、流石に寒すぎたので缶コーヒーで暖を取った。

 さて、撤収するかあ!絶好調の愛機はセル一発でヨシムラサイクロンの快音を響かせ、R4バイパスを北上していく北のサムライの姿あり。



記事 北野酔眩



2022.1.3UP



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