灼熱の天童ツーリング



蔵王エコーラインにて

フルーツライン〜白石〜エコーライン〜天童市内〜上山〜七ヶ宿〜白石〜フルーツライン

2024.8.4



 この日は、久々にマスツーリング参戦させていただきます。目的地は山形県天童市である。なんでも旨くてボリュームがあってお安い、評判のお店があるそうだ。

 朝8時半にフルーツライン某所に集合である。参加者5台のはずが、リーダー格の社長さんのPCR1台のみ。なんでも先着していたCB氏のリヤブレーキの調子がよくないらしく、近くのN氏の自動車整備工場で修理しているとのこと。

 やがて、ZRXを駆るH氏登場。CB750の修理が完了したらしく、修理工場へ向かう。





 いざ出撃という段階で、N氏が筆者のゼファーのトップケースのフレームのボルトが経年劣化で1本折れていたのを発見。不幸中の幸いだったのは、こちらが修理工場でN氏に応急措置をしていただいたことだ。

 このままツーリングに出たら、途中でトップケースを道路に滑落させるところだった。いやあ、申し訳ない。どうりで昨日から、カタカタと異音と振動があったわけだ。

 というわけで、筆者の不注意というか、整備不良のせいで出発を後らせてしまう。

 とりあえず、朝から猛暑の中、フルーツラインを出発。まずはR4へ出て、宮城県白石市に入る。そして蔵王エコーラインを越えて山形県に突入するそうだ。

 エコーラインか。約1年ぶりだな。なかなか走り応えのあるワインディングである。

 熱い。いや暑い。頭がくらくらしてきた。気温が、どんどん上昇してきている。





 白石市のコンビニにて小休止。ここで、凍ったレモン水のボトルを購入した。

 これを肩から下げたホルダーに入れる。猛暑で溶けた冷たいレモン水を信号待ちのたびにボトルのキャップを開け、喉を潤すのだ。登山で学んだことはツーリングで活きる。

 やがて、R4から蔵王エコーラインライン方面に左折した.。

 蔵王エコーラインのワインディングは、まさに秀逸だった。もちろん若い頃とは違い、極端に飛ばすことはない。

 基本のスローインファーストアウトを楽しむ。

 ところが、標高が高くになるにつれ暗雲が・・・

 ポツリポツリと雨音はショパンのしるべ!





 順調にワインディングを堪能しながら高度を上げていく、しかし、先頭を走るリーダー格の社長の速度が凄い。

 PCR125ですよ。いろいろエンジンに手を加えておられるそうだが、125ccの世界ではないのだ。

 僕は2番手を走っているのだが、油断すると引き離されてしまう。

 やがて、雨音が激しくなってきて小さなPAで、カッパに着替えた。

 もちろん全員がツーリングライダーなので、雨具を持参していない人など皆無であった。





 エコーラインの小さなPAで、カッパに着替えたのだけれどもすぐに雨が上がってきた。 ツーリングライダーなら誰もが経験することだ。カッパを着ると雨がやみ、お天気がよくなってくる。いつもこんなもんなんです。

 なんて考えているうちにR13にぶつかり、天童市のある食堂へと向かう。

 食堂手前のGSで、全員が給油した。

 給油している途中、従業員のひとりが、
「ゼファー、カッコいいですね!」
と、ニコニコしながら話しかけられた。
いやあ〜、それほどでも

 確かにゼファーは格好いいかも知れぬが、僕がカッコイイわけではござらぬ。

 おっと、そんなことより・・・

 CB氏のマシンのセルが突然まわらなくなるハプニングがあったが、スタンドの器具を借りジャンプして切り抜け、すぐ近くの茂利多屋さんのPAに入った。

 ちなみにこちらの食堂が、昨今、TVで放映された超有名な店舗らしい。

 なんでも低料金で、ボリュームが凄まじいとか?

 しかしながら、もう体温越えの凄い暑さです。滝のように流れる汗を拭いながら店に向かった。





 とりあえず、席に着いてなにをオーダーしようかということになった。驚いたことに皆さんがオーダーしていたのは「カツ丼カレーライス」とか。中には大盛の食券を購入されて人もいる。皆さん、シニアなのに凄い食欲だった。

 すっかり落ちぶれた筆者なんか、そんなに食べれるわけなどないじゃん。最早、とんかつ大好きなキタノさんなど昔の話だ。

 僕がオーダーしたのは、山形名物「冷たいラーメン」でした。流石発祥の地だけあって、これがぞんがい旨かった。冷やし中華ではなく、普通の美味しい中華そばが、そのまま冷たいラーメンになっているのですよ。

 かなり食の細くなった僕でもほぼ完食。灼熱の昼にとても優しい一杯であった。





 さて、昼食をガッツリ系の天童市内の茂利多屋さんで済ませ外に出る。気が狂いそうな暑さに辟易とする。

 CB氏のマシンのバッテリーの具合はやっぱり悪そうだ。そこで、N氏とCB氏と筆者で押しがけを試みた。単独で大型バイクの押しがけをするのは事実上不可能だと思う。過去の体験上。とにかく3人で押せばなんとかなる。

 せ〜の!ぶお〜ん!

 おお、無事にかかりました。

 20年ぐらい前に某ツーリングクラブに所属して頃、僕自身がまったく同じ経験をたことがあった。しかもこのR13沿いで。

 あの時は、蔵王の温泉旅館に1泊2日ツーリングの往路だった。休憩のたんびにメンバーに後ろを押してもらった。バッテリー自体が寿命だった。まあ、おまえはすでに死んでいる状態という奴だ。

 オートバイに乗っている以上、電気系統のトラブルはいつやってくるかわからない。サロベツ原野でレギュレータ故障した時にゃ、目の前が真っ暗になった。

 なんでわざわざサロベツ原野で故障するの?

 まあ、こういう数々の試練を克服し続けたのがツーリングライダー「北のサムライ」の軌跡である。

 とにかく困った時はお互い様だ。

 天童から山形市内を抜け、道の駅に入った。いやあ〜、オジサンライダーたちは、本当にソフトクリームが好きだのう。みんなでアイスをペロペロする。僕がオーダーしたのは”ラフランスソフト”だ。洋ナシは山形の名産なもので。美味しかったです。

 血糖値を下げる薬を飲んでるくせに大丈夫なのか?





 混み合う道の駅を出発。ずいぶん陽が傾いてきた。少し気温も下がってきたかな。

 信号待ちで、肩から下げたフォルダーに突っ込んだペットボトルで水分を補給した。山用のフォルダーで山行の際によく使用していた。数年前、大病をして以来本格的な登山をしていないが、このアイテムは真夏のツーリングで役に立つ。

「信号待ちで、キタノさんの給水している姿が羨ましくて」
 N氏が呟いていた。ジェットヘルの僕以外、フルフェイスのメットなので、途中の給水は難しいと思う。

 落陽のR13を5機のマシンが疾風の如く駆け抜けていった。





 本当に暑い中、R13を福島方面に向かって駆け抜けていく。

 ただただ暑い。僕だけかも知れないのですが、長時間、オートバイを運転し続けると無の境地に入ってしまう。学生時代、CB750FCで横浜から福島へ帰省したときなど、よく無の境地モードに入ったものよ。つまり、今現在がそう。

 どのくらい走ったろう?先頭を走っている社長から合図があり、コンビニへ左折した。ここはどの辺だろう?

 とにかく喉が渇いた。ここで、キンキンに冷えたビアが飲めたら死んでもいいなあ、なんてアホなことを考えていたら、
「キタノさん、ノンアル飲みますか?」
 N氏の提案に、それは名案だ!仰せの如く2つ返事でノンアル購入。そして、プシッと栓を開けゴクン。うめー・・・





 CB750を撮影させていただく。

 かつて筆者は、CB750FC乗りだった。そのCB750Fシリーズの後に出たのが、こちらのCB750だそうです。N氏によると。とにかく美しい。

 CB750かあ、なにもかもが皆懐かしい・・・





 上山市内のコンビニを出発する。CB氏のマシンも押しがけせずともなんとかセルが回った。気温が下がってきたからではないかということかも知れない。

 とにかく気まぐれなオートバイの電気系統の世界は科学的に解明されていないと思う。でもかかってよかった。しつこいんですが、僕個人のサロベツ原野でのレギュレータ故障がすっかりトラウマになっているもので。

 さて、ここからR13を南下して栗子峠越えで、帰福するかと思いきや、先頭の社長氏は七ヶ宿方面に左折した。時刻は既に17時半を過ぎていて最早、周囲が暗くなりかかってきた。

 交通量は少ない。雨上がりの七ヶ宿ダム沿いのローリングをひたすら駆け抜けていく。

 どのくらい経っただろうか?ようやくR4沿いの宮城県白石市に出た。もう、周囲はマックロクロスケになっていた。そして、コンビニで休憩。冒頭の画像です。

 皆さん、ずいぶん眠気との熱い闘いを繰り広げてきたそうだ。キタノさんは、どうでしたと聞かれたのですが、まあ、僕は普通でしたと答えると・・・

 流石、北海道ツーリングライダーはモノが違うねえとN氏が絶賛する。おいおい、それとこれとはまったく違いますよと返すと、皆さん笑っておられた。

 時刻は、既に19時半を過ぎていた。家人に今、白石に居るから晩御飯はなしということでとスマフォで連絡した。N氏がいつも夜遅くまで連れ回してすいまわせんねえと言われる。なんもなんも今日は遅くなるからと事前に家人に言ってあるから大丈夫です。             





 その後、R4で福島県内に入る。桑折町からR13に戻り道の駅福島”大笹生”で解散式となりました。お疲れ様です。とても充実した楽しい1日でした。

 帰宅したのは、21時過ぎでした。すべて下道で軽く300キロ以上は走破したと思う。

 PS.後日、N氏からメールで、トップケースのフレームのボルトを自作したという連絡があった。このツーリングの数日後、N氏の修理工場で取り付けていただく。

 末筆ながら、本当にありがとうございました。また、シニアライダーズで獅子奮迅の走りをいたしませう!       


総走行距離 たぶん320キロぐらい


2024.8.15UP


FIN


記事 北野酔眩


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