飯坂温泉共同浴場探訪録




波来湯外観


 飯坂温泉は奥州三名湯のひとつである。飯坂温泉にはまさに庶民の味方のような共同浴場が9つも存在し、就中、鯖湖湯は飯坂温泉発祥の湯とされている。どの共同浴場も6:00〜22:00が営業時間だ。朝から晩までやっているのが嬉しい。入浴料は波来湯のみ300円で、それ以外の施設は200円と格安で利用でき、それぞれの共同浴場に設置されている自販機でチケットを購入する。全体的にかなり熱めの源泉かけ流しだが、近年は観光客にずいぶん配慮して43℃ぐらいの適温に調整されているときもあるし、でもやっぱり、びっくりするぐらい熱いときもあるのでご注意を!地域柄なんだろうねえ、地元の方々がとても穏やかで親切です。

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波来湯(福島市飯坂町字十綱町30番地) ”はこゆ”

 波来湯は、延暦年間に開湯されたと伝えられており、1200年余りの由緒ある源泉は『鯖湖湯』に次いで長い歴史を誇る。浴槽は2つあり、熱い湯(45℃)と温い湯(42℃)に調整されている。共同浴場の中では珍しくシャワー・カラン完備なので、前時代的な共同浴場が苦手な人でもOK牧場です。共同浴場デビュー、すなわち導入にはいい施設かも?お客さんも地元の常連さんばかりではなく、観光で訪れた人も多く利用していた。泉質/アルカリ性単純温泉48.8℃ 効能/神経痛・筋肉痛・冷え性・疲労回復・健康増進等 火曜定休 ブログ記事
鯖湖湯(福島市飯坂町字湯沢32番地) ”さばこゆ”

 鯖湖湯は、松尾芭蕉が奥の細道の旅の途中に湯に浸かったという古よりの名湯である。泉温の高さでも超有名だが、近年は観光客も多くなり、以前ほど強烈な熱さではなくなった思う。飯坂温泉共同浴場の中では、知名度・人気ともダントツトップの温泉施設だろう。筆者は何度もかけ湯をして、体を高温に馴染ませてから入浴した。熱いけど天王寺穴原湯と同じレベルか。脱衣所で着替えていると次々にお客さんが入場してくる。本当に大人気の共同浴場だ。泉質:アルカリ性単純温泉 泉温:51℃ 適応症:神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、健康増進等 月曜定休 
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十綱湯(福島市飯坂町下河原36-7) ”とつなのゆ”

 摺上川に架かる十綱橋から近い共同浴場というわけで、十綱の湯と命名されたようだ。どうやら近くの共同浴場、大門の湯の源泉から分配されているらしい。十綱の湯は、昭和43年開湯と飯坂温泉共同浴場の中では一番新しい。浴槽の中央から、こんこんと源泉が噴き出してくる。熱いけど、とても入りやすく長く浸かってられる。ホースの水で埋めていたからやもしれない。いい湯だ。ふにゃふにゃになるまで単純温泉を堪能する。源泉名:大門分湯槽 泉温:62℃ 泉質:アルカリ性低張性温泉 金曜定休 ブログ記事
仙気の湯(福島市飯坂町湯野愛宕前35) ”せんきのゆ”

 昔は下の湯と呼ばれ、現在の切湯(摺上川沿い)の下流にあった共同浴場である。いつ出来たのかは不明で「疝気(せんき」(腰腹部の疼痛)を病んでいる人は一度入浴すれば全癒するといわれたことから「疝気の湯」と呼ばれた。1967年に現在地(住宅地)に移築された。浴槽は熱い湯(45℃)と温い湯(42℃)の2つあるので、高温が苦手な人も馴染みやすいだろう。ちなみに筆者は熱い湯で適温だと思った。平日の午後に利用したのだが、年配の常連さんでとても賑わっていた。泉質:アルカリ性単純温泉 泉温:50℃ 適応症:神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、健康増進等 木曜定休 
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切湯(福島市飯坂町湯野切湯ノ上5) ”きりゆ”

 1624年開湯とされる。当初は上湯と呼ばれていたが、切り傷を負った多くの山伏がここで湯治をしていたことから、切り傷によく効く湯とされ「切湯」の名がついた。浴槽はぞんがい小さかった。先客はご老人がおふたり。とりあえずご挨拶をしてタライで浴槽の湯をかぶると・・・なんじゃこの異様な熱さは!全共同浴場中で最強レベルの熱湯甲子園かもしれん。でも先客の親切なおじいさんたちがホースの水で埋めてくれたり、源泉の吹き出し口にパイプを通してバイパスにしてくれたので、熱いけどなんとか浴槽につかれた。助かりました。源泉かけ流しの浴槽 泉質/アルカリ性単純温泉 湯温/56℃ 適応症/神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、健康増進等 月曜定休 ブログ記事
 
導専の湯(福島市飯坂町湯野導専16) ”どうせんのゆ”

 1962年、まだ一般家庭のすべてにお風呂が普及してなかった時代に住民からの強い要望でできた住宅街の共同浴場である。浴場名は地名に由来。飯坂温泉駅から徒歩で5分程度なんだが、福島は車社会だ。駐車場なしは地元民以外はつらいところだ。したがって、利用者は地元の年配の方が多い気がした。ちなみにこの日の僕はバイクでの参上でした。ここは熱い湯と温い湯の2つの浴槽があるから、熱い湯が苦手の方でも利用しやすいと思う。でもこの日は熱い湯の浴槽の湯温が46℃ぐらいで調整されていたのでちょうどいい湯加減を満喫することができた。泉質:アルカリ性単純温泉 湯温:50℃ 適応症:神経痛、筋肉痛、くじき、冷え症、疲労回復、病み上がり回復、うちみ、健康増進等。 金曜定休 ブログ記事
大門の湯(福島市飯坂町大門1)

 浴槽の中央から源泉が流れ出ている。そんなに広くはないが、典型的な飯坂温泉共同浴場の造りで、洗い場のスペースが広い。ここの源泉は十綱の湯に分配されている。タライでかけ湯をすると熱い。これはかなりのもんだ。あまりの高温に3分ももたずに浴槽から脱出した。そして身体を洗ってからリベンジしてみた。2度目は身体が馴染んだせいか、すんなり肩まで浸かる。それでもそんなに長くは持たなかった。そこそこに切り上げて脱衣場に戻った。なかなか手強かったぞ、大門の湯。でも熱い湯を堪能した後に外気にふれるとなんとも心地よい。源泉名:大門分湯槽 源泉かけ流し 泉質:アルカリ性単純音声 泉温:62℃ 木曜定休 ブログ記事
八幡の湯(福島市飯坂町馬場20-1)

 けんか祭りの行われる八幡神社や八幡寺の近くにある飯坂温泉共同浴場で、地名の八幡から名付けられたそうだ。源泉「八幡の湯」。つまりこの地が源泉でまさに源泉かけ流し。素晴らしい。源泉温度54.6℃、アルカリ性単純温泉。無色透明、無臭だけど柔らかな感じの湯だった。ホースの水で埋めていたせいか、適温でとてもいい湯でつい長湯してしまう。この日は近くの共同浴場「大門の湯」が定休だったし、正月時間17時終了のせいかとても混み合っていた。でもまあ、洗い場も浴槽も特に支障なし。浴槽に入ったり、上がったりを3度ばかり繰り返した。とても心地よかった。 火曜定休 ブログ記事
天王寺穴原湯(福島市飯坂町湯野湯尻25-5)

 温泉旅館が点在する穴原温泉の共同浴場。実はここの温泉は、以前お世話になった富士屋旅館を源泉とする寛政元年開湯という飯坂温泉で2番目に古い歴史ある名湯なのだ。施設は洗い場と浴槽のシンプルなもので、筆者もタライでお湯をかぶると熱っ〜、さらに浴槽に入ると熱いじゃない痛い。すぐに飛び出した。それもそのはず、湯温が47.8℃もあるそうだ。身体を洗った後、もう一度入り直した。二度目の入湯は身体が馴染んだせいか、なんとか耐えられるようになっていた。それでもモノには限界というものがある。3分ほどであがると湯に浸かっていた部分が赤銅色に変色していた。恐るべしっ、天王寺穴原湯!単純温泉で皮膚病に効能あり。湯から上がり外へ出ると肌が蘇ったような清々しさを大いに感じた。 水曜定休 ブログ記事




記事 北野一機



2020.1.12記事UP



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