北海道ツーリング2016後編








ファーム上田にて






最終章



終わりよければすべてよし?



 この日は、あんまり天気がよくなく雨がちらほらと・・・

 アンビのツアーで、最初はきのこ王国に向かった。

 ここで皆さん、ガッツリと昼食を食べたのだが、この後、仁木町の『ファーム上田』に向かうというので、ぼくは「キノコ汁」+「チキン」程度にとどめた。





 でもやっぱり、自分が運転じゃないと飲んでしまうのね。サッポロCLASSIC・・・

 まだそんなにお腹が減ってないし、この先何かがありそうな一抹の予感が脳裏をよぎった。

 百円のキノコ汁は相変わらず美味しいし、チキンもぞんがい脂が乗っておりぱくぱくといただく。





 次に向かった仁木町のファーム上田では、定番の『ベリーベリーパフェ』を食べるべきなのかもしれないけど、ぼくと熊本の弟分のヤタロウは併設のレストハウスに入り、ステーキをオーダーした。

 オーストラリア産らしいけど、これが表面かりかりで中身ジューシーで実に旨い。ホークで刺した最初の一口をマスミさんに差しあげた。少し夏バテ気味で体調を崩して食欲のなかった彼女も美味しいと仰せだ。

 地元産のワイン1本分の代金ぐらいなんて年長者のぼくが持とう。ヤタロウと東京のトリイくんが旨いといいながら、ごくごくと飲んでいた。

 トリイくんは、今回が初対面だと思うが、ゴロウさん、ゴロウさんといろいろ気さくにぼくに声をかけてくれた明るい人柄の若者である。

 そして、残念ながら最寄りの駅にてマスミさんやヤタロウ、その他、多くの皆様とお別れになる。

 がっちりとしたヤタロウは、温厚で実に好青年だ。叔母のマスミさんも甥っ子思いの優しいご婦人である。こうやって、お身内で旅人魂を伝授されていくなんて本当に素敵なことだと思うなり。

 人見知りするくせにぞんがい感情量が多くて、ワインで少しヨッパの筆者は寂しい気分で一杯になった。うっ、旅のこういう別れのシーンが若いころから本当に弱いのだ。駅からディーゼル列車に乗っていく皆さんと手を振り合ってお別れした。また会いましょう。

 その後、村長の運転で、余市のニッカウィスキー工場へ向かう。そしてしこたま試飲のウイスを飲んでこの日の記憶は完全に尽きてしまった。オイ!





 翌朝・・・

 盆が明けると、宿泊されたいた方々も次々に帰還されていく。

「ゴロウさん、それじゃまたあ〜」
 村長、ノブロウくん、ITさん達は、積丹方面へのツアーに出発して行った。

 ぼくも今日がこの年の北海道ツーリングの最終日だ。苫小牧へ向かおう。ユミさんの見送りを受け、四季彩街道を快走し、白老町へ向かった。

 好天の中、到着したのが『かに太郎』(白老町竹浦)である。やはり、最後はここのカニメシを堪能してから帰りたいな。しかしまあ、この建物の荒れっぷりは相変わらず凄まじい。

 なぜかオバサンが不在だ。ちょっと心配な気分だが、おじさんに(これしかないけど)カニメシをオーダーした。





 カンピョウ、タマゴ、紅ショウガの下には、カニの剥き身がびっちりと敷かれている。これですよ。ホカホカと暖かいご飯には濃厚なカニの出汁が充分に沁み渡っている。

 実に美味い。これでワンコイン5百円なんて、破格だと思う。何度来ても本当に満足です。ご馳走さまでした。密かに味噌汁や漬物も自分好みなのだ。





 虎杖浜温泉 ホテル王将(白老町竹浦)

 日帰り入湯400円。源泉かけ流し。泉質:アルカリ性単純温泉。

 効能:神経痛、腰痛等。

 かに太郎の道路を挟んで反対側にこれまたレトロな温泉施設あり。

 この付近では、お気に入りの『ホテルほくよう』の温泉施設を利用しようかと思っていたのだが、この夏の北の大地の締めの温泉はここにしよう。

 しかし、かに太郎といい、この温泉といい、外観とかにあんまり拘ってないようだ。素の自分、中身で勝負っていいうわけだな?

 男だねえ〜





 いやあ、広々として本当によい湯だ。少し熱かったけど、あまり気にならない程度だ。手足を伸ばして、ゆっくりとくつろいだ。他にお客もいないし、なんとも昭和チックな雰囲気を楽しむ。

 散々な目に遭った2016夏の北海道ツーリングだったけれども、こうやっていい湯に浸かっていると『終わりよければすべてよし』か?





 露天風呂も自然の中で、夏の終わりの風情を楽しむという情緒あふれる光景が広がっていた。温泉を満喫し、ホテルを出ようとカウンター前を通過する。

「バイク、福島ナンバーなんですね。遠いところから、ご利用ありがとうございます」
 若旦那から、冷たいお茶のペットボトルをいただいた。
『ご馳走さまです』
 嬉しい配慮だ。深くお礼を申し上げる。

 飲み物を飲み干し、駐車場に出ると、愛機のサイドスタンドがアスファルトにめり込み、75度ぐらいに傾いている。危ないところであった。そして、北の大地ではよくある出来事なのである。

 盆過ぎとはいえ、外は灼熱の陽射しだ。少しうんざりしながら、スロットルをあげ、R36を北上する。

 実は虎杖浜周辺は、ぞんがい穴場だったりした。





 苫小牧港FTに着く前に、サンロードというお土産屋さん施設で、まとめて お土産を購入。流石に老いぼれてくると、これだけ連続休暇を取るにはいろいろ周囲に気を遣わないとまずいんです。

 宅配の準備を済ませ、FTに到着し、乗船手続きを済ませた。

 しかし、ライダーのほとんどが還暦というより、古希?を過ぎたご老体ばかりが目立つ。いくらなんでも若い人があまりにもいない。それにこちらの方々はベテランライダーではないと直感した。

 高級なマシンで来ているようだが、立ち居振る舞いがあまりにも妙?変な?お爺さんの姿が多かった。自分のバイクのまわりを怪しげにくるくると回っている方もいる。これではバターになっちゃうよ。昨年は、たまたま居合わせた知らない老人ライダーに僕が声をかけなかったことに腹を立て(勝手な理屈だよな)、ネットの匿名で理不尽な嫌がらせ投稿をされるという出来事もあった。

 それにしても高齢のライダーがほとんどである。筆者もそれなりに年配になってきたけれども、ちょっとショックな光景だった。おっと、他人のことには関知するまい。

 でも、もうそろそろ旅のスタイルを根本的に考え直す転機が来ているような気がした。ぼくはもうここにいるべきではないやも?やるなら原ニで自走しながら青森から渡道とか。いや、いっそのこと目的とする方角を南に変えるとか?南のサムライになっちまうか?それも厭だな。

 船内では、うちのサイトをご覧いただいておられるという方から、声をかけていただき、ワインなどを飲み過ぎて、かなりヨッパになってしまう。

 そして翌日の11時ごろ、仙台港FTへ無事入港。

 この旅は、予想外の超アクシデントで、ずいぶん散財してしまった。

 いずれにしても四半世紀近いマシンでのロングな旅は、もう限界なのかも知れない。向後のことを検討する時期に来ていると思う。

 昼食は、↑の画像『伊達の牛タン本舗六丁の目東インター店』にて、塩・味噌のハーフ定食を堪能する。相変わらず絶品である。

 というわけで、マシントラブルに満ち溢れた2016夏の北海道ツーリングの記録に筆をおこう。

 しかしまあ、ツーレポ完成にこれだけの時間をかけるのも生涯初である。やはり老いたか?

 それでは、いつかどこかの旅の空にて!

 なんだがぼくの旅って辛いことばっかしだよね!

 想定外の旅も終わってみれば実に楽しいものぜよ?

 まさに終わりよければすべてよし!

 いい旅を!                      



FIN



記事 北野一機(ゴロウさん)



2017.12.29 お盆でどぼん!全編UP



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