和琴に戻ると昨夜よりもさらに半分ほどテントが減っていた。
もちろん和琴に連泊だ。売店で若旦那へ申し出て手続きを済ませた。
「もう、あなたにこのキャンプ場の説明は不要でしょう」
そう言いながら笑っていた。筆者が初めてここを利用した頃、彼はまだ小学生である。
北海道ツーリング2014
13
雨の中、根室の市街地で一応ゼファーに給油してからパイロット国道を北上していたんだけれど、走行110キロ地点あたりでまたもリザーブとなる。 絶対にリザーブのバルブがいかれたと思う。まあ、それほど深刻な故障ではないので、コックを切り替えて走り出すと、ラッキーなことに雨があがってきた。どうやら天候は回復傾向のようだ。 |
冷えた体を温泉で暖めよう。 別海道の宿温泉しまふくろう(野付郡別海町西春別) 以前から気になっていた原野にポツンと立つ温泉施設である。日帰り入浴は500円也。併設で足湯をしながら食事ができるレストランも好評のようだ。とりあえず筆者は入浴施設の方へ。 それほど巨大という感じではない。むしろ手作り感あふれるシックな内湯で気にいった。 |
木塀に囲まれた露天風呂は眺望はないけど、吹き抜けの青空の色がとても印象的であった。 泉質:ナトリウムー塩化物泉、もちろん源泉かけ流し 効能:神経痛、関節痛等 源泉 名:「大平原の湯」 |
まあ、穴場でしょう。パイロット国道沿いのわかり易いポイントなので、一度立ち寄る価値あり。 ふくろうの湯に入浴した後は、きっぱりと晴れた。 途中、弟子屈のスーパー(フクハラ)で今宵の食材+アルコールを調達する。 |
和琴に戻ると昨夜よりもさらに半分ほどテントが減っていた。
もちろん和琴に連泊だ。売店で若旦那へ申し出て手続きを済ませた。 「もう、あなたにこのキャンプ場の説明は不要でしょう」 そう言いながら笑っていた。筆者が初めてここを利用した頃、彼はまだ小学生である。 |
その後、テントの中から見えるカヌーがなんとも寂寥感を漂わせていた。寂しいけど、もう夏も終わりだ。なんて思いながらウイスキーをチビリ(おい!) |
なんだか陽が落ちるのが劇的に早くなっているような気がする。あっという間に真っ暗になった。 晩ご飯は、大好物の豚ホルモンをフライパンで炒め、おかずにした。歯触り、味、すべて申し分なし。 |
スターライトホテル。和琴半島から観る星空をとても楽しみにしていたのだが、今宵は残念ながらミルキーウエイは望めなかった。 しかし、この時期の和琴って本当に物音ひとつしないほど静かである。 |
おかげで、ウイスキーがかなり進んでしまったではないか。ラジオからは野球中継が盛んに流れているけど、ヨッパになっているせいか内容はほとんど聞き取れなかった。 いつ寝たのか覚えてないけど、一応、シュラフにはもぐり込んでいたらしい。ただ、間違いなく二日酔いになりそうな予感がした。 |
というわけで、翌朝は安らかに寝坊いたしました。
一応、米を炊いて納豆をおかずに朝食は摂ったのだけれどもあまりの睡魔で、2度寝する始末であった。 AM10時くらいまで爆睡して、物音がしない筆者のテントを非常に心配した(死んでるのではないかと心配した)隣のファミキャンの母親と若い嫁から起こされた。 「大丈夫ですか?あまりにも静かなので、不安になって声をかけてしまいました」 『ありがとうございます。少し、二日酔いで弱ってましたが、お蔭で眼が醒めました』 本当に助かった。起こしてもらわなかったら夕方まで、寝過ごしてしまったろう。 また、来年まで、へば! テキパキと撤収作業を済ませ、和琴湖畔キャンプ場へ別れを告げた。 幸い陽が射している道東道に乗り、一気に道央まで舞い戻った。明日には苫小牧からフェリーに乗り帰路に着かねばならぬ。そう思いながら、長時間走り抜き、追分町ICにて高速を降りた。 昼食もとらずに延々と走行していたので、本当にハラペコである。たまたま眼に入った瀧ラーメン店(勇払郡安平町追分)というラーメン屋さんにためらわずに入った。 老夫妻?いやまあ、中高年のご夫妻が切り盛りされていた。 適当に入った店なので、ほとんど期待してなかったのだけれど、ぞんがいコクのある白濁スープ(パイタンスープ?)、歯ごたえのある太麺のバランスがとてもよい、本当に意表を突く美味しいラーメンだった。別の客がオーダーしていた野菜ラーメンもとても旨そうだったので、次回はこれかなと思った。 ちなみに、白濁スープの最後の一滴まで飲み干して店をでた。血圧が高めなのに困ったもんだ。 夕陽が落ちかけている。早く今宵のキャンプ地の”ときわキャンプ場”へ入らないと・・・ 背中にオレンジ色の光をいっぱいに浴びた北のサムライは、ゼファーのスロットルを素早くあげた。 そして、後ろ姿は大きく燃え上がるような夕陽の中に吸い込まれるように消えていく・・・ そう言えば昔、バイクに乗ったキタノの後ろ姿の男振りの良さを絶賛してくれた人がいた。 でも全部、若い頃の話であり、ずいぶん遠い記憶だ。 男は背中で語れ! |
少し、R234を苫小牧方面へ南下した。少し迷ったけど旧早来町時代から気になっていたキャンプサイトへ辿りつく。 ときわキャンプ場(勇払郡安平町早来) ぞんがい奥行きの深い芝のサイトだった。管理棟へ宿泊を申し込みに行くと、高校野球中継のラジオが、ガンガン鳴っている。 「いやあ、きょうの甲子園大会の内容も白熱のゲームばかりだよ。やっぱ大阪桐蔭は強いわ」 やや興奮気味のおっさんが出てきて、キャンプサイトのもろもろの説明をしてくれた。 よく手入れの行きとどいた広大な芝、綺麗な水洗トイレ、これでゴミさえ捨てられれば満点なのだが、あいにくゴミは持ち帰りであった。本当に北海道のキャンプ場はどうにかなっちまったのかい?道外のツーリングライダーにゴミを持ち帰れって無理だろう?コンビニだってゴミの受け入れを拒否しているのだ。 なんというか、その理屈に説得力というか大義名分があまりにもなさ過ぎる。 筆者は随分前からHP本編のツーレポにて一貫して主張してきた通りだ。そして、このキャンプのゴミは明日の夕方、つまり苫小牧のフェリーターミナルまで持ち歩くほかはない。 まあでも、ゴミの件以外は、本当に使い易い、いいキャンプ場だと思った。利用料も4百円と格安である。 |
テントを立てた後は温泉に向かう。 鶴の湯温泉(勇払郡安平町早来) 入浴料大人500円 泉質:冷泉含硫黄、炭酸水素温泉 AM10:00〜PM9:00 |
露天風呂こそなかったけど、体の芯から暖まるような効能の高い温泉でした。地元の方からの支持がとても高いようで、家族連れの利用者が多い。 昔は、建物の周辺でツーリングライダーがキャンプさせてもらっていたのだが、流石に現在はそういう風習はなくなった。 温泉を存分に堪能し、15分ほどかけて”ときわキャンプ場”へ戻った。 |
テントに入り、ウイスなどをチビリチビリと飲んで、少しずつヨッパになっていく。 ラジオからはテンポの良い洋楽が流れていて、筆者はやや酩酊してきた。 |
流石に疲れが溜まってきているようだ。ここ3日ほど、かなり無理をして移動している。 アクシデント続きの2014年夏、北の大地の旅も今宵が最後の夜だと思うとかなり感じ入るものがあった。 そんなことを考えているうちにいつの間にか、筆者の記憶は尽きていた。 |