北海道ツーリング2004



北炎




狂宴に酔いまくる北野の醜態(画像提供:AO氏)







 うっ、頭が痛い。

 久々に二日酔いか。とにかくIWAさんと和琴の公衆浴場で朝からまったりする。今朝の湯はそんなに熱くないんで湯船に入りじっくりと体を暖めた。

 今日で和琴から撤収だ。北海道キャンプ泊最後の夜は、穂別町営キャンプ場での永久ライダー・オフ・キャンプ。略してEOC。別名エロ・オヤジ・キャンプ(EOC)としても歴史と伝統を誇るミーティングなのだ?

 しかし蒸し暑いのお〜

 最北限のミンミンゼミの声が非常にかしましい。ここでミンミンゼミの大合唱を聞いたのはかなり久しぶりなような気がする。とか思いながらテントを撤収。だらだらと荷物をパッキングし終える頃、オーナーのおっさんが通りかかる。

『俺、明日フェリーで帰るから、これから出発するね』
 すっかり心配をかけたおっさんに挨拶をした。
「おう自衛隊さん、気をつけてね。体調は大丈夫かい?」
『なんとかね。お世話になりました』
 ちなみに俺の職業は自衛官ではない。17年前からの和琴限定HNが「自衛隊さん」なのである。

 マシンに火を入れゆっくりとゼファーを始動させた。バックミラーで売店の方を見るとなんとおばさんがわざわざ出てきて心配そうに手を振ってくれている。この光景を目にしたときかなり込みあげるものがあった。また帰ってくるぜ。永久ライダーのベース基地「和琴湖畔キャンプ場」へ。

 何度この峠を越えたことだろう。阿寒湖横断道路。司馬遼太郎の小説にも「峠」という作品がある。幕末の英傑、越後長岡藩士河井継之助の波乱の生涯を描いたストーリーだ。彼は越後から江戸へ向かう峠を何度も越え、時代の変遷に負けないようにと戦った。奥さんをほったらかしにして・・・

 って俺が人のことを言えるかい(笑)

 〜阿寒湖や永久ライダーが越える坂〜

 しかし暑いぞ。とにかく阿寒湖を横目に足寄町に入る。なんかの記憶(よく覚えてないが)で足寄の道の駅のソフトクリームが非常に美味いと聴いたことがある。喰いてえ。足寄のソフトクリーム。ということで道の駅足寄湖に突入。

 暑い。ふらふらしながら階段を昇り売店でソフトクリームを購入。

 うっ、うめえ〜

 俺は未だかつてこんなに美味しいソフトクリームを食べたことがあるだろうか。ない。絶対にない。もの凄い濃厚なミルクの味。ベロベロとがぶりついた。ご覧の皆様も道の駅足寄湖へお立ち寄りの際は是非。お薦めです。

 またも温い空気の中をアクセルを握り続けた。暑過ぎるぞ。もう頭の中は白いモヤがかかっているように意識が薄れていた。そして十勝の単調な牧草風景。もう飽和状態だ。ここに居るはずのない友人知人が現れては消える。時には俺も彼ら(彼女ら)と会話をする・・・

 なんじゃこりゃ?これが白日夢つーやつか?

 あっ危ない。去年も十勝を走行中、似たようなことがあった。少し、現実に戻ったとき思わずコンビニに駆け込んだ。冷たいブラックの缶コーヒーを飲みながらこの事実をIWA氏に話した。

 ところが・・・
「後ろから見てましたけど普通でしたよ」
『マジっすか』
 おっ、俺はついに霊感体質になったのか?とにかく病み上がりな俺はなんかヘンだ。先頭はIWAさんに代わってもらおう。このあたりなら俺より彼の方がずっと土地勘もあるはずだし。

 上士幌町〜士幌町〜清水町と十勝の判りづらくなって来た道をひた走る。清水町のスーパーで今夜のオフ用の大量のジンギスカンとアルコールを調達し、日勝峠越え。去年のオフキャンプ地「日勝キャンプ場」入口を見ながらワイディングをクリヤーして行く。

 日勝の頂上付近を過ぎ長い下り坂を走行しているといきなりの雨だ。やっぱり日勝峠の気候は不可解なり?カッパに着替えるとすぐにまた晴れ間が出てくるし。コンコンチキめえ。

 石勝樹海ロードへ入ると猛烈に腹が空いてきた。そういや昼ごはんまだだなって・・・15時くらいなんだけど。

 ここは久々にラーメン屋「樹海苑」かな。IWAさんも空腹そうだし。
『いよっ、お久しぶり』
 と暖簾をくぐると相変わらず元気なおばさんが居た。
「最近客が少なくてねえ」
 樹海苑のおばさんは嘆いていた。

 うちのサイトじゃたいしたことはねえが、ばっちり宣伝させてもらうぜ。

 おばさんと対照的な無口なご主人の作るラーメンはモヤシのこぼれ汁が効いたマジで秀逸な味だ。
 サービスのメロンとトマトとアイスコーヒーも非常に嬉しい。TMにも出てるよ。

「今日はどこに泊まるんだい」
 とおばさんに聞かれた。
『ああ、今日は俺らライダー仲間のちょいとした集まりがあるんだ』
「へえ〜、どこのキャンプ場よ?」
『穂別町営キャンプ場だよ』
「そこの福山パーキングならおばちゃんに断ればタダだよ。そこにしなよ」
『もう、前から決めてるし料理もするからね』
「福山パーキングは水場がないから料理は無理ね。今度使ってね」
『了解!』
 と答えて店を出る。
 すると隣のGSで働きながら、ここのラーメン屋を勧めまくるじいさん登場。

 大阪からシーズン中だけGSの店員になりにここへやって来る、VMAX乗りの謎の老人ライダーなのだ。

 写真を撮らせてとお願いすると「恥ずかしいなあ〜」と照れまくっておられた。 
 老人とおばさんに見送られ出撃。目的地は穂別町営キャンプ場なり。

 穂別大橋を越えると広大な草原のキャンプ場が見えてくる。穂別町営キャンプ場だ。しかし本当に広いのう。さっそく受付に行くと空いてるからオートキャンプサイトを自由に使っていいとのこと。こいつはラッキー。騒いでもクレームの心配がない。

 さて、かなり陽も傾いてきた。今回のオフキャンもかなり参戦表明があったので誰か来てるだろう。

 がっ・・・

 誰も居ないし・・・

 もしかして、オートじゃない方へ行った人が居るかも。旅団から頂戴した案内画像は一般サイトの方だし。

 IWAさんが捜索に行くと案の上・・・

 さて抱腹絶倒、空前絶後、最強最後の宴の顛末は如何に・・・

 なんだか俺は真実を描く勇気がねえぞ。つうか記憶がないので参加の皆様から頂戴した衝撃の画像から驚愕の事実を検証することしかできない。

 次回はホラー映画の世界へ。

 アンビリバボー・・・



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