2005.11.26〜11.27




楢葉町天神岬キャンプ場にて



 俺は10月中旬ぐらいから体調を崩してしまった。

 そして当月下旬に予定していた「EOC裏磐梯」は無念の中止。もう今シーズンのEOCは無理と判断していた。しかし、この夏、北海道美流渡でのEOCに参戦いただいた千葉のやまちゃんから
「北野さん、是非、EOCをやりましょう!」
 と叱咤激励され、11月下旬に照準を定め、オフを決行することに決めた。

 ちなみにEOCとは「永久ライダー・オフ・キャンプ」のことで、「エロ・オヤジ・キャンプ」の略ではない。一応、念のため付記しておく。

 流石に11月下旬では「裏磐梯」は雪に埋まってしまい、ママキャンプ場は冬季閉鎖となってしまう。

 東北南部の海岸線なら、気候は温暖だ。そこで以前に利用した経験のある福島県双葉郡楢葉町の「天神岬キャンプ場」へ決定。11月初めには永久ライダーサイトTOPから告知を開始した。

 やまちゃんはもとより、道楽館で知り合った神奈川のともさん(相互リンク)、永久ライダー読者の高橋さん(埼玉)、ローホーさん(東京・相互リンク)、黒木さん(神奈川)と関東方面の方々から続々と参戦表明を頂戴した。

 11月中旬になると寒波が襲来するようになり、極寒EOCの予感が漂うようになった。夏男の俺自身も冬キャンの経験がないので、かねて旅団から取り寄せていたシュラフ「オーロラ1000」、最寒マイナス30度対応だけが頼りだった。

 そして11月26日がやってきた。意外にポカポカの小春日和となる。

 午前中、妻につき合ってもらい、地元のスーパーで「キムチ鍋」の食材を調達した。実は、俺はあまり料理の腕に自信がないので、女房に見繕ってもらったのだ(情けない)
 先日の休みで、かなりツーリング道具の整理をしたのだが、お鍋などを積むと結局、こんなに過積載に・・・
「あなた、こっ、これじゃ北海道へ行くのと変わらないわよ」
 女房が呆れ顔で呟いていた。

 まあ、夜の冷え込みを想定して「炊き火台」などの火器系も搭載したのでしょうがない。

 ゼファーは、ほとんど前輪を浮かしながら出撃!


シェフ高橋さん

 絶好のツーリング日和の中、2時間半ほどで、楢葉町「天神岬キャンプ場」へ到着。

 既にともさん、やまちゃん、高橋さんが先着していた。挨拶もそこそこに受付を済ましにロビーへ向かった。高橋さんは、なんと大量の薪を受付に送ってくれていたのだ。細かいところへまで、ご配慮していただきありがとうございます。

 4人でテントを設営し、料理の下準備などをしているとローホーさん到着。DR650RSという珍しいバイクだった。 

イケメンのともさん

やまちゃん
「ローホーです。初めまして」
『北野です。こちらこそ初めまして、今日はよろしくお願いします』
「いや〜、初めてお会いしたとは思えませんね」
 ローホーさんは、とても洗練された感じの紳士で、先着の皆さんにも丁寧に挨拶をされていた。

 そしてローホーさんもテントの設営を始める。

 あたりは、どっぷりと日が暮れてきた。 
 それにしても高橋さんやローホーさんの料理の腕は秀逸の一言に尽きる。まるでシェフだ。

 高橋さんは南部鉄釜で鶏の蒸し焼き、さらには美味しいスープ、ローホーさんはイカをさばき、生姜、ニンニク、玉子を混ぜて漁師料理をさっと造っていた。

 スゲエー・・・

 北野も焚き火台で炭を熾し、ガスバーナーでチゲ鍋を仕上げるが、なんか見劣りしてしまう。

ローホーさん

黒木さん
 その頃、ハーレーの排気音が鳴り響いてきた。
「こんばんは、黒木です」
 がっちりとしたバディ。寡黙な男。しかし、全身から漂う温厚な優しいオーラを俺は既に感じ取っていた。

 EOCへの参戦は初めてで、とても心配されていたとのことだったが、酒を飲みながらの北海道話を存分に楽しいんでいただいたようだ。

 そして黒木さんもコンロ持参。
 今回のEOCの何が凄いかと申しますと火器類の充実だ。全員がバイクなのだが6人中4人が炭コンロや焚き火台を持参していた。

 季節が初冬ということもあるのだが、よくぞ遠いところこれだけの装備を持参されたと思う。過去、幾度かのEOCのなかで、これ以上、重装備でレベルの高い野営は初めてのことである。

「バイクで、なんで、こんなに荷物を持参できるのですか?」
 ともさんは、かなり驚愕されていたようだが、よい参考になったと思う。

北野
 煌々と燃え盛る焚き火、炭火が周囲を暖かく照らしていた。

 そして、高橋さんやローホーさんを始め、皆さんが仕上げる料理を腹一杯ご馳走になりました。

 酒の種類も凝った銘柄を次々と開けていただき、本当に美味しい。こんなにリッチな気分のキャンプがEOCで可能になるとは。最早、山賊集団の域は完全に脱していた。なんと豪華絢爛な野営よ。
 ヨーコさん(ともさんの奥さん)手作りの珈琲酎を頂戴する。これは本当に美味い。あまりの口当たりのよさにストレートで、がぶがぶ飲んでしまった。

 そして、北野のエンドレストーク・・・

 オフでしか語れない永久ライダー裏話の世界へ・・・

「それは、200?のツーレポの話ですよね」
 ローホーさんは、実によく永久ライダーを読んでくださっている。
 そして、やっぱり北野撃沈。22時ぐらいには外でお休みモードへ入っていたようだ。いやあ〜珈琲酎恐るべし。ストレートで飲むと、やっぱり一気にまわる。

 北海道のEOC美流渡同様、最後はやまちゃんにテントへ収容してもらったとのこと。季節は変わっても北野自身はいつもと変わらねえな。

 この後、皆さんは、何時ぐらいまで宴をされていたのかは知るよしもない。オーロラ1000の感触も忘れてしまう。
 北野は、深夜2時ぐらいに復活して酒を飲んでいたという噂も?ヨッパライダー全開か?

 早朝、まるでプロのカメラマンの如く、三脚を立てアングルを気にする北野の姿あり。

 懸念されていた朝の低温も楽勝。非常に心配していたので、なんだか肩透かしを喰った気分。

 本当にお日柄がよかった。そして冒頭の逆光の集合写真撮影終了。
 昨夜の食材で朝食をいただき、撤収。

 しかし、北野のパッキングは一番遅い。すいませんねえ。

 ここで、黒木さんが寄るところがあるとのことで、お別れ。お世話になりました。また4月のEOCでお会いしましょう!

 道の駅楢葉で、温泉タイム。いい湯でした。

 風呂の後で、こんな事件もあり・・・

「あっ、ツーリングライダーだあ・・・」
 と学生風の男が非常に馴れ馴れしくヘラヘラと駆け寄ってきた。

 こういうヤツが苦手の俺は
『なんだ、おめえは!?』
 と一喝すると男は急にヘコんで
「すいません。怖い!」
 と言いながら逃げてしまった。

 居合わせたローホーさん、ともさん、やまちゃんがかなり驚いて
「北野さんって、人を引きつけるものがあるんですか?こういうの初めて見ました」
 妙に得心していた。

 俺には引きつけるものはないと思うが、旅系のヘンなヤツに声をかけらるのは茶飯事なんですけど?

 類は類を呼ぶ?

 ちなみに男は、自転車で日本一周中らしい・・・とやまちゃんが言ってました。

 日本一周やっているから、各所でちやほやされ、自分が特別な存在と勘違いして、いい気になっている若造だったようだ。しかし、それなら、もう少し、旅慣れて礼儀正しくすればよいのに。

 そこへいくと、ともさんは実に謙虚だ。

「なんだか、1日だけ北海道ツーリングに戻ったかのようでした。そのため、解散の道の駅楢葉では、急激に寂しさがこみ上げてきました。北野さんが最後に、『だからまた旅に出るんですよ』っておっしゃってましたが、その通りですね」
 といみじくも後刻掲示板へ投稿があった。

「こんな出会いと別れが連続すると立派な北海道病へなるもんだよ」
 ともさんへそう言うと、彼は頷いていたようだ。

 そして、国道6号線を南下する諸氏へ手を振りながら別れた。

 初冬とは思えない強烈な日差しがアスファルトへ照りつけている。

 生涯のなかのほんのヒトコマかも知れん。でも旅人北野は、「永久ライダーの軌跡」をご縁にさらに交流の輪が広がることを祈念いたしております。まさに一期一会。

 今回のEOCへ遠くから参戦いただいた方々へお会い出来て、北野は本当に光栄でした。今のせちがらい世の中で、こういう集いができること自体、素晴らしいことだと痛感しております。

 心からありがとうございました。

 またお会いしましょう。

 これからも、ご覧の皆様の熟練、初心者などは問いません。まずは実行するのみ。野営のテクニック等は北野やベテラン諸氏が惜しみなく伝授します。ご心配なく。

 EOCは、キャンプツーリング魂のある方なら、いつでも参戦をお待ちしております。

 旅について熱く語り合いましょう。

 次回EOC開催の日まで・・・

 どうか、いい旅を・・・








記事 EOC主宰者・北野一機



画像提供:ローホーさん、高橋(mac)さん、ともさん



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